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物流 (改善 / 効率化)

物流品質を向上する手順とは?チェックポイントや具体策を解説

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物流品質の向上、具体策を解説

顧客満足度のさらなる向上や経営改善に向け、物流品質に着目する企業は多いでしょう。しかし、物流品質の改善によって高コスト体質になり、経営を圧迫しては本末転倒です。

本記事では、物流品質と物流コストとの関係のほか、安定的に改善させるための手順やチェックポイント、物流品質改善のための具体策についても紹介します。

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物流品質とは

物流品質(写真はスクロール360)

物流品質は、物流に関するサービスや作業の質のことです。物流品質が高い状態とは、具体的に下記のような状態を指します。

<物流品質が高い状態の特徴>

  • 約束した納期を守る
  • 届けた商品に汚れ、破損などがない
  • 商品のピッキングミスや、異なる住所への誤配送がない
  • 作業中の安全性が高く事故がない

これらの点で品質が低いと顧客満足度や企業への信頼が低下するため、物流品質の改善は企業にとっての重要課題といえます。近年では、輸送時のCO2排出量の削減など、環境負荷軽減の取り組みという観点も物流品質に含まれるようになってきました。

物流品質を高めることは重要ですが、人が関わる以上、ミスや事故をゼロにすることは現実的ではありません。そのため、自社の状況に応じた目標値を定め、必要なコストと効果を検証しながら改善に取り組むことが大切です。

物流品質改善の手順

物流品質を高めるにはコストもかかります。目的と目標を明確にしてから、改善に取り組むことが必要です。改善策の実施は、下記のような手順で行うのが一般的です。

<物流品質の改善策の実施手順>

  1. 改善理由の言語化:
    各業務の現時点での品質をもとに、「なぜ改善するのか」を言語化
  2. 目標の数値化:
    「どこまで高めるのか」という目標を、可能な限り数値化して設定
  3. 達成コストの算出:
    目標達成までにかかるコストを算出
  4. 具体策の策定:
    「誰が」「いつまでに」「何を」「どのように」改善するのかという具体策を策定
  5. 施策の見直し:
    改善策を実施したら、結果をもとに施策を見直し、PDCAサイクルを循環

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物流品質と物流コストの関係

物流品質と物流コストには、深い関係があります。物流品質が高い状態とは、場所、時間、量、質など、各物流機能を理想に近い状態に保つことです。

例えば、システム導入により在庫管理の精度を高めたり、物流センターを大都市近郊に設けてリードタイムを短縮したりすることで、物流品質は上がります。

しかし、物流品質と物流コストは比例するのが一般的です。
上記の例でいえば、システム導入と物流センターの設置によって品質が向上することに伴って、システムの初期費用とランニングコストや、物流センターを大都市近郊に設けることで発生する、高額な賃料などが新たなコストとしてかかってくるということです。

物流品質の改善に取り組む際は、改善にかかるコストと効果のバランスを見極めた上で、無理のない基準を設定する必要があります。

また、品質改善の効果を検証する際には、品質改善が顧客満足度に与える影響や、それによるリピート率向上の見込みなど、マーケティングの視点も欠かせません。

物流品質の機能別チェックポイント

物流品質の機能別チェック(イメージ)

物流品質の現状を知るためには、機能ごとに分けてそれぞれの品質を把握することが有効です。

一般的には、下記のような6つの機能別にあるべき品質の基準を設定し、その基準を満たしているかどうかをチェックしていきます。

保管

商品の保管品質を左右するのは、保管環境や保管方法などです。倉庫・設備の状態など、下記のような点を確認していきます。

<チェックポイント>

  • 倉庫の建屋が保管に適した状態か
  • 倉庫内の設備に不備やトラブルがないか
  • 商品ごとの特性に合った保管の仕方をしているか
  • 在庫を把握できる保管状態か
  • 保管にかかっている費用は適切か

荷役

荷役とは、倉庫や物流センターでの荷物の積み下ろし、入出庫、仕分け、ピッキングなどの作業全般を指す言葉です。荷役の正確性や効率は、物流全体の生産性や品質に大きく関わります。荷役の品質は、作業自体に下記のような問題が発生していないかチェックしていきます。

<チェックポイント>

  • 荷受け、ピッキング、検品、出荷、それぞれの作業に無駄やムラがないか
  • 作業スピードに問題はないか
  • ミスが多く発生している作業はないか

流通加工

流通加工の品質も、物流品質を構成する要素のひとつです。流通加工でも、下記のように作業自体の品質を確認していきます。倉庫や物流センターで流通加工を行っている場合、専用の機器を使う場合もあるため、機器の機能が品質に影響します。

<チェックポイント>

  • 機器のコストと作業が釣り合っているか
  • 作業は正確に行われているか
  • スピードは水準を満たしているか

梱包

梱包の品質も、物流品質向上のためには必ず確認しなければなりません。梱包では、下記のように梱包資材や緩衝材が商品に合っているか否かが品質のカギを握っています。

<チェックポイント>

  • 資材のサイズや種類は商品にマッチしているか
  • 強度や形状が最適か
  • 使われている資材に無駄がないか

輸送

輸送においては、商品が問題なく消費者に届くことが重要です。輸送の品質は、下記のように輸送中の商品の状態や、配達の期日などを見て確認します。

<チェックポイント>

  • 指定された日時に商品が届いているか
  • 商品に傷や破損がある割合はどの程度か

情報

物流機能における情報とは、在庫の期限や個数、配車の状況などの情報を指します。情報を適切に管理できると、作業の効率化や無駄・コストの削減につながり、物流の品質を向上させることが可能です。そのためには、情報に関する下記のような点の確認が必要です。

<チェックポイント>

  • 配送に使う車両の配車状況や運行状況等について、正しい情報が迅速に入手できているか
  • 倉庫内の商品の在庫数や賞味期限等について、正しい情報が迅速に入手できているか

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物流品質改善の具体策

物流品質の改善対策(イメージ)

物流品質を改善するためには、上記のような機能別チェックポイントで把握した課題をひとつずつ改善していかなければなりません。

課題は企業ごとに千差万別ですが、どのような企業でも物流品質の改善に有効な具体策としては、下記の5つの方法が挙げられます。

倉庫内の環境を整備する

倉庫内は、どのスタッフが見ても商品の所在がわかり、決められた場所で確実に作業ができる環境を保つことが必要です。そのためには、倉庫内を整理整頓し、作業に使う道具は置き場所を決めて、作業のための適切なスペースを確保します。

これにより、庫内の事故を抑止し、商品の落下や破損を予防することができます。商品・備品の仕分け方や作業の手順については、マニュアルを作って浸透させることも重要です。

システム化を検討する

物流機能の「情報」については、入荷数や在庫数をリアルタイムで把握して商品を適切に管理できる在庫管理システムや WMS(倉庫管理システム)、配車・運行状況や積載量などを管理して積載率などを向上させる TMS(輸配送管理システム)といったシステムの導入により、大幅な品質向上が見込めます。

すでに導入しているシステムがある場合は、そのシステムが自社の状況に最適かどうかを改めて確認しましょう。

バーコードやRFIDを使う

誤出荷は、顧客満足度や企業への信頼を著しく低下させるという意味で、物流品質に大きな影響を与えます。バーコードやRFIDによる商品管理を導入し、目視に頼った確認を極力減らし、検品やピッキングでの人的ミスを減らすことが重要です。

複数の作業に対応できる人員を育成し適切に配置する

物流品質の向上には、作業が滞らず、スピーディーに商品を届けられる体制を構築しなければなりません。業務の属人化を防ぎ、普段の担当者が対応できないときでも、他の人員で作業を進められるよう、複数の作業を担当できる人員を育成しましょう。

アウトソーシングする

物流機能全体の品質向上を目指す場合、専門業者に一括で代行してもらうのもひとつの方法です。手間をかけずにプロならではの品質を導入することができるため、自社での改善に限界を感じている場合や、物流品質を早急に大きく向上したい場合には、有効な手段となります。

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まとめ:システム化やアウトソーシングも視野に、物流品質の改善に取り組もう

ミスや事故を防ぎ、作業の精度を上げて物流品質を改善することは、顧客満足度や企業への信頼に直結する重要な課題です。システム化やアウトソーシングも視野に入れながら現在の業務を見直し、品質改善に取り組みましょう。

物流品質の改善のためにアウトソーシングする場合は、自社の課題に合ったサービスを選ぶことが重要です。当社では、EC通販事業者様ごとにカスタマイズしたone to oneのフルフィルメントサービスからパッケージサービスまで、さまざまな物流サービスを展開しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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