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物流の破損対策とは?受けられる補償や梱包の仕方を詳しく解説

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物流の破損対策 受けられる補償や梱包の仕方

人が物を運ぶ物流において、商品の破損は避けて通れないトラブルです。とはいえ、破損を防ぐために梱包や配送に時間をかければコストは増大し、利益とのバランスがとりにくくなることが考えられます。 商品が破損した場合はどのような対応が必要で、破損を防ぐ対策には、どのようなものがあるのでしょうか。

本記事では、商品の破損が起こる原因や破損時の補償について解説します。 併せて、破損対策となる梱包の方法やそのほかの対策についても見ていきましょう。 なお、本記事の解説は、EC通販事業者が自社物流を行っているケースを前提としています。

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物流で商品の破損が起こる原因とは?

物流で商品の破損が起こる原因とは?(イメージ)

商品の破損のほとんどは衝撃によるもので、大きく外装の破損(つぶれ・へこみなど)と、商品そのものの破損(ひび割れ・動作不良など)に分類することが可能です。

これらの破損が起こる原因は、下記のようにEC通販事業者側にある場合と、配送業者側にある場合に分かれます。

EC通販事業者側の原因

EC通販事業者側の原因として多いのは、不適切な梱包です。梱包は商品を安全に、良い状態で運ぶために行う作業ですが、梱包資材や梱包方法に問題があると十分な機能を果たしません。 下記のような梱包をしていると、梱包の段階で外装や商品が破損する可能性が高くなります。

<破損の可能性が高まる不適切な梱包の例>

  • 重量のある荷物を梱包するのに、厚みのない箱を使っている
  • 割れやすい商品の梱包に、十分な緩衝材を使っていない
  • 小さな商品の梱包に大きすぎる段ボールを使っていて、中で商品が動く

配送業者側の原因

配送業者側の事情で破損が起こる場合は、不適切な積み込みや積み降ろし、あるいは輸送時の道路状況や運転技術に原因があることが考えられます。特に、人の手で直接商品を扱う作業の際は、不注意による段ボールの落下や不用意な取り扱いなどが起こりやすいといえるでしょう。

配送で商品が破損した場合の補償と対応

配送で商品が破損した場合の補償と対応(イメージ)

輸送時に商品の破損に気づいた場合や、配送後に消費者が破損を発見した場合は、原則として配送を担う配送業者が問い合わせの窓口となって対応や補償を行います。

補償額は配送会社によって異なりますが、上限を30万円に設定している場合が多いです。
ただし、状況によってはEC通販事業者側の責任が問われ、補償の対象外になることもあります。具体的には、下記のようなケースが該当します。

<補償の対象外となる場合>

  • 取り扱いに注意が必要な物(割れものや精密機器など)、上下を逆にしてはいけない物などについて、配送業者に情報を共有していない
  • 不適切な梱包が行われていた
  • 配送業者側に落ち度がないことが明らかである

また、たとえ補償の対象になったとしても、破損によってEC通販事業者に対する消費者の印象は少なからず悪化します。特に「配送業者からの補償があるからいいだろう」と何の対応もせずにいると、顧客満足度はさらに低下するでしょう。

リピート購入が見込めないばかりか、悪い口コミが拡散されることによってブランディングにも影響します。補償が出る・出ないにかかわらず、EC通販事業者側が誠意を持って対応することが重要です。

物流における梱包の役割

物流における梱包の役割(イメージ)

包装や梱包の役割は、荷物の見栄えを良くする以上に「作業中や配送中に荷物に加えられるさまざまなダメージから商品を守り、商品を万全の状態で消費者のもとへ届けること」にあります。

商品の破損につながるダメージには、多くの荷物が上に積み重なることによるつぶれ、温度変化による劣化や変質、落下衝撃などがあり、中でも最も大きなダメージとなるのが落下衝撃だといわれています。

そのため、破損を防止するには、落下衝撃を見据えた梱包をすることが重要です。 落下衝撃に備える梱包をするためには、梱包資材にどのような種類があり、どのような役割を持つのかという点を押さえておかなければなりません。

梱包資材の種類

商品を安全に梱包するには、適切な資材を使用することが必要です。
商品全体を覆う「外装」、外装の中で商品が動くのを防ぐ「緩衝材」、商品が外に飛び出さないよう外装を補強する「粘着テープ」の3つは、適切なものを選びましょう。

外装

外装には、段ボール・木箱・スチール製の箱・発泡スチロール製の箱などがあります。
物流で最も多く使われているのは段ボールですが、商品が冷凍・冷蔵の食品には発泡スチロール製の箱が用いられるのが一般的で、ワインなどは場合によって木箱も用いられます。商品特性によって最適な外装を選択してください。

緩衝材

緩衝材は、外装と商品のあいだにできる隙間を埋めるものです。
商品が揺れ動くことによる破損を防ぐことが目的なので、それ自体はやわらかく商品を傷付けません。ポリエチレンの袋に空気を入れた気泡緩衝材がよく用いられますが、丸めた紙なども使われます。

粘着テープ

粘着テープは、配送中に商品が外装から出ないようにふさぐ役割を果たします。
荷物の重さに応じて、クラフトテープ、布テープ、ビニールテープなどから最適な物を選びましょう。手軽に止めるならクラフトテープが使いやすいですが、強度が弱い点には注意が必要です。布テープやビニールテープは切り方にコツがいるものの、重い荷物にも耐えうる強度があります。

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梱包の手順

梱包の手順(イメージ)

梱包は、手順を誤ると外装や緩衝材の効果が薄くなります。下記の4つのステップを踏めば、強度のある梱包が可能です。

1. 外装の底を粘着テープでとめ、商品を入れる

梱包の最初の手順では、外装となる箱の底を粘着テープでとめ、中央に商品を置きます。商品が複数ある場合は、重い物を下に、軽い物を上に置くのが鉄則です。

粘着テープのとめ方には、縦横に十字になるように張る「十字貼り」、箱の開閉部をまっすぐ閉じる「I字貼り」、Hの字になるように箱の開閉部を囲む「H貼り」といった方法がありますが、圧力がかかりやすい中央部を守る十字貼りがおすすめです。隙間から異物が入るのを防ぎたい生鮮食品などでは、H貼りが採用されることもあります。

商品が重いにもかかわらず強度が高い外装を使えない場合は、底面をさらに板段ボールで補強すると安心です。

2. 緩衝材を詰める

商品と外装のあいだに隙間がある場合は、緩衝材を詰めて商品を固定します。
ただし、陶器やガラスなど、緩衝材による圧迫で破損してしまう商品もあるため、商品の特性に応じた丁寧な作業が必要です。また、商品が複数あるときは、一つひとつを緩衝材で包んでから詰めることをおすすめします。

3. 外装の上部を粘着テープでとめる

商品と緩衝材を入れたら、外装の開閉部をふさぐために上部を粘着テープでとめます。
必要な強度に応じてとめ方を選びましょう。

4. ケアマークを印字・貼付する

ケアマーク(イメージ)

配送時の取り扱いに注意してほしい荷物には、ケアマークと呼ばれるマークを印字・貼付して注意喚起することが必要です。

マークには、「取扱注意」「壊れもの」「水濡れ防止」などの種類があります。
自社のロゴなどを入れたオリジナルの段ボールを利用している場合は、ケアマークも段ボールに直接印字するようにすると手間が省けます。ケアマークには市販のシールもあるため、段ボールに印字できない場合や荷物の数が少ない場合はシールを利用します。

梱包資材の選び方

梱包資材の選び方(イメージ)

梱包資材は、商品の特性によって使い分けることが大切です。段ボール、緩衝材、粘着テープについて、下記のような観点から資材を選ぶといいでしょう。

段ボールの選び方

段ボールの断面をよく見ると、2枚の紙のあいだに芯となる1枚の紙が挟まっていることがわかります。2枚の紙をライナーといい、あいだに挟まっている波状の紙を中芯といいます。

段ボールの強度はライナーや中芯の種類、厚みによって変わり、強度が高いものほど高額です。そのため、強度がそれほど必要のない荷物に高強度の段ボールを選ぶと、無駄なコストがかかります。商品に応じて必要な強度を見極めることが重要です。

ライナーと中芯には、強度が低い順に下記のような種類があります。

<ライナーの種類>

  • C120:強度よりもコスト重視で梱包したいときに適した材質
  • C5:厚みが3mmあり、よく使われる材質
  • K5:厚みが5mmあり、よく使われる材質
  • K6:冷蔵商品や青果、冷凍食品、小型精密機器など、破損の心配がある荷物に使われる材質
  • K7:一般で使われることはほぼない、非常に高い強度の材質

<中芯の種類>

  • 120g:ごく一般的に使われている中芯
  • 160g:大きめのサイズの商品を梱包するときに使われる中芯
  • 180g強化:冷蔵商品や青果、冷凍食品、小型精密機器など、破損の心配がある荷物に使われる中芯
  • 200g強化:一般で使われることはほぼない、非常に高い強度の中芯

段ボールの強度は、段ボール自体の厚さ(フルート)によっても変わり、下記の5種類が代表的です。

<段ボール自体の厚さの種類>

  • 1.1mm F/F(エフフルート):メール便や個包装パッケージなどサイズ制限がある商品に使用
  • 1.5mm E/F(イーフルート):メール便や個包装のパッケージなどに使用
  • 3mm B/F(ビーフルート):比較的小さな商品、あるいは軽い商品に使用
  • 5mm A/F(エーフルート):最も一般的な厚みで、幅広い用途に使用
  • 8mm W/F(ダブルフルート):大きさがある商品、重い商品、輸出する商品などに使用

緩衝材の選び方

緩衝材は、用途によってさまざまな種類を使い分けます。商品を包むのに適している緩衝材は、エアパッキン、紙製緩衝材などです。もちろん、これらの緩衝材を使って商品と外装の隙間を埋めることもできます。

商品が外装にあたって傷付くのを防ぐためには、バラのエアー緩衝材・発泡ポリスチレンなどの緩衝材を隙間に入れていくのが便利です。隙間の大きさによって、資材を選びましょう。

粘着テープの選び方

粘着テープは、梱包全体を補強する目的で使います。重い物やかさばる物を梱包した際、段ボールの底が抜けることを防止するためには、強度のある布テープやビニールテープが適しています。 紙製のクラフトテープは、商品の重さに耐えきれない可能性があるため、軽い商品の梱包以外では使用を避けましょう。

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輸送テストなどによる梱包強度の確認方法

輸送テストなどによる梱包強度の確認方法(イメージ)

物流における商品の破損対策として、実際にサンプル商品を配送業者に届けてもらい、商品への影響を確かめる輸送テストを行うことも効果的です。

実際の商品で実施している、あるいは実施する予定の梱包を再現したサンプルを用意し、実際に利用する輸送方法で発送してみます。 これにより、輸送時の振動や衝撃にどれだけ梱包が耐えられるのかが確認でき、ダメージが大きい場合は梱包資材や梱包方法の改善につなげることが可能です。

また、輸送テストの実施が難しい場合は、梱包したサンプル品を転がしたり、落としたりする簡易なテストを行う方法もあります。輸送過程で激しい揺れが予想される場合は、上下左右に振ってみることも有効です。

梱包の工夫以外で商品の破損を防ぐ対策

輸送テストなどによる梱包強度の確認方法(イメージ)

梱包の工夫以外に、物流過程での商品の破損を防ぐ対策として、下記の2つも挙げることができます。自社で導入できる方法をうまく活用してください。

作業環境を見直す

梱包・積み込み・積み降ろしなどの作業時にミスが目立つ場合、作業環境に問題がある可能性があります。例えば、「作業場が狭く動作に制限がある」「整理整頓が不十分で商品の取り出しや持ち運びに支障が出ている」「多くの商品を運ぶための環境が整っていない」といった問題があると、作業ミスによる商品破損が発生しがちです。

こうした環境要因のミスは、作業環境を見直してオペレーションを改善することによって低減できることが多いでしょう。
具体的には、下記のような取り組みを実施するのがおすすめです。

<ミスを防止するための作業環境見直しの例>

  • 商品を適切に分類し、取り出しやすいように積む
  • 動線をさえぎらない
  • 荷崩れを防ぐアイテムを使用し、安心して荷物を取り出せるようにする

物流アウトソーシングを活用する

作業時の人的ミスによる破損を防ぐには、物流自体をプロにアウトソーシングする方法も効果的です。物流を請け負う企業にはさまざまな商品を扱った知見と経験があるため、破損の可能性を最小限に抑えられる物流が実現できます。

まとめ:物流の破損トラブルは、梱包の工夫やプロへの委託で対策しよう

物流段階での商品破損は、対応次第で大きなトラブルになる可能性があります。破損が起こっている原因を見極め、適切な対策を実行することが重要です。

自社の梱包作業に問題がある場合は、梱包資材や梱包方法の見直しで改善が見込めます。段ボール、緩衝材、粘着テープが自社の商品に適しているか、重さや大きさに準じた梱包を実施できているか、細かくチェックしてください。

それでも破損が起こるときは、物流業務自体をアウトソーシングする方法がおすすめです。プロに業務を一任すれば、単純ミスによる破損はほぼ防ぐことができるでしょう。

当社では、物流業務における破損対策を検討する企業に向けて、アウトソーシングサービスをご提案しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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