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物流現場で使われるGPSトラッカーとは?メリットや注意点、導入方法を解説

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物流現場で使われるGPSトラッカーとは?メリットや注意点、導入方法を解説

GPSトラッカーとは、衛星測位機能で位置情報を取得し送信する端末のことです。
このGPSトラッカーをパレットやコンテナに搭載すると、物流資材の紛失を防止できたり、配送中の商品の位置情報や運行状況がリアルタイムに把握できるなど、物流においても重要な役割を果たします。

本記事では、GPSトラッカーのメリットや注意点、導入方法を紹介します。配送管理の担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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物流現場で使われるGPSトラッカーとは

GPSトラッカーとは、衛星測位機能で位置情報を取得し、携帯電話回線やIoTネットワークで送信する端末のことです。

物流現場のGPSトラッカー(イメージ)

GPSトラッカーを使うと、離れた場所からでも物流資材やドライバーの位置情報を正確にリアルタイムで把握することができます。

GPSトラッカーは、単体でも販売されていますが、勤怠管理システムや車両管理システムの機能としても利用することが可能です。

GPSトラッカーが搭載された物流資材

GPSトラッカーが組み込まれていると、パレットやコンテナ、かご台車がどこにあるのか、すぐに把握できるため、倉庫保管時はもちろん、配送時の紛失を防ぐことができます。

また、GPSで位置情報を取得するだけでなく、パレット周囲の温度や受けた衝撃などを計測・記録できる製品もあります。

物流でGPSトラッカーを利用するメリット

物流現場でGPSトラッカーを利用するメリットには、以下の5つがあります。

物流現場のGPSトラッカー(イメージ)
  • 商品の場所を把握できる
  • 移動状況が把握できる
  • 人件費を削減できる
  • 正しい勤怠管理ができる

商品の場所を把握できる

パレットやコンテナにGPSトラッカーが搭載されていると、倉庫内や配送中の商品の位置情報をいつでもリアルタイムで把握することができるため、ロケーション管理も容易になります。

例えば、在庫管理システムでは、庫内の情報は把握できても位置情報までは把握できません。そこで、GPSトラッカーを併用することで商品位置を瞬時に把握できるため、ピッキングや仕分け作業の効率化ができます。

温度や衝撃なども取得できるGPSトラッカーの場合は、「商品が適切に保管されているのか」「丁寧に扱われているのか」なども把握できます。

移動状況が把握できる

トラックにGPSトラッカーが搭載されていると、急な商品受け取りが発生した場合に、どのトラックに荷受け作業を依頼するのが効率的なのか、迅速に判断ができます。また、悪天候や交通事故などにより迂回が必要なルートを走行しているトラックに対し、的確な変更指示を出すことも可能です。

これまではドライバーと逐一連絡を取らなければ把握できなかった情報が、GPSトラッカーによって正確に得られるため、配車担当者の業務効率化も期待できます。

人件費を削減できる

ドライバー1人で対応できる配送件数には限界があるため、遠回りをしたりなど無駄なルートで配送時間がかからないように工夫する必要があります。GPSトラッカーによって配送ルートや所要時間を把握し、適切な運行管理をすることで、ドライバー1人あたりの配送件数を増やせる可能性もあります。

配送ルートの把握は、ドライバーだけでなく配車管理業務においても効率化が期待できるため、残業代や新たなドライバー採用費などの人件費削減が可能です。

正しい勤怠管理ができる

物流業界では2024年問題により、今まで許容されていた長時間労働をはじめ、労働状況を細かく管理しなければならなくなりました。しかし、ドライバーの行動把握は難しく、勤務時間の把握や残業時間の削減が難しくなっている現実があります。

そこで、GPSトラッカーを導入することで、配送中の動きが確認できるため、労働時間の把握が容易になりました。また、勤怠管理システムでGPSトラッカーを導入できると、スマホを用いた出退勤管理や打刻場所の把握が可能になるため、勤務時間の不正申請も防ぐことができるようになります。

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物流でGPSトラッカーを利用する際の注意点

物流現場のGPSトラッカー(イメージ)

物流業界でGPSトラッカーを利用する際には、以下の2点に注意が必要です。

  • 利用目的の説明は丁寧に
  • 悪天候時は精度が落ちることも

利用目的の説明は丁寧に

GPSトラッカーの導入はドライバーの勤務状態を把握することになるため、ドライバーによっては嫌悪感を示し、モチベーションが低下してしまう可能性があります。ドライバーを監視するものではなく「安全性を高めながら効率よく働ける環境をつくること」が導入目的であることを、丁寧に説明しましょう。

具体的には、以下のような説明が必要です。

  • 休憩などの行動履歴は評価には関係がないこと
  • 評価基準はGPSトラッカー導入前と変わらないこと
  • 今まで通りの働き方で問題ないこと

不安や嫌悪感を払拭したうえで「事故防止や渋滞回避など、配送を効率化できる」のような、ドライバーにとってメリットになることを伝えると、納得されやすくなります。丁寧な説明をせずに導入してしまうと離職などの恐れもあるため、丁寧に目的を伝えることが重要です。

悪天候時は精度が落ちることも

曇りや雨など悪天候の場合はGPSトラッカーの精度が低下し、正確な情報を得られない可能性があります。GPSトラッカーは、衛星測位機能より位置情報を取得しているため、電波が遮断されてしまう環境に弱い傾向にあります。

悪天候でなくても屋内や高層ビル、トンネルなどの場所では精度が落ちやすいため、配送ルートによっては位置の把握が難しくなる場合もあります。

GPSトラッカーの導入方法

物流現場のGPSトラッカー(イメージ)

GPSトラッカーを導入する方法には、以下の3つがあります。

  • 勤怠管理システムの機能追加
  • ドラレコやデジタコの機能追加
  • スマホやタブレットのアプリ

勤怠管理システムの機能追加

トラックに勤怠管理システム用の専用車載器を装備して、GPSトラッカーを導入する方法があります。専用車載器には、以下のような機能があります。

  • GPS機能
  • 携帯電話のデータ通信機能
  • データ保存機能

ドライバーは搭載された専用車載器を操作する必要がなく、通常通りの業務を行うだけで位置情報の把握が可能です。

配車管理の担当者は、勤怠管理システムがインストールされたパソコンさえあれば、誰でも簡単に確認可能です。また、導入時にはパッケージではなく、利用しやすいようにカスタマイズすることもできるため、必要な機能を精査しておくことをおすすめします。

ドラレコやデジタコの機能追加

GPSトラッカーを搭載したデジタルタコグラフやドライブレコーダー端末に、勤怠管理システムを追加する方法もあり、そのなかには、Googleマップと連携し、トラックの位置情報を把握できる使いやすいものも販売されています。

これにより位置情報と共に渋滞情報も取得できるため、配車管理担当者の業務負担を軽減することも可能です。ドラレコやデジタコを利用する場合は、月額料金やインターネット回線の契約が必要なのかを事前に確認しておきましょう。

スマホやタブレットのアプリ

スマホやタブレットに専用のアプリをインストールすることで、GPSトラッカーを導入することができます。GPSトラッカーを利用できるアプリには、以下のようなものがあります。

アプリ名 1名あたりの月額料金(税込) 主な機能例(GPS以外)
ジョブカン勤怠管理 200~500円 ●出勤管理
●シフト管理
●工数管理
●休暇申請
KING OF TIME 300円 ●残業基準の設定
●スケジュール管理
●シフト管理
●休暇管理
AKASHI 200~400円 ●テレワーク機能
●36協定設定によるアラート通知
●年休管理
●労働時間の適正把握

このように、GPSトラッカー以外にもさまざまな業務を効率化できる機能がついているアプリがリリースされています。1人あたり数百円と安価であり、アプリをインストールするだけで導入できるため、工数を抑えて利用できる方法です。

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まとめ:GPSを駆使して物流の業務効率を改善しよう

GPSトラッカーとは、衛星測位機能で位置情報を取得して携帯電話回線やIoTネットワークで送信する端末です。勤怠管理システムやアプリを使って導入することができ、主にトラックに搭載されますが、パレットやコンテナなどの物流資材に搭載されたものもあります。

GPSトラッカーを導入すると商品や物流資材の場所を把握しやすくなり、紛失を防ぐことができたり、運行管理や勤怠管理が適切にできるため人件費の削減につながります。

導入する際には、厳しく管理されていると感じてしまい、モチベーションが低下してしまうドライバーが出てくる可能性もあるため、丁寧な説明を実施しましょう。

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