
グループインタビューで、お客様の声を直接聞いてみませんか?
お客様の顔が見えない分、正しい顧客理解から始めることがポイントです
リアル店舗でもEC通販でも、ものを売る上で顧客体験(CX=カスタマーエクスペリエンス)は重要とされています。特にEC通販においてはお客様の顔が見えない分、きちんと“お客様の理解”からスタートすることが大切です。コロナ禍でEC通販が盛り上がりを見せる中、より他社と差別化し、LTVを上げてファンを増やしていくために、お客様の属性や趣向、行動心理などを理解したいですね。
この記事では、
●顧客理解のためにおすすめの「グループインタビュー」という手法
●顧客理解によって最高の顧客体験を生み出すための具体的施策
などについてご紹介します。
目次
「リピート率改善についてまずは相談したい」
と考えている方へ
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1メリットが得られるグループインタビューとは
EC通販では、お客様目線で情報収集を行い、トレンドをキャッチし、開発やマーケティング、CRM設計などに役立てることが大切です。しかしながら、その「情報収集」でお客様のことが分析できている“つもり” でも、情報収集方法や分析方法によっては的外れな結果になってしまうケースも多いものです。
デメリットになりかねない、的外れなマーケティング
たとえばアウトドアグッズのショップで、初夏に安い2人用テントを買った東京都在住の30代男性がいたとしましょう。

ショップ担当者は注文データから購入者名、住所、性別、購入日時、購入商品名、商品価格などの情報を得ています。これらの情報から、「安いテントだからきっと初心者だろう」 「友人や恋人とキャンプに行くのかもしれない」とイメージし、「それなら、アウトドア料理に便利なコンロも紹介したほうがいよいのではないか」と、メルマガやDMでコンロをプッシュしていくことにしました。
しかし実際こちらのお客様は野外音楽フェスティバルの常連で、キャンプ慣れしているので安いテントで十分だったのです。さらにフェスでは現地の屋台で食べることを楽しみにしているので、コンロの紹介は的外れ。それよりも広大なステージ会場を行き来しながらくつろぐのに便利な、軽量のアウトドアチェアを紹介したほうがニーズに合っていたでしょう。
実は、このような先入観による誤った分析で「望ましくない顧客体験」を提供してしまっているケースは少なくありません。顧客心理が理解できていないために、心に響かない施策やメッセージを出し続け、読まれないメルマガやチラシがゴミ箱に直行しています。少しでもこうした失敗を減らすことが大切です。
お客様のリアルな声が収集できるグループインタビューという手法

今は様々なツールやAIが整っていますから、社内外の人材やツールを活用することでしっかりと顧客理解をし、最高の顧客体験を実現することができます。そしてそれを実現したEC事業者こそが、大きく成長していくといえるでしょう。
顧客理解のためにおすすめの方法のひとつが、グループインタビュー。対象者を集めて質問をし、自由に発言してもらうことでさまざまな意見、情報を収集する調査手法です。
EC通販でもモニタリングやアンケートなどの調査手法はありますが、グループインタビューは一度に複数人のインタビューができるため、労力やコストを削減でき、また参加者同士が議論することでより多くの意見を収集できるメリットがあります。お客様の購買心理や行動の深掘りができ、離脱や退会の理由も明らかになるでしょう。アナログでありながら、非常に効果的な手法なのですが、最近のEC通販事業者にはノウハウがない場合が多いため、当社ではグループインタビューの運営代行も行っております。
2EC通販におけるグループインタビューの目的

グループインタビューのやり方は、何を目的とするかによって変わってきます。ここではわかりやすい例として、乳幼児向けの健康サプリメントのリピートEC通販事業者のケースをあげてみましょう。
目的は以下の3つとします。事前にこうした目的を設定することで、具体的な実施方法や実施後の分析の方向性を定められます。
顧客のプロフィールを明らかにする
乳幼児向けの健康サプリメントは使用するのが乳幼児で、購入するのが保護者なので、使用者と購入者がわかれています。両者のプロフィールを把握し、それをもとにペルソナやカスタマージャーニーを設定していきます。
顧客の購買心理を明らかにする
利用中の購入者には、サプリメントを知った媒体や、購入の動機、配送状態、使用した感想や使用前との印象の違い、親子それぞれの商品理解度、退会した人には加えて退会理由などを細かく確認し、それらを分析することでサイトの表現やパッケージデザインまで、マーケティングのさまざまな施策を見直します。
同梱物への評価を得る
リピートEC通販ではさまざまなパンフレットやサポートグッズを毎月の配送で同梱しますが、その中で実際にお客様が読んだパンフレット、使ったグッズ、高評価のものはどれで、逆に記憶にないもの、なくてもよいものなどを明らかにし、今後の改善につなげます。
3グループインタビュー開催時のポイント
実際にEC通販事業者がグループインタビューを行う場合、3グループ程度×数名に2時間くらいかけて質問していく設定にすると、1日でしっかりインタビューを行えます。
グループ分けのポイント

顧客のタイプ別にグループを分けます。事例のようなケースなら、1年以上継続購入している「ロイヤルカスタマー」、新規購入して1カ月以内の「新規定期購入者」、定期購入していたが1カ月以内に退会した「退会離脱者」に分けます。1グループ6名として、募集人数は6名×3グループで18名。
東京都内の会場で行うなら東京、神奈川、千葉、埼玉といったアクセス可能なエリアからメールなどで募集を行います。
日頃からメールなどで、お客様とのコミュニケーションやポイント施策を行っている場合はメールアウト数の10%前後の応募がありますが、そうでない場合は応募率が1%に満たないこともあるので、その場合は多めに発送することが大切です。
スケジューリングのポイント
募集は開催日の2カ月前からが一般的。当日のインタビューは1グループ2時間程度で、質問できる内容は限られるので、事前アンケートでプロフィールなどを確認しておきましょう。
アンケートは郵送でもよいですが、スマートフォンやPCに慣れている世代の場合はWEB上で事前アンケートなどのやりとりが出来ると、顧客からのレスポンスも早く、集計の時間短縮にも繋がります。
グループインタビュー スケジュール例 (2月下旬開催)
1月上旬 | 募集開始 |
1月中旬 | 募集から2週間で申込み締切 →人数が足りない場合は追加募集 |
1月下旬 | 当選or落選通知 →同時に事前アンケートの依頼 |
2月下旬 | 開催 →前日に参加者への出席確認 |
3月上旬 | レポート・報告書提出 |
3月中旬 | CRM設計提案・改善案 |
ヒアリング項目作りのポイント
項目は目的にもよりますが、事例では定期購入者の購買心理と同梱物を明らかにすることが目的ですので、新規定期購入者のグループに対しては以下のような項目を聞くといいでしょう。
新規定期購入者グループへのヒアリング項目例
- プロフィール確認
- 商品購買心理(購入前)
→商品を知った経緯、購入の決め手など - 商品購買心理(購入後)
→購入前の不安、使用後の感想など - 同梱物の評価
→初回に入っていた同梱物の感想など - 今後の商品開発について
→欲しい商品、購入可能な値段など - 販売方法についての意見
→定期購入方法に関する意見など - その他希望等
※これに対し、ロイヤルカスタマーには「どこが気に入って使っているか(長期継続理由)」が入り、退会離脱者には「どこが気に入らなかったか(退会理由)」、という項目が入ります。
以上のような要領でグループインタビューを開催し、得られた情報からCRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理)設計における、具体的なヒントが生まれてきます。そしてこのCRMを強化することが、改善点発見や継続率向上へと繋がります。
インタビュー専用ルームの壁は一般にマジックミラーで仕切られ、調査者は後ろの部屋で発言者の表情まで見ることができます。オフィスの会議室で行われることもありますが、「誰が何を話しているのかわからない」「参加者が(見られていることを気にして)本音を話しづらい」といったデメリットあるので、専用ルームを利用しましょう。ルームは時間貸しで首都圏各所にあります。
4まとめ:メリットが得られるグループインタビューで正しい顧客理解を!

いかがでしたか。
最高の顧客体験を実現するためには、グループインタビューなどによる正しい顧客理解と、そこで得られた情報を基にしたCRM設計が重要であると分かりました。
当社スクロール360ではBtoC通販事業を60年以上も手掛けてきた複合通販スクロール(旧ムトウ)のDNAを引継ぎ、顧客との関係を大切にした通販支援を行っております。
今回ご紹介したグループインタビューを含め、マーケティング業務で「顧客理解を深めたい」「どのような同梱物が効果的なのか」「こんな分析ができれば、もっと有効なCRM設計ができるはず」「施策イメージはあるが、実行できる人手が足りない」など顧客との関係性構築で少しでもお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
「リピート率改善についてまずは相談したい」
と考えている方へ
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