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物流業界のIoTとは?課題解決につながる導入メリットや活用事例、注意点を解説

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物流業界のIoTとは?課題解決につながる導入メリットや活用事例、注意点を解説

IoT(Internet of Things)とは、センサーと通信によってモノをインターネットに接続する技術です。物流現場ではIoTを活用することで在庫管理の自動化、検品作業の効率化などが図られており、さまざまな課題を解決する技術として注目されています。

本記事では、物流業界の課題を解決するためのIoT活用事例やメリット、導入時の注意点について解説します。ぜひ自社の物流を効率化する方法としてご覧ください。

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IoTとは

IoT(Internet of Things)とは、今までインターネットにつながっていなかったモノを、センサーと通信機能によってインターネットに接続することです。

Iot(イメージ)

IoTによって「モノのインターネット化」が実現すると、リアルタイムで商品の状態をデータベース上で確認するだけでなく、蓄積したデータを分析して商品の品質向上に役立てることもできます。

物流においては、在庫数の正確な把握や、在庫管理の自動化などができるメリットがあり、業務効率化の手法として注目されています。

物流業界の課題

物流業界における大きな課題は下記の2点です。

Iot(イメージ)
  • 労働力の不足
  • 配送業務のコスト増加

労働力の不足

物流現場では作業スタッフやトラックドライバーの高齢化が進む一方で、新たに若い人材を確保するのも難しい現状があり、労働力不足が深刻化しています。物流業界は他の業界と比べて労働集約的な働き方であるため、長時間労働となりやすい傾向にあります。

さらに長時間労働の実態を受け、2024年からトラックドライバーの時間外労働の管理が厳しくなり、働き方改革が進みます。しかしながら少子高齢化が進んでいる日本社会で、十分な労働力を確保するのは依然として難しいという課題があります。

配送業務のコスト増加

近年では消費者のニーズが多様化し、幅広い品揃えを求められるようになっています。
その結果、ひとつの納品先に対して少量の貨物を輸送する「小口配送」が増え、配送業務のコスト増加が課題となっています。

荷物の受け取り方法も下記の通り多様化しており、配達時の仕分け作業が複雑になります。

  • 対面受け取り
  • 置き配(玄関前、宅配ボックスなど)
  • ポスト投函(ネコポス、ゆうパケットなど)
  • オープン型宅配ロッカー
  • コンビニ受け取り

このように、小口配送の増加・受け取り方法の多様化によって、配送業務のコストが高くなりやすい課題があります。

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物流現場でIoTを導入するメリット

物流現場にIoTを導入し、商品をインターネット経由で管理できるようになると、下記のようなメリットがあります。

物流とIot(イメージ)
  • 仕分け・配送業務の効率化
  • データ蓄積による業務改善
  • トラッキングによるトラブル防止

仕分け・配送業務の効率化

IoTの活用で商品に識別タグを取り付けることで、配送先・配送方法などの個別データをシステム上で一元管理することが可能になります。システムが自動的に仕分けを行うプログラムを組むため、スタッフはシステムの仕分け指示にもとづいて作業をすることが可能になり、仕分け・配送業務の効率化が実現します。

データ蓄積による業務改善

IoT技術によって商品情報をシステム上で一元管理できる環境が整うと、膨大なデータが蓄積されます。このデータを分析することで、オペレーションの課題が見つかり、業務改善につながります。

たとえば、IoT技術によって商品をトラッキングし「いつ製造され、いつ倉庫に運ばれ、いつ売れたか」という情報を蓄積しておくと、販売までの平均的な滞留期間がわかり在庫補充の適切なタイミングを把握できます。

トラッキングによるトラブル防止

これまで物流現場で使用される機械・設備は、トラブルが発生してから修理を行う事後対応が一般的でした。しかし現在は、設備にセンサーを取り付けてデータを監視するIoT技術により、設備の異常をリアルタイムで検知できるため、迅速かつ効率的に修理ができるようになりました。

また、トラッキングデータの分析により故障が起こる頻度や条件を把握できるため、異常が発生する前に予測を立て、事前にトラブルを防止します。

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物流業界におけるIoT活用事例

実際に物流業界でIoTが活用されている事例を紹介します。

物流とIot(イメージ)
  • RFID(商品データの読み取り技術)
  • WMS(倉庫管理システム)
  • TMS(輸配送管理システム)

RFID(商品データの読み取り技術)

RFID(Radio Frequency Identification)とは、商品に取り付けられたタグから非接触でデータを読み取る技術です。

同じく商品データを読み取るバーコードの場合は、商品に近づいて1つひとつ対応する必要があるのに対し、RFIDは離れた場所からでも電波通信を用いて、データの一括読み取りが可能です。そのため、RFIDは物流現場の検品・仕分け・棚卸の効率化にも効果を発揮します。

WMS(倉庫管理システム)

WMS(Warehouse Management System)とは、倉庫への商品入荷から出荷までを管理できるシステムで、バーコードリーダーや携帯端末を利用した在庫管理やロケーション管理、ラベルおよび帳票の発行などの機能により、倉庫内業務の効率化に役立ちます。

バーコードリーダーや携帯端末で取り込んだデータがWMSに自動で反映されるため、在庫管理の自動化が実現します。これまでスタッフが担っていた検品・仕分け管理もWMSで自動化できるため、業務効率化やヒューマンエラーの防止につながります。

TMS(輸配送管理システム)

TMS(Transport Management System)とは、商品配送時の配車計画や、配送の進捗管理を行うことができるシステムです。WMS(倉庫管理システム)と密接に連携し、在庫管理の先にある輸配送をトータルで管理します。

TMSでは、輸送先・輸送する貨物・納期などのデータをもとに、最も効率的な配車数と配送経路を算出することができるため、物流現場の省人化につながります。

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IoTを導入する際の注意点

IoTは物流の業務効率化を促進するメリットがある一方で、導入時には下記の点に注意が必要です。

Iot(イメージ)
  • 業務フローの変更が必要
  • システムの導入コストがかかる

業務フローの変更が必要

IoT技術を使ったWMS(倉庫管理システム)やTMS(輸配送管理システム)を初めて物流現場に導入する際は、業務フローの変更が必要です。これまでスタッフが手動で行っていた作業がIoTの導入によって一部が自動化されるため、まずは導入システムの操作に慣れなくてはいけません。

ITやパソコンに不慣れなスタッフが多い場合は、現場で混乱を招く可能性もあります。
IoTを活用したシステムをスムーズに導入できるように、わかりやすい業務フローを作成し、丁寧に研修を行うといったフォローが必要です。

システムの導入コストがかかる

最新IoT技術を活用したシステムは、当然ながら導入コストがかかります。

業務フローの変更をはじめ、現場にシステムを導入するために時間とコストを割いた結果、
費用対効果が見込めるかどうかを基準に判断しましょう。IoTシステムを検討する際には、目的を明確にして導入コストの回収シナリオを算出しておくことが大切です。

まとめ:物流業界の課題解決にIoTを活用しよう

物流業界では、労働力の不足・配送業務のコスト増加が大きな課題となっています。
このような物流課題を解決する方法として注目されているのが、IoTの活用です。

商品データを一括読み取りできるRFIDや、倉庫業務・配送業務を効率化できるWMS・TMSなどをはじめとするIoTシステムの活用によって、一歩ずつ物流業界の課題解決につなげていきましょう。

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