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物流 (輸配送)

置き配とは?メリット・デメリットや利用の際の注意点を解説

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置き配とは?メリット・デメリット

置き配とは、購入した商品を受け取る際、不在時や非対面で商品を受け取ることができるサービスです。置き配を利用することで利便性が高まり、顧客満足度の向上が期待できます。

置き配には、購入者だけでなく、EC通販事業者や配送業者にとってもメリットがあります。
ただし、商品の誤配送や盗難の可能性もあるため、リスクやデメリットを把握しておくことも重要です。

本記事では、置き配のメリット・デメリット、利用の際に注意すべき点などについて解説します。

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置き配とは

置き配とは非対面で商品を配達するサービスです。

通常の配達では玄関で購入者に直接商品を手渡しますが、置き配では配送業者が事前に購入者から指定された以下のような場所に商品を置いて配達します。

置き配 荷物(イメージ)
  • 玄関ドア前
  • 宅配ボックス
  • ガスメーターの中
  • 自転車のカゴの中
  • ガレージ、倉庫 など

ライフスタイルの変化にともない、商品が届く時間に家にいることが難しい場合もあります。置き配は、ライフスタイルの変化にも対応できる配送方法です。

置き配の重要性

置き配は、購入者だけでなく物流業界にとってもメリットのある配送方法です。

EC市場規模や宅配便取り扱い個数が増加傾向にあるなかで、トラックドライバーの不足も拡大傾向にあります。配達の効率化を高めるためには、再配達の割合を減らす必要があります。

国土交通省の調査によると、2019年の時点で再配達率は15%です。2020年度の再配達率13%の目標を達成するため、置き配検討会が開催され、置き配の現状と実施するうえでの課題について協議が行われました。

置き配の普及率も、年々増加しています。株式会社ナスタによる調査では、置き配の普及率は2019年の26.8%から、2022年の11月時点で61.3%まで増加しています。

(参考:2022年「置き配」利⽤率が6割を突破、19年⽐で2.3倍に増加|株式会社ナスタ

また、政府が2023年10月6日に開いた関係閣僚会議では、2024年問題への対応策が協議され、置き配についても言及されました。

置き配のメリット

置き配 メリット(イメージ)

置き配の利用で、
購入者・EC通販事業者・配送業者
それぞれにメリットがあります。

購入者

置き配によって購入者が得られるメリットは以下の2つです。

不在時にも商品を受け取ることができる

【メリット】

  • 商品の配達時間に家にいる必要がない
  • 手が離せない時間帯でも商品を受け取れる

多忙だったり、家にいる時間が不規則で不在が多い場合でも商品を受け取れるため、利便性が向上する点がメリットです。

非対面で商品を受け取ることができる

【メリット】

  • 感染症対策になる
  • 配達のチャイムで乳幼児が目を覚ましてしまったり、犬が吠えるのを防ぐことができる

株式会社ナスタの調査によると「置き配を利用したことがある」と回答した人は、2019年の26.8%から2020年には47.2%に増加しました。

置き配利用のタイミングについては、緊急事態宣言発出の「2020年4月〜6月ごろから」と答えた人がもっとも多い結果となっています。感染症対策として、非対面で商品を受け取ることができる置き配を利用する人が増えたと考えられます。

(参考:株式会社ナスタ|家の前に荷物届ける「置き配」利⽤率が2020年は47%に到達

EC通販事業者

置き配によってEC通販事業者が得られるメリットは以下の2つです。

顧客満足度の向上につながる

置き配を選択できることで利便性が高くなり、顧客満足度の向上につながります。
好意的なレビューを書いてもらったり、リピーターになってもらえることが期待できる点が、EC通販事業者にとってのメリットです。

競合との差別化になる

購入者にとって利便性が向上すると、EC通販事業者にとっても自社ECサイトを選んでもらいやすくなります。置き配を採用していない競合のECサイトと比較したとき、自社ECサイトを選んでもらえる可能性が高まり、売上アップに貢献するでしょう。

配送業者

置き配によって配送業者が得られるメリットは以下の2つです。

再配達が不要になる

配送業者にとっては、再配達せずに済むので時間のロスが減らせる点がメリットです。配達車分の燃料消費も減らせるため、コスト削減にもつながります。

効率よく商品を配達できる

EC市場拡大にともなう物流量の増加に対応するため、配送の効率化が配送業者にとっての課題となっています。置き配では対面での受け渡し時間を短縮できるため、効率よく配達できる点がメリットです。

置き配のデメリット

メリットの大きい置き配ですが、以下3つのデメリットがあります。

置き配 デメリット(イメージ)
  • 誤配送の可能性がある
  • 盗難に遭うおそれがある
  • 汚損の可能性がある

誤配送の可能性がある

対面受け取りの場合は名前を確認できますが、置き配は対面での名前の確認がないので誤配送の可能性があります。

配送業者が間違える可能性もありますが、EC通販事業者側のミスが誤配送につながる可能性もあります。他のお届け先に誤って発送してしまい、配送業者もそれに気づかず配達してしまうことも考えられるでしょう。

再送の手続きには手間がかかるため、誤配送が発生すると顧客満足度が下がるおそれがあります。誤配送が生じた際どのような対応をするか、配送業者と確認しておくことが重要です。

盗難に遭うおそれがある

置き配では屋外に商品が置きっぱなしになるため、盗難されるリスクがあります。商品が届いてすぐ家の中へ持ち込めばリスクは減らせますが、長時間不在にしていて屋外に置いてある時間が長いと盗難リスクが高まります。

また、誤配送により他のお届け先のもとへ届き、そのまま盗難されてしまう可能性もあるため、EC通販事業者側は盗難に注意するよう購入者へ呼びかける必要があります。

汚損の可能性がある

置き配は屋外に商品を置くため、土や埃、雨などで商品に汚れがつく可能性があります。

EC通販事業者側ができる対策としては、少々の汚れや雨でも中の商品が汚損しないような梱包をすること、宅配ボックスの設置を購入者に呼びかけることなどがあります。

また、ECサイト側が置き配禁止に指定しているものは、置き配することができません。高額商品や食料品、医薬品など取り扱いに注意が必要なものについては、ECサイト側が置き配できないように指定することも可能です。

置き配を利用するときの注意点

置き配を利用する際は、誤配送や汚損、盗難などが発生した際の対応や責任の範囲について、配送業者と確認しておくことが推奨されます。

盗難に対しては、基本的に購入者の自己責任です。購入者が配送業者と連絡を取り、対応を決める必要があります。

置き配 注意点(イメージ)

ただし、購入者が指定した配送方法と異なる方法で発送したり、発送の形跡がないと、購入者とEC通販事業者との間でトラブルになる可能性があるため注意しましょう。

日本郵便では、盗難が起きた際に保険金を支払う置き配保険を実施しています。保険料は日本郵便が負担するため、購入者の負担はありません。また、Amazonでも盗難に対する補償を行っています。
※2023年10月時点の情報です

ほかにも、さまざまな保険会社や配送会社が置き配保険サービスを提供しているため、利用を検討してみましょう。

置き配に対応している配送業者

置き配に対応している主な配送業者は以下の3つです。
※2023年10月時点の情報です

置き配 配送業者(イメージ)
  • 日本郵便
  • ヤマト運輸
  • 佐川急便

日本郵便

【対象】

  • ゆうパック、レターパックプラスでの配達
  • 郵便受けや差し入れ口に入らない、ゆうメールやゆうパケット、および郵便物
  • 国際郵便物

【条件】

  • 置き配に指定された場所が住所内の場所であること
  • 商品が外部から容易に見えず、事故が起こりにくい場所であること
  • 汚損が起こりにくい場所であること

日本郵便の置き配を利用するためには、利用者が日本郵便に依頼書を提出する必要があります。ただし、置き配バッグ「OKIPPA」を設置している場合は、依頼書を提出したものとみなされ、置き配を利用することができます。

ヤマト運輸

ヤマト運輸では、置き配サービス「EAZY」を利用できます。

【対応ECサイト】

  • Amazon(クロネコメンバーズに登録済みのユーザーのみ)
  • Yahoo!ショッピングの一部ストア
  • PayPayフリマ
  • メルカリ など

購入者は、ECサイト上で置き配の指定が可能です。購入後ヤマト運輸より送られたメールやLINEで、配達日時の設定や置き配の指定を行います。悪天候時や受取場所に商品がおさまらない、受取場所に入れないなど判断された場合は、置き配されない可能性があります。

EDIを利用しているEC通販事業者は、出荷予定データの連携のためシステム対応が必要です。ただし、Yahoo!ショッピングやPayPayモールに出店している場合は、対応は不要です。

佐川急便

佐川急便では、個別契約を結んだ事業者から出荷される商品について「指定場所配送サービス」として置き配を実施しています。

飛脚宅配便、飛脚航空便、飛脚ジャストタイム便が対象です。配達時に、購入者が指定した受取場所に商品を配達し、佐川急便セールスドライバーが配達状況を撮影します。

置き配に対応しているECモール

置き配に対応しているECモールは以下の2つです。
※2023年10月時点の情報です

置き配 ECモール(イメージ)
  • Amazon
  • 楽天市場

Amazon

Amazonでは、初期設定として玄関前への置き配が設定されています。

玄関前以外にも、宅配ボックスやガスメーター、自転車の前カゴなどを配達場所として指定できます。注文時に置き配を選択できますが、以下に該当する場合は置き配を選択できません。

  • 置き配に対応していない地域への配達
  • 郵便受けに投函できる梱包の商品
  • Amazonフレッシュ(一部地域)
  • 提携ネットスーパーでの注文(ライフ、バロー、成城石井) など

対面での受け取りを希望する場合は、配達方法を変更することも可能です。配送指示の画面から、「置き配を利用しない」を選択します。

楽天市場

楽天市場では、出店した際に配送業者を選ぶことが可能です。

ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便といった置き配対応業者を設定し、置き配を利用可能に設定することで購入者が置き配を利用できるようになります。

商品を購入すると「受取場所・日時の変更」より配達オプションを選択でき「ご自宅等の指定場所への配達」から置き配を指定できます。玄関の前、メーターボックス、宅配ボックス、車庫といった場所が置き配に指定可能です。

ただし、以下に該当する商品は、置き配を指定することができません。

  • 置き配を導入していないショップで注文した商品
  • ゆうパケット等のゆうパック以外の商品
  • 代金引換、着払いの商品

まとめ:置き配指定を可能にして利便性を向上させよう

置き配は、購入者にとっては不在時や非対面で商品を受け取ることができるメリットがあります。置き配指定を可能にして利便性を高めることで、顧客満足度の向上につながります。

置き配を指定可能にする際は、置き配サービスを行っている配送業者やECモールの規約・条件、トラブル時の対応などについて確認しておきましょう。

ECサイトでの受発注業務や発送業務のリソースが足りない、外部に委託したい場合には、アウトソーシングの活用がおすすめです。

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