360通販note
物流 物流 (在庫管理)

トレーサビリティとは?物流への導入メリットや課題、活用事例を解説

 更新日 :
物流トレーサビリティとは?導入メリットや活用事例

物流におけるトレーサビリティとは、商品の製造から消費者に届くまでの移動の履歴を追跡できることです。「在庫管理を最適化したい」「ロジスティクス全体の流れを可視化したい」とお考えで、トレーサビリティに関心を持っている物流担当者も少なくないでしょう。

本記事では、物流におけるトレーサビリティの種類や導入メリット、活用事例を解説します。自社の物流にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

売上を上げる在庫管理ノウハウ5選:ホワイトペーパー

利益率だけでなく、売上まで上げる
在庫管理ノウハウ5選!
※そのまま使える在庫管理表テンプレート付き

資料ダウンロード

物流におけるトレーサビリティとは?

物流におけるトレーサビリティとは、商品が製造されて消費・廃棄されるまでのサプライチェーン全体の過程を追跡できることを指します。

物流におけるトレーサビリティ(イメージ)

物流現場では、商品を「いつ・どこで・だれが・どのように」製造したのかという情報や、その後の在庫保管、出荷情報のプロセスを記録し、いつでも追跡できるようにするために利用されます。

物流においてトレーサビリティを導入するメリットは、出荷後の商品にトラブルがあった際に該当商品を特定して迅速に対応できることや、非効率な作業を特定して改善できることです。トレーサビリティはロジスティクスの管理において重要な要素のため、各社で導入の動きが進んでいます。

トレーサビリティの種類

物流のトレーサビリティは、追跡範囲によって以下の2種類に分けられます。

トレーサビリティ(イメージ)
  • チェーントレーサビリティ
  • 内部トレーサビリティ

チェーントレーサビリティ

チェーントレーサビリティとは、製造から倉庫管理、出荷、消費までのサプライチェーン全体の商品の動きを追跡できることです。

消費者は「どこで・どのように」商品が製造されて手元に届いたのか、という履歴を確認することができ、EC通販事業者側はどのようなプロセスを経て消費者に商品が届けられたのか、という履歴を確認できます。

内部トレーサビリティ

内部トレーサビリティとは、企業内あるいは工場内で商品・材料の動きを追跡できることです。これによって、各材料の最適な発注数量や、商品の最適な在庫数量を把握しやすくなり、余剰在庫不良在庫を抱えるリスクを抑えることができます。

なお、チェーントレーサビリティが製造会社・物流業者・消費者など、さまざまなステークホルダーとの情報連携を目的としているのに対し、内部トレーサビリティは製造会社内での商品データ管理を目的としています。目的によって、どのような形でトレーサビリティを導入するべきか検討することが重要です。

売上を上げる在庫管理ノウハウ5選:ホワイトペーパー

利益率だけでなく、売上まで上げる
在庫管理ノウハウ5選!
※そのまま使える在庫管理表テンプレート付き

資料ダウンロード

物流にトレーサビリティを導入するメリット

物流現場でトレーサビリティを導入する主なメリットは、以下の3つです。

物流現場のトレーサビリティ(イメージ)
  • トラブル時に迅速に対応できる
  • 企業の信用力が向上する
  • 物流業務の効率が向上する

トラブル時に迅速に対応できる

物流にトレーサビリティを導入することで、不良品の発生などのトラブル時に迅速な対応が可能となります。材料調達から製造、保管、配送までの商品履歴をすぐに把握できるためです。

たとえば、商品事故が認められてリコールが必要となった場合、トレーサビリティを導入していないと不具合のリサーチが広範囲に及ぶだけでなく、どの消費者に該当商品が渡ったのかを確認する作業に時間がかかり、最悪の場合は確認が困難となります。

一方でトレーサビリティを導入しておくと、消費者の手に渡った全商品のうち、どの商品が回収すべきものか分かるため、トラブルにも迅速に対応することが可能です。

企業の信用力が向上する

物流にトレーサビリティを導入することで、品質管理・トラブルに対するリスク管理の水準が上がるため、企業の信用力が向上するメリットがあります。

製造工程をトレーサビリティによって可視化することは、企業内部の透明性を高めてステークホルダーに説明責任を果たそうとする経営層の姿勢でもあり、消費者や株主にポジティブな印象を与えます。

一方で、トレーサビリティの確保は、個人情報を追跡することでもあるため、企業内での情報の取り扱いには細心の注意が必要です。品質管理・リスク管理の意識を高める一方で、個人情報保護にも注意して運用体制を整えていくようにしましょう。

物流業務の効率が向上する

物流へのトレーサビリティ導入は、ピッキングや在庫管理などの物流業務の効率が向上するメリットもあります。

たとえば、商品の入庫日時と保管場所を把握できるトレーサビリティを導入することで「倉庫内での商品滞留が原因で作業リードタイムが長くなっている」などの課題発見につなげることができます。発見した課題解決に集中してリソースを割くことで、倉庫全体の業務効率化が可能になります。

トレーサビリティ導入の課題

トレーサビリティの導入時には、以下の課題があります。

  • サプライヤーとの連携が難しい
  • 導入時にコストがかかる

サプライヤーとの連携が難しい

自社物流のトレーサビリティを確保できても、サプライヤー(製造業者・物流業者など)との連携が難しいという課題があります。トレーサビリティは、製造から出荷まで一貫した管理ができていないと効果は半減します。自社ですべての工程を賄っている場合を除いて、他社との連携は必須です。

一方で、一般的に企業はサプライチェーン全体の利益ではなく、自社利益を最適化しようとするため、トレーサビリティを管理するシステムへの連携に、サプライヤーの協力が必ず得られるとは限りません。

トレーサビリティを活用するためには、サプライヤーの利害を調整し、物流全体の最適化を図るリーダーシップが必要となります。

導入時にコストがかかる

最新のトレーサビリティシステム導入には、コストがかかります。
システム費用だけでなく、商品製造会社・物流業者間でデータ連携を行うためには、新たなシステム構築が必要となり、人的リソースとしてのコストも発生します。

また、物流現場にトレーサビリティシステムを定着させるために、業務フローの改定や現場研修も必要となります。このように、トレーサビリティシステムの導入に際しては、さまざまな手間・コストが発生するため、費用対効果についても検討する必要があるでしょう。

売上を上げる在庫管理ノウハウ5選:ホワイトペーパー

利益率だけでなく、売上まで上げる
在庫管理ノウハウ5選!
※そのまま使える在庫管理表テンプレート付き

資料ダウンロード

物流におけるトレーサビリティの活用事例

トレーサビリティを実現する技術や、物流現場での活用事例を紹介します。

トレーサビリティ活用(イメージ)
  • ブロックチェーン
  • RFID(商品データの読み取り技術)

ブロックチェーン

分散型のデータ記録・管理ができるブロックチェーンは、もともとビットコインのような暗号資産で活用されていましたが、サプライチェーン・物流管理においても利用されつつあります。ブロックチェーンを導入することで、材料仕入れから商品製造、物流業者の商品発送までの物流情報を、すべて1つの帳簿で管理することが可能です。

ブロックチェーンの特徴の1つは、データ改ざんが難しい点です。膨大な商品および工程のデータを正確に記録し、信頼できるトレーサビリティを構築できることはブロックチェーンのメリットといえます。

RFID(商品データの読み取り技術)

RFID(Radio Frequency Identification)とは、商品に取り付けられたタグから非接触でデータを読み取る技術です。同じく商品データを読み取るバーコードと比較して、商品に近づいて1つひとつ対応する必要がないため、効率的に商品データを読み取れる点がメリットです。

RFIDを活用することでデータ管理が効率化し、物流におけるトレーサビリティの実現が期待されています。

まとめ:物流情報の一元化によってトレーサビリティを活用しよう

物流のおけるトレーサビリティを確保することは、企業内部で業務効率化を実現するだけでなく、外部からの信用力を向上させるうえでも極めて重要です。近年では、ブロックチェーンやRFIDなどのIT技術を活用し、物流現場にトレーサビリティを導入する取り組みが進められています。

当社は物流代行サービスの専門家として、物流に関する業務効率化をサポートしております。自社の物流業務にお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

売上を上げる在庫管理ノウハウ5選:ホワイトペーパー

利益率だけでなく、売上まで上げる
在庫管理ノウハウ5選!
※そのまま使える在庫管理表テンプレート付き

資料ダウンロード
物流代行(発送代行)
サービスはこちら

関連記事