
広義におけるリードタイムとは、各工程のスタートからゴールまでにかかった時間や日数のことで、基本的には短いほうが望ましいとされています。EC通販においてもリードタイムが短い方が消費者には好まれるため、リードタイムの短縮はEC通販事業者にとって重要な課題です。
本記事では、リードタイムの概要について解説した上で、EC通販と物流に関わるものにスポットをあてて、リードタイムの種類や短縮のメリットについて紹介します。
目次
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1リードタイムとは
広義におけるリードタイムとは、各工程のスタートからゴールまでにかかった時間や日数のことです。EC通販と物流におけるリードタイムでは、商品やサービスの発注から納品に至るまでの業務全体の時間や日数を意味します。

業種によってリードタイムの種類や工程、考え方が異なり、企業独自の基準を設けている場合もあります。
あらゆる業種で使われるリードタイムですが、ここからは、EC通販と物流に関わるものにスポットをあてて紹介します。
2リードタイムと納期の違い
リードタイムと納期の意味の違いは、以下の表のとおりです。
項目 | 意味 | 具体例 |
---|---|---|
リードタイム | 発注から納品までの期間を表している (例:◯日間) |
納品に7日間ほどかかる |
納期 | 納品が完了する期限日を表している (例:◯月〇日) |
12月1日までに納品する |
リードタイムは期間を表すため、〇日間や〇時間などと表記し、一方で納期は期限日を表すため、〇月〇日と表記します。
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3リードタイムの種類
EC通販と物流におけるリードタイムには、以下の4種類が存在します。
リードタイムの種類 | 意味 |
---|---|
販売リードタイム | 販売する商品が届いてから、 EC通販上で購入できる状態になるまでにかかる時間 |
受注リードタイム | EC通販より注文を受けてから、 物流倉庫に対して出荷指示を出すまでにかかる時間 |
出荷リードタイム | 物流倉庫側が出荷指示を受けてから、 倉庫内でピッキング・梱包・出荷するまでにかかる時間 |
配送リードタイム | 配送業者が引き渡しを受けてから、 お届け先に商品を配送するまでにかかる時間 |
EC通販と物流におけるリードタイムは、商品を届ける工程である販売・受注・出荷・配送の4つに分類されています。リードタイムを短縮するためには、4つのリードタイムのどこに問題があるか分析する必要があります。
4リードタイムを短縮する方法
リードタイムを短縮するためには、以下の5つの方法があります。

- スタッフを増員・再配置する
- 配送ネットワークを見直す
- 業務を効率化する
- マテハンやツールを導入する
- 業務をアウトソーシングする
スタッフを増員・再配置する
倉庫内を管理するスタッフを増員・再配置することによって、業務のスピードが向上するため、リードタイムを短縮することが可能です。たとえば、検品や出荷作業など時間がかかる工程のスタッフを増員したり、多くの人員が必要ない工程を担当するスタッフを別の工程に再配置することによって、倉庫内の業務を効率化することが可能です。
配送ネットワークを見直す
配送ネットワークを見直すことによって、リードタイムを短縮することが可能です。EC通販においては、物流拠点の見直しが方法の1つです。
特に、地方に拠点を構えている場合は、商品の配送先の割合が多いエリアに物流拠点を置くことで、リードタイムの短縮につながります。また、トラック1台あたりの配送量や範囲を見直すことによって、より効率的に商品を配送することが可能です。
業務を効率化する
倉庫内の業務を効率化することによって、短期間で商品を発送できるようになり、リードタイムを短縮することが可能です。各工程で行う業務を可視化し、非効率な部分を効率化したり、倉庫内のスタッフのスキルを向上するための教育や、業務に関するマニュアル作成を実施することが大切です。
マテハンやツールを導入する
マテハンやツールの導入で倉庫管理の業務を自動化することによって、リードタイムを短縮することが可能です。マテハンは材料や商品など、モノの移動に関わる作業をするための機械や設備全般のことで、積み込みや搬送、保管や仕分けなどの作業効率化によってリードタイムを短縮できます。
また、倉庫管理ツールを導入することで、在庫状況をリアルタイムで把握し、在庫管理の自動化ができるため、人為的なミスを減らすことができます。
業務をアウトソーシングする
倉庫管理の業務をプロにアウトソーシングすることによって、リードタイムを短縮することが可能です。物流について多くのノウハウを有している企業にアウトソーシングすることによって、自社で対応するよりもリードタイムを短縮できるだけでなく、物流品質も向上します。
マテハン等の導入コストやノウハウの観点から、倉庫業務を自社で対応することが難しい場合は、アウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。
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5リードタイムを短縮するメリット
リードタイムを短縮することには、以下の3つのメリットがあります。

- 収益の向上
- 在庫管理・保管コストの削減
- 顧客満足度の向上
収益の向上
リードタイムを短縮することによって、生産性が向上するため、多くの商品を販売できる可能性が高まり、収益の向上につながります。また、商品が届くまでの期間を短縮することができるため、販売機会の損失を防ぎ、余剰在庫を抱えることを避けることができるため、コスト削減にもつながります。
在庫管理・保管コストの削減
リードタイムを短縮することによって、余剰在庫を減らすことができ、保管スペースを圧縮し、管理業務を簡素化することが可能です。より少ないスペースで在庫を保管できるようになるため、業務負担を減らして生産性を向上させることができるだけでなく、保管コストの削減にもつながります。
顧客満足度の向上
リードタイムを短縮することによって、消費者の注文に対してスムーズに商品を届けられるため、顧客満足度が向上します。また競合他社よりも早い期間で届けられることによって差別化につながり、リピーターの獲得も期待できます。
消費者の満足度を高めるために、リードタイムを短縮する取り組みを実践してみてはいかがでしょうか。
6リードタイムが長くなるデメリット
リードタイムが長いことには、以下の3つのデメリットがあります。

- 販売機会の損失
- 在庫管理・保管コストの増加
- リピート率の低下
販売機会の損失
リードタイムが長く、商品が届くまで時間がかかってしまうことで、注文キャンセルが発生したり、別のEC通販サイトから商品を購入されてしまったりすることが増えるため、販売機会の損失につながり、会社全体の売上減少にもつながります。
在庫管理・保管コストの増加
リードタイムが長く、倉庫で保管する在庫が多くなってしまうことで、在庫管理・保管コストが増加します。さらに余剰在庫が多くなることによって、保管スペースが必要となり、場合によっては新たな倉庫を探す必要が出てきます。
在庫管理・保管コストを削減するために、スタッフの教育やマニュアル作成などを実施してみてはいかがでしょうか。
リピート率の低下
リードタイムが長く、商品が届くまで時間がかかってしまうことで、顧客満足度やリピート率が低下します。特に、購入した商品を早く利用したいと思っている消費者は、早く商品が届くEC通販サイトを選択します。リピーター獲得のためには、注文から素早く商品を届けることができるように対策しましょう。
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7リードタイムを短縮するときの注意点
リードタイムを短縮するときには、以下の2点に注意する必要があります。

- 品質の維持
- 短縮による費用対効果
品質の維持
リードタイムを短縮する場合、スタッフの作業工程に無理がないかを確認して、品質を維持できているか注意することが大切です。強引にリードタイムを短縮すると、スタッフの作業負担が増えてしまい、手抜きや人為的なミスが増加するケースがあり、大規模なトラブルが発生してしまう可能性もあります。
リードタイムを短縮しようとした結果、スタッフのミスによって反対にリードタイムが伸びてしまうこともあるため、リードタイムを短縮する際は、スタッフの作業工程に無理がないようにして、品質を維持することが重要です。
短縮による費用対効果
リードタイムを短縮する場合、コスト以上の効果が出ているか注意することが大切です。リードタイムの短縮には、マテハンやツールの導入コストや、スタッフへの教育・マニュアル作成のコストが必要です。
発生するコストに対して、リードタイム短縮による効果はどのくらいなのか、具体的な数値として明確にすることによって、費用対効果が明らかになります。コスト以上の効果がない場合は、リードタイムを短縮する方法が適切ではないため、別の改善案を実施することをおすすめします。
8まとめ:リードタイム短縮には適切な運用を

リードタイムを短縮することによって収益や顧客満足度の向上、コストの削減を期待できることがわかりました。リードタイムを短縮するためには、スタッフの増員・再配置や、マテハン・ツールの導入などが必要です。自社での対応が難しい場合は、倉庫管理のアウトソーシングを検討してみませんか?
当社では、長年培った知見とノウハウで、業界トップクラスの物流・倉庫管理の支援を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
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