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テレコとは?語源や物流におけるテレコ出荷のリスクや対策を解説

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物流におけるテレコ出荷とは

テレコとは「互い違い」の意味です。
物流におけるテレコ出荷とは、商品の入れ間違いや発送先の互い違いが起きている状態のことで、個人情報の漏洩や、企業・ブランドの信用を低下させるリスクもあります。そのため、テレコ出荷の原因であるピッキングミスや、送り状の貼り間違いを防ぐことが必要です。

本記事では、テレコの意味や語源、物流におけるテレコ出荷に関する解説とともに、原因と対策を解説します。

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テレコとは?

テレコとは、「逆」「あべこべ」「互い違い」「入れ違い」という意味がある言葉で、物流現場ではよく使われているビジネス用語です。

テレコ出荷(イメージ)

もともとは歌舞伎において、2つの異なる筋をひとつにまとめて、一幕おきに交互に展開することをテレコと呼んでいました。

テレコの語源

テレコの語源には、2つの説が存在します。

  • 「手入れ」に接尾語の「こ」がつき「手入れこ」になり、徐々に「テレコ」に変化した
  • 「人の手を入れて(テレ)、交互(コ)にする」が略されて「テレコ」になった

どちらも人の手が入ることにより、発生する意味が含まれています。

テレコ出荷とは

テレコ出荷とは、商品を「互い違い・入れ違い」に発送してしまう状態のことで、商品の入れ間違いや発送先の間違いがテレコ出荷に該当します。

テレコ出荷の概要図(イメージ)

上記の画像のように「AさんとBさん宛ての段ボールに互い違いに商品を入れて出荷すること」や「AさんにBさん宛ての商品を発送すること」がテレコ出荷です。

テレコ出荷のリスク

テレコ出荷のリスクとしては、下記の3つがあります。

テレコ出荷 リスク(イメージ)
  • 個人情報の漏洩
  • 企業やブランドの信用低下
  • 在庫数の不一致

個人情報の漏洩

テレコ出荷によって発送先が入れ違いになってしまった場合、発送先の名前や住所などの個人情報が記載されている納品書を第三者に届けてしまい、個人情報が漏洩します。最悪の場合、個人情報が悪用されて消費者が被害を受ける可能性があるため、注意が必要です。

EC通販事業者は、個人情報保護法を遵守して消費者の個人情報を適切に扱う必要があります。消費者の同意を得ずに第三者に個人情報を伝えた場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

消費者が安心してECショップを利用できるように、テレコ出荷を防ぐことが大切です。
(参考:個人情報保護法|個人情報保護委員会

企業やブランドの信用低下

テレコ出荷によって間違った商品が届いてしまうと、企業やブランドの信用が低下します。

正しい商品の到着が遅れてしまうことや不安感を与えてしまうことだけでなく、商品に関する問い合わせをしなければならないなどの負担も発生します。特にギフト用やすぐに使いたい商品など、到着の遅れが許されないケースでは、一気にマイナスイメージとなる可能性も高くなります。

1回のテレコ出荷が会社やブランドの信用低下につながる可能性があることを認識しておきましょう。近年は不満を感じた消費者がSNSなどで口コミを投稿することも少なくありません。投稿が拡散されると他の消費者にもマイナスイメージが定着してしまう可能性もあります。

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在庫数の不一致

テレコ出荷が発生すると、実際の在庫数と帳簿上の在庫数との不一致が生じます。在庫が少ない商品の場合は、テレコ出荷の影響で欠品になり、他の注文をキャンセルする可能性もあるでしょう。

またテレコ出荷の場合は、出荷時のピッキングや発送手続きは完了しているため、在庫が合わない原因特定に時間がかかり、そのための労力やコストが余計に発生します。

テレコ出荷が発生する原因

テレコ出荷は以下の2つの原因によって発生します。

テレコ出荷原因(イメージ)
  • 商品の入れ間違い
  • 送り状の貼り間違い

商品の入れ間違い

ピッキングをしているときにミスが発生し、梱包時に商品を入れ間違えることによって、テレコ出荷が起こります。具体的な事例は以下です。

  • 人的ミスにより、ピッキングした商品が入れ替わる場合
  • ピッキングリスト自体が入れ替わる場合

商品の入れ間違いを防ぐためには、注文を特定できる番号などでピッキングリストを正確に把握し、ピッキング後のダブルチェックなどの検品を適切に行うと効果的です。

送り状の貼り間違い

正しくピッキングができていたとしても、商品の発送先や商品名を記載する送り状(伝票)を別の荷物と互い違いに貼り間違えてしまうことによって、テレコ出荷が起こります。具体的には、同梱された納品書に記載されている配送先や購入内容の情報と、段ボールに貼られた送り状の住所が異なる場合です。

送り状の貼り間違いは個人情報の流出に繋がり、場合によっては個人情報保護法に違反したとして、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
(参考:個人情報保護法|個人情報保護委員会

テレコ出荷の対策

テレコ出荷を防ぐためには、以下の5つの対策があります。

テレコ出荷防止(イメージ)
  • 業務フローの改善をする
  • スタッフを教育・再配置する
  • 倉庫の環境を整備する
  • 倉庫管理システムを導入する
  • 物流業務をアウトソーシングする

業務フローの改善をする

ピッキングや送り状の貼り付け作業などに関する業務フローを見直すことによって、商品の入れ間違いや送り状の貼り間違いによるテレコ出荷を防ぐことができます。

テレコ出荷がすでに発生している場合、テレコ出荷の原因を特定し、業務のフローを改善しましょう。ピッキング作業や梱包の作業手順・ルールを見直すなどのチェック体制を確立します。指差し確認や、複数人体制のダブルチェックも有効です。

スタッフを教育・再配置する

テレコ出荷の原因となるピッキングや出荷に関する作業において、スタッフを教育・再配置することで、テレコ出荷の防止に繋がります。

業務マニュアルを作成して説明する機会を設け、ピッキングや検品、梱包の作業手順・ルールについて教育し、作業の質を均一に保つことが大切です。また、スタッフの特徴・スキルに合わせ、適材適所に配置することで、人的なミスの軽減に繋がります。

日頃からスタッフ一人ひとりの特性を把握できるようになるとよいでしょう。

倉庫の環境を整備する

スタッフが作業しやすいように倉庫の環境を整備することによって、商品の入れ間違いや、送り状の貼り間違いを防ぎ、テレコ出荷を防止できます。

倉庫に備品や書類が散乱していると、自身が担当するピッキングリストや伝票が書類と混ざり、ピッキングや伝票貼り付け時のミスに繋がることも少なくありません。

倉庫内は整理整頓を徹底し、ピッキングや梱包をする作業スペースをできるだけ広く確保したうえで、作業場所には不要な書類などを置かないようにしましょう。

また、バーコードを読みとるハンディターミナルなどが正しく機能しない場合も、テレコの原因のひとつです。例えば、読み込み精度が悪くなることで、ピッキングや検品の登録を間違えてしまうケースもあるため、新しく買い替えるなど、精度を高めることもテレコを防ぐ対策と考えられます。

倉庫管理システムを導入する

WMS(倉庫管理システム)の導入によって、ロケーション管理やバーコードによる検品、注文情報にもとづいた送り状の出力などが可能です。WMSを使うことで出荷作業の人的なミスを減らし、テレコ出荷の防止に繋がります。

また、WMSは商品に関する情報のデータ管理が可能です。情報共有がしやすくなるため、作業の属人化を防ぎ、担当のスタッフが不在の場合でもスムーズに作業を行うことができます。

物流業務をアウトソーシングする

自社に出荷に関するノウハウがない場合や、自社で適切に運営するための人員確保ができない場合には、プロにアウトソーシングすることも方法のひとつです。

EC通販の出荷を代行する企業では、これまでにお伝えしたようなテレコ出荷の対策を前提として、出荷業務を組み立てられていることがほとんどです。

まとめ:テレコ出荷を防止して正しく発送しよう

テレコとは互い違いの意味の言葉で、テレコ出荷とは商品の入れ間違いや送り状の貼り間違いが起きた状態です。テレコ出荷により、個人情報の漏洩や企業の信用低下のリスク、在庫の不一致など、さまざまな方面に影響が出ることがわかりました。

対策として、業務フローの見直しや物流のアウトソーシングを検討してみましょう。

当社では、長年の実績から培った知見とノウハウを活かし、業界トップクラスの物流サービスを提供しております。アウトソーシングを検討される際には、お気軽にお問い合わせください。

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