
ピッキングを見直し、効率化を図ることで
生産性の向上や、物流品質の改善にも繋がります。
ピッキングは主に、作業指示書(ピッキングリスト)をもとに保管されている場所・棚から商品を必要な個数を取り出し、集める作業を指します。
ただ「発送までに時間がかかっている」「誤出荷が多い」といった、購入者へ直接影響を与えてしまうトラブルが発生しやすく、企業の信頼問題にも繋がる大切なフェーズでもあります。
本記事では、
●ピッキング作業効率化のポイント
●自社に合ったピッキング方式の見つけ方
●最新マテハン「GAS」について
などについてご紹介します。
ピッキングを見直したい・効率化を図りたい・生産性を高めたい事業者様、必見の内容です。
目次
「物流についてまずは相談したい」
と考えている方へ
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1ピッキング効率化のポイント1:作業指示書
まずピッキングは、作業指示書(ピッキングリスト)をもとに行われます。

「最短ルートで商品を集める」
「商品の特定可能な情報を大きく記載する」など、作業指示書に様々な工夫を施すことでピッキングから梱包までの作業効率が格段に変わります。
内容によっては倉庫管理システム(WMS)側で事前コントロールをすることも。以下具体的事例になります。
オーダーに複数商品がある場合のピッキング
購入者から注文が入ると、受注システムから倉庫に出荷指示が来ますが、このときA・B・C・D・Eと5点の注文があった場合、当然ながら倉庫の棚には注文順に商品が並んでいるわけではありません。
そこで、あらかじめ倉庫管理システム(WMS)上で実際の棚番順に商品を並び替え、作業指示書を発行します。すると担当作業者は無駄のない動きで棚の間を進み、注文された商品を効率よく集めていくことができます。「歩かせない、動かさない、考えさせない」は物流設計の基本です。
アイテム数・オーダー数が多い場合のピッキング
アイテム数が多くなると、目視確認が現実的に不可能になるため、バーコードによる検品が最も正確になります。作業指示書にバーコードを付与し、ピッキング時に各商品のバーコードを読み込んで連動させることでシステム上、絶対に誤出荷をさせない仕組みが構築できます。
2ピッキング効率化のポイント2:5S+α
物流現場で重要な「5S」
物流現場は5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)が重要とされています。

これらは繁忙期やセール時など受注数の変動によって臨時スタッフが加わった際、いかにミスを少なく安定したピッキング作業ができるかに関わってきます。
商品が乱雑に置かれ、どこに何があるのかわかりにくかったり、備品があちこちに散らばっている現場は人的ミスが多く、ピッキング効率が悪くなってしまいます。そのためロケーションや保管棚にも工夫が必要です。
+αの効率化テクニック
保管棚の中に商品が、ただ綺麗に並んでいるだけでは単なる整理整頓となりますが「+α」でピッキング効率を上げる方法があります。
出庫頻度に合わせた保管:ピッキング時間を短縮
定番商品で日々必ず一定量出荷がある、キャンペーンやセールにより一時的に大量出荷が見込まれる商品はピッキングエリアの中でも梱包エリアに近い手前に保管しておくことで、ピッキングにかかる時間を短縮することができます。
季節変動で売れ筋商品が変わるような商材の場合は、効率的にピッキングを行えるよう保管場所をより近い場所に配置するなど工夫しましょう。
商品の置き方:ピッキング工程を削減
例えば商品の置き方。見映えなどの問題から、商品コードは商品の表面に印字されていることはありません。そのため表向きで商品を置くと、ピッキング時裏返して検品する作業が発生します。そこで、この商品を予め裏返しに置くと、作業を1工程減らすことが可能になります。
物流作業をこなしていくのは、最後は「人」です。作業スタッフ全員が整理・整頓できるようになるためには、普段から重要性を言い続けていかねばなりません。
人材教育は物流の現場でも非常に重要なテーマです。
3ピッキングの種類と特徴
ピッキング方法は大きく分けて2通り
ピッキングは各社によって様々な方法がありますが、大きく分けると以下の2つに分けられます。商材や商品の種類・在庫量・売り方によって異なるので、自社に合ったピッキング方式を採用しましょう。
シングルピッキング(オーダーピッキング)

購入者一人ひとりの注文別にピッキングするシンプルな方法です。
商品の取り間違いなどのミスが発生しにくく、倉庫管理システム(WMS)を活用することで、作業精度を高めることが可能です。
ただし、注文ごとに商品を各保管棚に取りに行く必要があるため、移動距離や時間がかかるデメリットがあります。
トータルピッキング(バッチピッキング・種まきピッキング)

購入者何人分かの注文をまとめてピッキングしてくる方法です。
例えば、アイテム数が多い場合、棚の数も多くなり、ピッキングのために移動しなければならない距離も伸びます。
1つの注文ごとに棚の端から端まで歩くことは効率が悪いため、複数の注文をまとめてピッキングし、その後もう1度ひとつひとつの注文に分けて梱包するといった、2段階に分けることで作業効率を高めていきます。
どちらの方法にするかは物流の後工程で選択
複数の注文を個々にピッキングするか、一度にまとめてピッキングするかは、商材、購入点数(シングルオーダーが多いか)等で決めることが一般的です。また単品注文と複数注文が混在している場合や大型商品・小型商品、主力商品・それ以外の商品、ギフト等の加工のあり・なし、など後工程を考慮し、もっとも効率的な仕分け方を検証した上で決めていきます。
ピッキング方式の組み立て方は、
- アイテム数
- 1オーダーあたりの注文点数
- 1日の平均出荷件数
- リピート系かロングテール系か
- 商品サイズ
といった要素を詳細に検討したうえで最適な方式を決めましょう。
見学した倉庫や他社の真似をするのではなく、自社にとって効率的な方式を厳選することが重要です。
4新しいピッキング「ゲートアソートシステム(GAS)」
近年「ゲートアソートシステム(以下GAS)」を導入した物流倉庫も増えています。
GASとは仕分けを補助するマテハン機器です。

ひとつのGASに対して複数のゲートを設置することができ、商品のバーコードをスキャンすると、システム制御によってその商品に対応した間口のゲートが自動的に開いて、そこにデジタル表示された個数の商品を入れる仕組みです。
商品を入れ、足元のスイッチでゲートを閉じるまでは次の商品をスキャンできないので、ミスを防ぎながら仕分けることが可能となります。
物流現場におけるGASのメリット
- 1投入につき1箇所のゲートしか開かないので、検品を兼ねた正確な仕分けができます。
ピッキング後の仕分け作業の正確性や作業スピードを上げて、少ない人数で高いパフォーマンスを発揮できます。 - 物量に合わせてボックスの移設や増設も簡単にでき、工事が不要です。
- 商品の投入が完了すると合図が鳴る機種もあり、聴覚的にミスを防げるうえに、ゲーム感覚で作業できるためスタッフのモチベーションUPへ繋がります。
物流現場におけるGASのデメリット
- 投入が1コンテナごとになるため大規模なピッキングには適しません。
- 設置に場所をとるため、作業の通路を広く取る必要があります。
【スクロール360成功事例】
~導入前比160%の効率化!
トータルピッキングで32人分のピッキングをまとめて行い、その後GASを使用して仕分けることで作業効率がアップ。導入初日にして導入前比160%の効率化に成功しました。
自社物流ではなかなか投資できない最新のマテハン機器も、EC通販専用の物流倉庫であればいろいろなショップと共有できるため、少額での利用が可能です。
5まとめ:ピッキングの効率化により物流現場の品質強化を

いかがでしたか。
ピッキングなどの出荷関連業務は商品を購入者に届ける直前の仕上げともいえるので、ここが疎かになると、誤出荷や遅延の原因となります。
限られた時間を、限られたリソースで最大限に効率化して組み立てるのが物流のプロの仕事です。当社では、基本的な手法を長年培ったノウハウで分解したり組み合わせたりしながら、現場それぞれの特性にあったピッキング手順を作り上げています。
バックヤード業務をとにかく効率化したい、ピッキング作業の手間やミスを減らしたいと感じている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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