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3大ECモールを徹底比較!種類や特徴、おすすめの事業者や費用を解説

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3大ECモールを徹底比較 種類や特徴、おすすめの事業者や費用

ECサイトを持つには、自社ECを立ち上げる方法とECモールに出店する方法の2つがあります。 知名度が低いブランドやインターネットの初心者の場合、一定の集客が見込めるECモールへの出店を選ぶことが多いでしょう。

本記事では、ECモールの種類とメリット・デメリットを解説します。 併せて、ECモールの中でも代表的な3つのサイトの特徴とおすすめの事業者、それぞれのサイトでかかる費用についても紹介します。

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ECモールとは

ECとはElectronic Commerceの略でインターネット上で商品・サービスを売買することです。

ECモールとは(イメージ)

このECを行うためのインターネット上の店舗をECサイトといい、実店舗を持つブランドがインターネット上の販路として開設することもあれば、ECサイトのみで実店舗を持たない事業者も存在します。

また、ECサイトの規模は、個人で展開しているサイトから大企業のサイトまでさまざまです。 ECサイトは、EC通販事業者のネットショップなので、通常はオリジナルのドメインを持っています。

一方、ECモールとは、EC通販事業者が1つの場所に集まったECサイトのことです。
複数の店舗が集まってそれぞれに営業している、ショッピングモールのようなイメージです。ECモールには、大きく分けて「テナント型」と「マーケットプレイス型」の2つがあり、下記のような特徴があります。

「出店」するテナント型

テナント型は、その名のとおりショッピングモールにテナントが立ち並ぶ形式です。

無数のショップがありますが、その一つひとつは独立して運営されており、商品の登録や受注管理は各テナントが担います。モールの運営会社は各テナントに場所を貸すイメージで、集客や各種サポートを担当します。

商品が売れなくても出店料が発生すること、販売業務を行うにあたって特定商取引法(特商法)への対応が各テナントに義務付けられることから、比較的名が知られているブランドや、EC通販事業で一定の実績があるテナント向きです。

テナント型の代表的なショッピングモールには、「楽天市場」があります。 日本におけるECモールの先駆者で、食品やコスメ・アパレルなど多岐にわたるジャンルを取り扱っています。

「出品」するマーケットプレイス型

マーケットプレイス型は、運営会社が提供するプラットフォームに各企業・ブランドが「出品」する形式です。したがって、テナント型のように「●●(ショッピングモール)のお店」という概念はありません。

集客から出品登録までを運営会社に任せることができ、利用料も売上に応じて支払うため、経験の浅い出品者でも、比較的楽にEC販売をスタートできます。

ただし、自社商品全体の特徴を打ち出してブランディングをするのは難しく、マーケティングの難度も高くなります。 マーケットプレイス型の代表例は、世界中でサービスを展開し、業界最大級の規模を誇る「Amazon」です。

ECモールのメリット

ECモールのメリット(イメージ)

EC通販事業を展開していく上で、ECモールに出店・出品するメリットとしては下記の6点が挙げられます。

特に、有名なECモールの知名度によって集客できるのは魅力的です。

簡単にコストを抑えてスタートできる

ECサイトをゼロから自社で立ち上げる場合、サイトの開設方法によっては初期費用の負担が大きくなります。また、一定程度の規模で展開するのであれば、ECサイトの運営を担う人件費も必要です。これに対して、ECモールを利用すれば、出店・出品に伴うコストを抑えて運営をスタートできます。

集客力が高い

「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」といった代表的なECモールは、企業から個人にまで非常によく知られています。買いたいものがあるときは、最初に3つのECモールのいずれかを見るという人も多いでしょう。

2021年の各ECモールの利用者数は、楽天市場が5,104万人、Amazonが4,729万人、Yahoo!ショッピングが2,288万人でした。
(参考:ニールセン デジタル株式会社/デジタルコンテンツ視聴率Monthly Totalレポートによるオンラインモールのサービス利用状況

走り出したばかりのブランドで知名度が低くても、ECモール自体に集客力があるため、自社でECサイトを持つよりも集客にかかるコストを低減できます。

ECモールの信頼性を活用できる

インターネット上で買い物をする際、よく知らないショップに重要な個人情報を知られることに対して不安を感じる人は少なくありません。

大手のECモールであれば、一定以上のセキュリティ対策をしていると考えられるため、消費者は安心して利用できます。ショップ自体の信頼性を、ECモールの信頼性がカバーしてくれる点も魅力の1つです。

レコメンド機能で認知してもらえる

大手のECモールには、サイトを訪れた人の閲覧履歴を分析して、趣味・嗜好に合った商品、興味関心のありそうな商品をすすめる「レコメンド機能」が備わっています。

ある商品を購入しようとしている人に対して、「一緒に購入すると便利な商品」「より上位機種で使い勝手の良い商品」がおすすめとして表示されることにより、アップセルクロスセルの実現も可能です。

広告や物流などのサービスを利用できる

ECモールの多くは、出店者・出品者に自社の物流倉庫を貸し出しているほか、サイト上の上位表示や広告出稿といった施策の提案も行ってくれます。こうしたサービスを利用することで、自社商品が多くの消費者の目にとまるほか、売れるほど煩雑になる物流業務の負担を軽減できるのです。

サポート体制が充実している

EC通販事業の初心者にとって、PRの仕方や集客の方法など、商品を販売する際の流れはわからないことばかりです。ECモールの場合、運営側の担当者のサポートが受けられるため、1人で悩まずビジネスを軌道に乗せることができるでしょう。

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ECモールのデメリット

ECモールのデメリット(イメージ)

メリットが多いECモールですが、利用する上では注意しなければならない点もあります。

実際に出店・出品する前に、下記の5つのデメリットは知っておく必要があります。

デザインや機能のカスタマイズ性が低い

独自の世界観やイメージにこだわるブランドにとって、そのブランドの「見せ方」は非常に重要なポイントの1つです。しかし、ECモールは原則として仕様が統一されていて、サイトのデザインなどでブランドのオリジナル性を出すことはできません。

機能の追加も独自の判断ではできないため「サイト上でも製品の個性を表現したい」「どうしても実装したい機能がある」といった場合は、自社サイトの運営を検討する必要があります。

価格競争に巻き込まれやすい

ECモールは複数の店舗や商品が集まる場ですから、多くの競合と比べられるのは避けられません。ECモール自体が、モール内に並ぶ商品同士を比較検討しやすいように表示しているため、同じような機能であれば価格が安い商品が選ばれやすいでしょう。
そのため、価格競争になって利益率が低下する可能性が高くなります。

ブランディングがしづらい

ECモールの中の一店舗として出店・出品していると、自社の存在を認知してもらうのが難しくなります。消費者の多くは、商品を「Amazonや楽天市場で買った商品」として認識し、どの事業者から買ったかはあまり意識しないからです。
ショップそのもののイメージを印象付けるブランディングには、ECモールは不向きです。

顧客情報が獲得できない

一般的に、商品の購入者の情報は、ECモール側が保有しています。
EC通販事業者側は顧客情報を利用したマーケティング施策が打ちにくくなるため、どうしても販促の手段は限定的にならざるをえません。

月額費用や手数料が自社ECサイトに比べて高い

出店・出品の場所を借りるECモールでは、出店料や使用料といった月額費用と、商品の売上に応じて費用がかかる販売手数料などが設定されています。サポートが手厚い分、自社ECサイトの運営に比べてランニングコストがかさむため、注意が必要です。

3大ECモールの特徴とおすすめの事業者

3大ECモールの特徴とおすすめの事業者(イメージ)

代表的なECモールである楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの3大モールには、それぞれ下記のような特徴があります。

自社に合うかどうかを、しっかりと検討しましょう。

楽天市場

楽天市場は、テナント型のECモールです。

国内で最も早くスタートしたECモールであり、最大の流通規模と、国内トップレベルの利用者数を誇ります。知名度が高く、長く続いていることから信頼性もあり、比較的高めの年齢層にも「ECモールといえば楽天」と認識されています。

ECモール全体で大規模なキャンペーンやセールを展開することも多く、思いがけない潜在顧客にリーチできる可能性が高いのも特徴的です。 デザインやレイアウトの自由度にも特徴があり、ほかのECモールに比べて比較的カスタマイズ性があり、自社ショップのカラーを出しやすいといえます。

一方、誰でも簡単に出店できるわけではないことに注意が必要です。一定の信頼性を保つため、出店時には複雑な審査があり、基準をクリアしたショップだけが出店できます。

また、楽天市場はほかのモールに比べて初期費用やランニングコストが高いため、ある程度の初期投資は覚悟しなければなりません。多少はコストがかかっても、集客や信頼性の確保を優先したい事業者には楽天市場への出店が適しています。

Amazon

Amazonは、マーケットプレイス型の代表的なECモールです。

利用者数は楽天に拮抗しており、知名度も高いため、一定の集客が見込めます。
プラットフォームが統一化されており、出品料が1商品あたり100円というプランもあるなど、小規模な事業でも手軽に始められる点も魅力です。

なんといっても大きいのは、商品の出品者に代わってフルフィルメント業務を代行してくれる「FBA(フルフィルメント by Amazon)」という物流代行サービスがあることです。
フルフィルメントとは、物流工程において生じるさまざまな作業を包括的に示す言葉で、商品の入出庫から保管・受注処理・ピッキング・梱包・配送までの一連の業務をいいます。

FBAでは、Amazonの物流拠点(フルフィルメントセンター)に商品を納品すれば、商品の保管から受注処理、配送、返品対応、カスタマーサービスまでを一括して代行してもらうことが可能です。出品者は物流業務にわずらわされることなく、商品開発や顧客開拓といったより重要な業務に集中できます。

ただし、Amazonのプラットフォームのデザインや機能は一律で、商品ごとのオリジナル性は出しにくいでしょう。ブランディングの必要がないほど人気があり、一般によく知られた商品を扱っている事業者や、事業をスタートしたばかりで物流部門を設ける余裕がない事業者、FBAを使って小規模のECビジネスを展開したい事業者などに向いています。

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングは、ヤフーが運営するテナント型のECモールです。

なお、同じくヤフーが提供する「ヤフオク!ストア」は、オークションサイト「ヤフオク!」の法人・個人向け店舗であり、オークションの仕組みを用いるため、用途が大きく異なります。

Yahoo!ショッピングの最大の特徴は、初期費用も月額費用もかからないことです。そのため、すでに自社ECサイトの運営や楽天市場・Amazonへの出店を行っている事業者が、同時並行でYahoo!ショッピングにも出店したいと思った際にもハードルは低めです。

また、Yahoo!ショッピングの店舗ページ内には、外部のウェブサイトへのリンクを貼ることができます。自社のECサイトなどへのリンクを貼ることで、Yahoo!ショッピング経由のアクセスにも期待できます。

デメリットとしては、最小限のコストで出店できる分、出店店舗数が多く競争率が高いことです。楽天市場とは上位表示するためのテクニック・ノウハウが異なるため、力の入れ方次第では楽天市場の競合を上回る収入を得ることができますが、学習が必要です。

上記のような特徴から、Yahoo!ショッピングは、できる限りコストを抑えて出店したい事業者のほか、自社のサイトへのリンクを活用したい事業者や、激しい競争の中でも集客できるマーケティングに強い事業者などに向いています。

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3大ECモールの費用

3大ECモールの費用(イメージ)

出店・出品する場合の費用は、3大ECモールそれぞれで大きく異なっています。

自社のビジネスモデルにあてはめたときにどの程度の費用がかかるのか、公式サイトも確認して十分にシミュレーションしましょう。

楽天市場

楽天市場に出店する場合、月額出店料とシステム利用料が異なる「メガショッププラン」「スタンダードプラン」「がんばれ!プラン」という、3つのプランがあります。それぞれ下記のような特徴があり「月額利用料」「システム利用料」が必要です(すべて税別)。

プランごとの特徴と費用

プラン 特徴 費用
メガショップ
プラン
・登録可能商品数や画像容量が無制限のプラン
商品数が多く容量を気にせずショップ運営したい事業者向け
・月額出店料:10万円(半期ごとの2回分割払い)
・システム利用料:月間売上高の2~4.5%。
スタンダード
プラン
・登録可能商品数2万点、画像容量5GBまでを利用できるプラン
目標月商が約140万円以上の事業者向け。
・月額出店料は:5万円(半期ごとの2回分割払い)
・システム利用料:月間売上高の2~4.5%。
がんばれ!
プラン
・登録可能商品数5,000点、画像容量500MBまでを利用できるプラン
ネットショップの出店が初めて、あるいは経験が少ない事業者向けのプラン。
・月額出店料:1万9,500円(年間一括払い)
・システム利用料:月間売上高の3.5~7%。

(※2023年7月現在 参考:楽天市場/出店プラン・費用

全プランの共通費用

加えて、全プラン共通の費用である「初期登録費用」「システムサービス利用料」「決済サービス利用料」もかかります(すべて税別)。

  • 初期登録費用:6万円
  • システムサービス利用料金:
    (1) 楽天ポイントの原資負担:通常の場合、楽天会員が購入した代金の1%
    (2) モールにおける取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料:月間売上高の0.1%
    (3) 楽天スーパーアフィリエイト利用料:アフィリエイトを経由した売上の2.6%~
    (4) R-Messe(楽天市場での消費者・店舗間のコミュニケーションツール)利用料:月額固定費3,000円~(2023年6月現在では無料期間中)
  • 決済サービス利用料:楽天ペイ(楽天市場決済)利用料…月間決済高の2.5~3.5%

Amazon

Amazonの出品にかかる費用には、まず「小口出品サービス」と「大口出品サービス」というプランに応じた出品手数料があります。また、商品の売上高に応じて一定の割合で販売手数料がかかり、FBAを利用する場合には配送代行手数料・在庫保管手数料などの費用も必要です。

プランごとの出品手数料

出品手数料は、プランに応じて下記の費用がかかります。
月平均で49点以上商品を出品する場合は、大口出品サービスが最適です。

  • 小口出品サービス:1商品あたり100円
  • 大口出品サービス:販売する商品数にかかわらず、月額固定4,900円

また、大口出品サービスは、小口出品サービスでも可能なFBAの利用やAmazonのカタログへの新商品追加といった機能に加えて、スプレッドシートなどを使った在庫管理、検索上位への掲載、無料配送を含むプロモーションなどの機能も使用可能です。

販売手数料

Amazonの販売手数料は、商品のカテゴリーごとに異なります。
代表的な商品カテゴリーでは、下記のような割合・金額が設定されています。

カテゴリー 販売手数料の割合 最低販売手数料
15% なし
パソコン・周辺機器 8% 30円
おもちゃ&ホビー 10% 30円
おもちゃ&ホビー 15% 30円
ホーム(インテリア・キッチン) 15% 30円

FBAの配送代行手数料・在庫保管手数料

FBAを利用する場合、商品の発送ごとにかかる配送代行手数料と、月額の在庫保管手数料が必要です。 配送代行手数料は、サイズによって異なる料金が、商品1点ごとにかかります。また、在庫保管手数料は、1日あたりの平均スペース使用量に応じて計算されます。

他にも入庫から1年を超えても在庫となっている商品に加算される長期在庫保管手数料や、入庫時の納品不備があった場合の作業手数料といった追加料金もあるので、注意が必要です。

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングの場合、最初の登録時にかかる「初期費用」や「月額システム利用料」「売上ロイヤリティ」などは一切かかりません。 そのため、初期費用とランニングコストを大幅に削減できます。

Yahoo!ショッピングに出店する際にかかるのが、「ユーザーインセンティブ費用」と「アフィリエイト費用」です。 また、ストア決済サービスを利用した場合には、別途、決済手数料も必要です(金額は決済方法により異なります)。

ユーザーインセンティブ費用

ユーザーインセンティブ費用には、「ストアポイント原資負担」と「キャンペーン原資負担」の2つの費用があります。 ストアポイント原資負担とは、消費者が商品を購入した際に付与されるPayPayポイントのストア負担分です。

その負担額は、売上の1%~任意で15%までとなっています。 キャンペーン原資負担とは、Yahoo!ショッピングが実施するキャンペーンの際に使用される費用のストア負担分で、売上の1.5%は必ず負担しなければなりません。

アフィリエイト費用

アフィリエイト費用とは、Yahoo!ショッピングの商品がアフィリエイト経由で購入された場合に、その費用の一部を出店者が負担するもので、「アフィリエイトパートナー報酬原資」と「アフィリエイト手数料」の2種類があります。

アフィリエイトパートナー報酬原資とは、アフィリエイトパートナーサイトに支払われる成功報酬で、販売価格の1~50%の負担が必要です。

アフィリエイト手数料とは、Yahoo!ショッピングストアのアフィリエイトを運営するバリューコマース社からパートナーサイトへの支払い時にかかる手数料で、アフィリエイトパートナー報酬原資の30%の負担が発生します。

まとめ:事業スケールや特徴に合わせてECモールを選ぼう

自社の事業スケールや特徴に合わせてECモールを選ぶ(イメージ)

3大モールの特徴や費用などをご紹介してきました。ECモールは集客率が高く、サポートも充実しているため、初心者でも簡単にEC通販事業をスタートできます。
出店・出品に適したモールは事業者の規模や商品特性によって異なるため、よく比較検討して選びましょう。

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