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物流戦略とは?重要性や戦略策定の方法、実践している事例を解説

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物流戦略とは?重要性や戦略策定の方法、実践している事例

物流戦略とは、経営戦略の一部に物流を組み込み、物流コストの削減や配送の効率化を目指す戦略です。これにより、物流を取り巻くさまざまな課題を解決することができます。

本記事では物流戦略を立案・実施するための4つのフェーズや具体的な方法、成功事例を解説します。

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物流戦略とは

物流戦略(イメージ)

物流戦略とは、物流に関する効率化やコストの分配などの方針・計画のことで、経営戦略の一部として物流を戦略的に運用するために用いられます。

生産した商品を店舗や顧客に届けるために不可欠な物流ですが、これまで「物流=コスト」と考える企業がほとんどでした。

対して物流戦略では「物流=産業における重要な役割」と捉え、経営資源としてコストをかけて利益を生み出す部門に変化させることを目指します。 最新技術を活用しスピード配送を実現したAmazonを皮切りに、国内でも物流を重視する企業が増え、物流戦略の注目度が高まっているのが現状です。

物流戦略の重要性

物流業界では、ドライバー不足や燃料コストの上昇などさまざまな課題が顕在化していると共に、働き方改革関連法施行による「物流の2024年問題」も間近に控えています。

近年トラックドライバーが不足していると感じている企業は増加傾向にあります(※)。
さらに、全産業平均よりも年齢層が高い点も課題となっています。
(※参考:我が国の物流を取り巻く現状と取組状況

従来のように物流をコストと捉えコスト削減に注力していると、さまざまな課題によって配送効率や売上の減少などの影響を受ける可能性も高まります。このように課題への対策を講じながら利益を最大化するために、物流戦略の重要性が高まっています。

コロナ禍における小口配送増加による負担増、燃料コスト上昇といった昨今の情勢は、多くの企業に物流の重要性を気づかせるきっかけになりました。
さらにAIやIoTなど最新技術を用いた物流センターや配送サービスが続々と登場し、物流戦略の前例からも重要度が広がっています。

物流戦略策定のフロー

物流戦略の策定は以下の4ステップで進めます。

物流戦略策定のフロー(イメージ)
  1. 現状の分析・把握
  2. 課題の洗い出し
  3. 戦略・体制の策定
  4. 実践プランの作成

1. 現状の分析・把握

メーカーから消費者までの物流を図式化し、フローやステップごとの業務などを細かく確認することで、物流の現状が見えてきます。

現状を把握するだけではなく、課題を洗い出すために仮説を立てて分析することも大切です。例えば、配送効率に課題があると仮定するなら、 倉庫業務や配送業務の効率などにも着目する必要があります。

2. 課題の洗い出し

課題を抽出する際は、以下のように物流の機能別に分析することがポイントです。

物流機能 主な課題
配送・輸送 ・ドライバーの人手不足
・配送コストの増加
保管 ・ロケーションや品質の管理が煩雑
・ヒューマンエラーによる誤出荷
梱包・包装 ・作業効率の低下
・ミスが多い工程の発生
情報 ・在庫や品質の管理不足
・運航状況の把握が困難
流通加工 ・担当スタッフの人手不足
・設備を設置するスペースの不足
荷役 ・誤出荷の多発
・荷役業務の効率低下

3. 戦略・体制の策定

物流の課題が明らかになったら、解決するための戦略を策定します。 例えば、配送スタッフ不足によって配送効率に課題があるなら、配送管理システムの導入や配送業務のアウトソーシングなどが戦略の柱になるでしょう。

戦略立案と合わせて、運用するための体制を決めることも大切です。チームや担当者を決め、戦略を円滑に実行できるように体制を整えましょう。

4. 実践プランの作成

業務の見直しやシステムの導入などを行うための具体的な計画やフローを定め、物流戦略をスタートさせましょう。 また、アクションプランの作成と合わせて、必ずKPIを設定しましょう。KPIを設定することで、アクションプランの進捗や達成度を把握でき、実行途中の改善も行いやすくなるためです。

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物流戦略における機能

物流戦略における物流機能は以下6つに分けられるため、戦略を立案するために1つ1つ理解しましょう。

物流戦略における機能(イメージ)
  • 配送・輸送
  • 保管
  • 梱包・包装
  • 情報
  • 流通加工
  • 荷役

配送・輸送

配送・輸送とは、商品を消費者に届ける機能です。生産者と消費者の空間的なギャップを埋めるために、トラックや船、鉄道などを用いて、商品を移動させます。
輸送方法や移動する距離によって、以下のように細分化される点を理解しておきましょう。

  • 配送:トラックによる近距離の移動
  • 輸送:船や鉄道による長距離の移動
  • 運搬:倉庫内の商品移動

保管

保管とは、生産した商品を配送・輸送まで倉庫や物流センターなどで管理する機能です。
適切な管理で品質を維持し、注文に応じてスムーズに発送することが求められます。

梱包・包装

商品を安全に届けるためには、最適な資材を選び、丁寧に梱包することによって、商品を衝撃や振動から守ることが可能です。 また、荷姿や形態を規格化する役割もあります。
配送・輸送時の取り扱いを統一でき、ミスの防止や利便性の向上を期待できるでしょう。

情報

在庫状況や配送状況など、物流に関わる情報をシステムで正確に管理することで、物流の効率化を図ることができます。管理に活用される主なシステムは、以下が挙げられます。

種類 概要
配送管理システム 配車管理や配送指示などを担う
運航管理システム 配送車の運航状況を管理する
在庫管理システム 在庫や品質を管理する

流通加工

流通加工とは、流通過程で商品の組み立てやギフトラッピングなどで付加価値をつける機能です。 商品に手を加える作業を生産加工と言い、組み立てやカットなどによって利便性を高めることができます。

ラッピングやラベリングなどは販促加工と呼ばれ、売れる商品をつくるための加工です。
包装で見た目を良くしたり、ラベルで商品内容を記載することで、購入を促進します。

荷役

荷役とは、トラックや船などへの積み込みや積み下ろしなどの作業です。商品を正確に積み、効率よく出庫することが求められます。荷役は8つの作業に分けられ、それぞれ以下の役割があります。

役割 概要
積卸し トラックや船などに商品を積む
運搬 倉庫から商品を移動する
積付け パレットなどで商品を積み上げる
入庫 倉庫や物流センターに商品を格納する
ピッキング 保管された商品を取り出す
仕分け 商品を配送先別に分ける
荷揃え 車両や配送方面などに合わせて商品をまとめる
出庫 倉庫や物流センターから商品を出す

物流戦略の具体的な方法

物流戦略の具体的な方法として、以下の3つが挙げられます。

物流戦略の具体的な方法(イメージ)
  • MH(Man Hour)ベースで出荷作業を行う
  • すべての業務の水準を統一する
  • 適切なタイミングでシステム化・アウトソーシングする

MH(Man Hour)ベースで出荷作業を行う

MH(Man Hour)とは、ある業務を1人で実施したと仮定した1時間あたりの作業時間で、MHをベースにした出荷作業の構築がポイントです。

例えば、1時間に10件の出荷を完了できるなら、100件の出荷には10MHで対応できます。MHを基準にすることで、無駄なく人員を配置でき、出荷作業の効率化が可能です。

このようなMHをベースにした運用体制は、時期や施策などによる波である物流波動にも柔軟に対応できます。波動の変動予測に対して適切にMHを配分すれば、生産性や顧客満足度の向上が期待できるでしょう。

すべての業務の水準を統一する

物流戦略を立案する際は、物流はもちろん、その他の業務にも目を向けましょう。
受発注や仕入れ、プロモーションなどすべての業務を平準化することで、物流体制が確立されていれば、セールやキャンペーンを積極的に実施しても物流波動に柔軟に対応できるため、売上アップの実現が可能です。

適切なタイミングでシステム化・アウトソーシングする

事業規模やリソースによっては自社で物流を管理しきれない場合があるため、適切なタイミングでシステムの導入やアウトソーシングを検討しましょう。

配送管理システムや在庫管理システムなどを導入することで、データ管理や分析が正確になり、物流業務を効率化できます。アウトソーシングできると、自社のノウハウやリソースが不足していても、専門業者による高品質な物流を活用できることがメリットです。

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物流戦略を実践している企業事例

物流戦略を実践している企業事例として、以下の3社をご紹介します。

物流戦略を実践している企業事例(イメージ)
  • Amazon
  • ヨドバシカメラ
  • MonotaRO(モノタロウ)

Amazon|倉庫内配送ロボットを導入

同社は、いち早く物流戦略を取り入れスピード配送を可能にしました。短時間の配送を可能にしているのは日本全国33箇所にある物流センターで、膨大な商品を管理しています。

物流センターにはロボットやAI技術を導入し、ロボットが倉庫内を移動してスタッフの元へ商品棚を搬送しています。スタッフが倉庫内を移動する必要がないため、効率的なピッキングでスピーディーな物流を実現しています。

ヨドバシカメラ|スピーディーな配達を実現

同社は、800万点以上の商品を取り扱う公式ECサイト「ヨドバシ・ドット・コム」で、配送サービス「ヨドバシエクストリーム」を提供しており、東京23区をはじめ神奈川県や新潟県などへ、注文から最短即日に送料無料で配送しています。

物流スピードがはやくなるほど保管費・人件費・燃料費などのコストが下げられる点に着目し、配送効率アップを徹底するほか、自社社員が直接配送することで、顧客へ安心感を与えていることも特長です。

MonotaRO(モノタロウ)|各地に物流センターを新設

同社は、ニーズに合わせて取り扱う商品の幅を広げるとともに、数年単位で各地に物流センターを新設し、既存の物流センターの移転拡大や外部倉庫の集約なども実施しています。
出荷能力を高めながら商品管理のキャパシティを数年先まで確保して、事業成長を止めない戦略をしている点が特長です。

まとめ:物流戦略を自社に取り入れよう

物流戦略を自社に取り入れよう(イメージ)

物流業界は人手不足やコスト上昇といった課題に直面し、従来の物流から変化するための戦略が求められています。最新技術の活用や物流業務の効率化などの実践で「物流=利益につながる部門」として機能させることが可能です。

物流戦略を立案する際は、現状分析から実践プランの作成まで順序良く進めましょう。具体的な方法としては、業務の平準化やアウトソーシングの活用などが効果的です。

当社では、長年の実績から培った知見とノウハウを活かし、事業者さまのご希望や状況に合わせて物流戦略をサポートします。アウトソーシング活用をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

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