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トータルピッキングとは?シングルピッキングとの違いやメリットを解説

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トータルピッキングとは?シングルピッキングとの違い

トータルピッキングとは、複数の注文に対して、商品の種類ごとにまとめてピッキングする方式であり、出荷件数が多くSKUが少ない場合に向いている点が特徴です。

本記事ではトータルピッキングについて解説した上で、シングルピッキングとの違いやメリット・デメリットについて解説します。ピッキング・仕分けに関する作業を担当している方は、ぜひご参考ください。

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トータルピッキングとは

トータルピッキングとは、複数の注文をすべてまとめて商品の種類ごとにピッキングする方式であり、種まき方式やバッチピッキング、総量ピッキングとも言います。
たとえば、3名の消費者から以下の注文があり、シャンプー・化粧水・ハンドクリームごとに商品をピッキングすると仮定します。

商品 Aさん Bさん Cさん 合計
シャンプー 7点 1点 4点 12点
化粧水 10点 7点 3点 20点
ハンドクリーム 4点 8点 3点 15点

上記の注文に対してトータルピッキングを行う場合、注文のあった種類ごとに商品を集めるため「シャンプー12点・化粧水20点・ハンドクリーム15点」をピッキングして、仕分け場で注文ごとに仕分けした後、商品を梱包して消費者へ出荷します。

トータルピッキングは、保管庫から仕分け場までの移動が一度で済むため、出荷件数が多くSKU数が少ない場合に向いている点が特徴です。

シングルピッキングとの違い

シングルピッキングとは、注文単位に商品をピッキングする方式であり、摘み取り方式やオーダーピッキングとも言います。シングルピッキングとトータルピッキングの違いは、以下のとおりです。

ピッキング方式 方法
シングルピッキング 注文ごとに商品をピッキングする
トータルピッキング 複数の注文に対して、
注文をすべてまとめて商品の種類ごとにピッキングする

シングルピッキングでは、商品を集める作業と仕分けの作業が同時に完了しているため、トータルピッキングよりも梱包・出荷の作業に早めにとりかかれます。注文の数だけ保管庫と仕分け場を移動する必要があるため、出荷件数が少なくSKU数が多い場合に向いています。

トータルピッキングのメリット

トータルピッキングには、以下の3つのメリットがあります。

トータルピッキングメリット(イメージ)
  • 作業スタッフの移動時間の短縮
  • 数量検品の簡易化
  • 出荷精度の向上

作業スタッフの移動時間の短縮

トータルピッキングでは、注文があった商品をまとめてピッキングするため、保管庫から仕分けスペースまでの移動回数が少なくなるため、移動時間を短縮できます。さらに、倉庫内の通路に滞在するスタッフを削減できるため、スムーズな移動ができるようになります。

数量検品の簡易化

トータルピッキングでは、最初にオーダーの総量をピッキングした後でそれぞれの仕分けを行うため、仕分け完了時に商品の過不足がなければ、適切な数量でピッキングできたことが分かります。数量検品を同時に済ませることができるため、検品にかかる時間を短縮することが可能です。

ただし、仕分け単位のお届け先の正確性は担保されていないため、最終的にはオーダー別の検品が必要になります。

出荷精度の向上

トータルピッキングでは、保管庫からのピッキングの後、出荷先への仕分けの後に検品工程が発生するため、出荷精度の向上につながります。ピッキングから梱包までのトータルピッキングとシングルピッキングの工程の違いは、以下のとおりです。

ピッキング方式 工程
トータルピッキング 保管庫からのピッキング→ 検品→ 仕分け→ 検品→ 梱包
シングルピッキング 保管庫からのピッキング→ 検品→ 梱包

上記のように、トータルピッキングはシングルピッキングよりも検品回数が多いため、商品の入れ違いや、商品の数量違いなどを防ぐことが可能です。一方で、作業工程が増えるため状況に合わせて検品作業を導入するか、検討することも必要です。

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トータルピッキングのデメリット

トータルピッキングには、以下の3つのデメリットがあります。

トータルピッキングデメリット(イメージ)
  • 作業工程の増加
  • 時間的制約の発生
  • 作業スペースが必要になる

作業工程の増加

トータルピッキングでは、下記のようにシングルピッキングよりも作業工程が多くなります。

ピッキング方式 工程
トータルピッキング 1.保管庫からのピッキング→ 2.検品→ 3.仕分け→ 4.検品→ 5.梱包
シングルピッキング 1.保管庫からのピッキング→ 2.検品→ 3.梱包

時間的制約の発生

トータルピッキングでは、ある程度の注文が溜まってからピッキングを開始する必要があるため、注文が少ない場合はピッキング作業の時間的制約が発生します。作業スタッフが稼働できず、待機時間が長くならないように、代わりの業務も準備しておくことがポイントです。

作業スペースが必要になる

トータルピッキングでは、商品をまとめてピッキングした後、大量の商品を仕分ける必要があるため、余裕をもった作業スペースが必要になります。

仕分けスペースが狭いと、仕分けミスや誤出荷につながる恐れがあります。適切なトータルピッキングができる作業スペースを確保できない場合は、倉庫内のレイアウトを見直すなど、大量の商品を余裕をもって置けるスペースを確保できるようにしましょう。

トータルピッキングを効率的に行う方法

トータルピッキングを効率的に行う方法は以下の4つです。

トータルピッキングの倉庫(イメージ)
  • 業務マニュアルを見直す
  • 倉庫内の動線を見直す
  • ゲートアソートシステム(GAS)を導入する
  • 倉庫管理システムを導入する

業務マニュアルを見直す

ピッキングや検品、仕分け作業などに関する業務マニュアルを見直すことによって、トータルピッキングを効率的に行うことができます。具体的には、作業手順に関するルールを整備することによって、スタッフごとの作業の質のばらつきを減らすことが可能です。

ピッキングをするときはピッキングリストを見ながら作業を行うため、ピッキングリストに関するマニュアルを見直すことも大切です。余計な情報を載せず、一目で記載内容を理解できるピッキングリストにできると、ピッキングミスの防止につながります。

倉庫内の動線を見直す

倉庫内の動線を見直すことによって、スタッフの移動時間を短縮することができるため、トータルピッキングの効率化につながります。具体的には、以下のポイントごとに動線を見直すことをおすすめします。

  • 商品の保管場所が一目で分かるようにする(商品名や商品番号を棚に記載する)
  • 商品以外の備品を保管場所に置かない
  • 出荷頻度が多い商品を仕分けスペースの近くに配置する
  • 類似商品を近くに配置しない

上記のポイントに沿って倉庫の動線を見直すことによって、倉庫内の動線が短くなるだけでなく、作業ミスを減らすことが可能です。

ゲートアソートシステム(GAS)を導入する

仕分け作業を補助するマテハン機器である、ゲートアソートシステム(GAS)を導入することによって、トータルピッキングを効率的に行うことができます。ゲートアソートシステムとは、ピッキングした商品のバーコードをスキャンすることによって、商品に対応したゲートが開き、デジタル表示器に投入するべき商品の数量が表示されるマテハン機器です。

担当スタッフはバーコードの読み取りと、デジタル表示器によって指定された商品の数量を投入する作業を行うだけで、効率的かつ簡単に作業ができます。また商品を投入した後に、ゲートアソートシステムの足元にあるスイッチでゲートを閉じなければ、次の商品をスキャンできないため、仕分けミスを防ぐことが可能です。

倉庫管理システムを導入する

倉庫内にある在庫を一元管理できる倉庫管理システム(WMS)を導入することによって、在庫切れの把握やピッキングリストの出力をスムーズに行うことができるため、トータルピッキングを効率的に行うことができます。

倉庫管理システムに搭載されている基本的な機能は、以下のとおりです。

  • 入出荷管理
  • 在庫管理
  • 棚卸管理
  • ロケーション管理
  • 請求管理
  • 帳票・ラベル発行

倉庫管理システムの機能はさまざまですが、トータルピッキング専用の帳票を発行できるシステムもあります。その場合はピッキングする商品の数量・ロケーションを、作業スタッフが考えることなくピッキングすることができます。ピッキングリストやロケーションを紙媒体やエクセルなどで管理している場合は、倉庫管理システム導入の検討もおすすめします。

まとめ:トータルピッキングを導入して効率的に出荷しよう

トータルピッキングとは、複数の注文に対して、商品をまとめてピッキングする方式であり、出荷件数が多くSKUが少ない場合に向いていることが分かりました。トータルピッキングを導入することで、効率的な出荷作業の実現も可能になります。

当社では、長年の実績から培ったノウハウで業界トップクラスの物流サービスを提供しています。自社での物流・倉庫業務に課題を抱えていましたら、お気軽にお問い合わせください。

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