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ECの顧客体験とは?リピート率アップに欠かせないカスタマーエクスペリエンス (CX) の重要性

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CXイメージ

今、EC通販で生き残るには、店舗だけでなく“接客のECシフト”も必要です。
対面販売ではできない、EC通販ならではの接客術・顧客体験(CX)で
他社と大きく差をつけましょう。

リアル店舗でもEC通販でも、ものを売る上で重要となる顧客体験(CX=カスタマーエクスペリエンス)。店舗ではお客様と顔を合わせながらニーズを汲み取り、おすすめ商品を紹介することができたものの、EC通販ではそれができずに悩んでいたり、「リピート率・LTVをアップしたい」「自社商品のファンを増やしたい」とお考えではありませんか。

この記事では、
現代のEC通販における顧客体験(CX)の重要性
1人ひとりに最適な顧客体験を生み出すための方法
などについてご紹介します。

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店舗はECシフトしても、接客がECシフトできていないと‥

EC通販だからこそできる顧客体験を

コロナ禍よる、世の中のEC化率は高まるばかり。今後もEC通販が当たり前になればなるほど競争率も上昇し、自社のサービスの質が問われることになります。

1990年代後半から2000年代のEC通販黎明期、2010年のEC通販成長期を経て今、ECは単純にものを買うだけの場所ではなくなってきました。今までのように「何個売れたか」という点だけにこだわっていると、今後生き残りは厳しくなります。

このような状況下では、店舗だけでなく接客にもECシフトが求められています。しかしながら、EC通販での接客とは、具体的には何をすればわからないと悩まれる事業者も多いようです。

そこで当社ではまず「EC通販だからこできる、顧客体験」の提供を推奨しています。 顧客体験の提供とは、お客様が商品に興味を持ち、検討し、初回購入し、会員登録し、リピート購入し、購入した後まで、つまり購買に関するあらゆる過程において、お客様の期待を上回るような心理的・感情的な体験を提供することです。

MEMO:EC通販の成長

1995年にwindows95が発売されると、PCでのネット接続が身近なものとなり、インターネットの普及が始まりました。1996年には国内初の商用検索サイト「Yahoo!JAPAN」がスタート、97年にインターネット・ショッピングモール「楽天市場」がオープンし、2000年には「Amazon.cp.jp」が国内参入。書籍の販売からCD・DVD、家電、おもちゃ・ホビーなど取扱商品の幅を広げました。

情報を選ぶ時代では「1人ひとりに対するアプローチ」が大切

EC通販において、購入者は多彩なサイトやSNSから情報を大量に収集でき、意思決定の過程もリアル店舗やEC通販黎明期とは大幅に変化しています。

その中で、消費者が特定のショップで買い物したり、また継続的に利用したりする理由は、商品力もさることながら、そこで得られる個人的な体験や、家族や友人の口コミなど他者の体験が大きく影響していることがわかっています。

たとえば顧客体験の施策の代表例としてメルマガがありますが、もはや一斉配信メルマガでは開封すらされないことが多く、もう一歩踏み込んだアプローチが必要です。

消耗品なら購入者や使い切るタイミングで次回購入のアナウンスや割引クーポンをメール配信する、ある商品を何度も閲覧しているのにカートに投入されないなら「この商品を見た人はこんな商品も見ています」といったレコメンドメールを送信する、など1人ひとりに対するアプローチをすることが重要になってきます。

具体的な方法は後にご紹介するとして、まずは顧客体験について理解を深めていきましょう。

これまでの顧客体験とは?

客と店員

リアル店舗でのショップの価値

まず、EC通販のスタート前から黎明期にかけての顧客体験を見てみましょう。例えば、初めてキャンプに行く人が、テントを買う時の顧客体験とはどのようなものでしょうか。

EC通販がまだ浸透していなかった時代、購入者はアウトドア用品店のテント売り場へ行き、テントに触れたり実際に入ったりして使い心地を確認します。

寝袋なども一緒に買おうかと思い、店員に声をかけて初心者向けのテントや他に必要な商品について尋ね、必要なものを購入します。テントの組み立てや設置は、商品に同梱されている説明書を見ればわかると説明を受けました。

このとき、リアル店舗が提供している価値は「陳列」「使用感の確認」「商品選定アドバイス」「商品の購入」です。

2000年代から2010年代のショップの価値

EC通販が一般的となった2000年代から2010年代になると、購入者はGoogle検索で初心者向けのテント情報を解説する記事を探し、購入前の事前知識を身につけます。テントの他、河原など地面がゴツゴツした場所でも快適に寝るためには、テント内に敷くマットも必要だとわかりました。

その後、Amazonで「テント」と検索し、気になったテントの評価レビューをチェックすると高評価だったので安心してカートへ。同時購入を促すレコメンドにあったマットも一緒にカートに入れて購入完了しました。

このとき、店舗(Amazon)が提供している価値は「陳列」「(他者の)使用感の確認」「商品選定アドバイス」「商品の購入」で、このうち一部の価値は、店舗(Amazon)にアクセスする前に見たブログなどの情報サイトが担っています。

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リピート率アップに繋がる「これからのEC顧客体験」とは?

スマホを見る男性

2020年代、「情報を選ぶ時代」のショップの価値

そして2020年代。テントを求める購入者はまず、友達がInstagramに投稿したテント画像を見て気に入り、Google検索で初心者向けテント情報を掲載しているアウトドア用品店の公式サイトを探します。

いくつか見てから、テントの使い方が丁寧に解説されていたサイトに戻り、サイト内にあるテントの商品ページに移動して、評価レビューをチェック。高評価のテントをひとつ選んでカートに入れ、レコメンドされていたマットと寝袋も一緒にカートに入れて購入完了しました。

この商品購入だけをゴールとはせず、ここからの「顧客体験の提供」が今後ショップの価値を左右する腕の見せ所になります。

顧客体験STEP1:商品到着から1週間後~キャンプ準備編~

テント購入~キャンプ体験まで
  1. アウトドア用品店(初心者向けテント情報掲載)の公式サイトで、テントを1つ購入。
  2. 商品到着から1週間後、お店からメールが届いた。「今週末にキャンプに行く方へ、テントの組み立て方解説動画のご案内
  3. キャンプ当日、その動画を見ながらテントを組み立てたので、スムーズに楽しくキャンプができた。

顧客体験STEP2:キャンプ帰宅後すぐ~キャンプ経験編~

初回キャンプ帰宅後~次のキャンプまで
  1. キャンプから帰った翌週、またメールが届いた。「テントの組み立てでお困りはありませんでしたか?次回は小型ガスバーナーコンロも持って行って、キャンプご飯をもっと楽しみませんか?
  2. たしかに隣のテントでは、朝、美味しそうなコーヒーを淹れていて羨ましかった。
  3. さっそくキャンプ用品を、追加で3点購入した。

このとき、ショップが提供している価値は 商品購入にとどまらず、商品を手段として「キャンプを楽しむこと」を支援しているといえます。

このような一連の体験をすることで、ショップへの信頼が生まれるため、今後もこの購入者はキャンプ関連商品をこちらのショップで購入し続けることでしょう。

年代ごとに変容する「お客様から求められる価値」

このように、現代のEC通販に求められる価値はもはや「商品の購入」ではなく「顧客体験=CX(カスタマーエクスペリエンス)」。顧客属性データやサイトにおける行動データ、購買データやツールもととのい「商品を通して、お客様が求める体験を提供する」ことができるようになりました。

年代別の購入チャネルと主な提供価値の変化

チャネル 主な提供価値
1990年代 実店舗 商品を実際に見て購入
2000年代 EC通販 近隣の実店舗にない商品の購入
2010年代 EC通販 より便利に購入
2020年代 EC通販+メディア等 商品を通した顧客体験

※1990年代のEC通販黎明期、2000年代の成長期を経て、簡単・スピーディーに商品を購入できることが当然となった今、EC通販事業者に求められるのは、「商品を通した顧客体験の提供」です。

顧客体験のポイントは「全体最適化」と「One to One」

1人ひとりのニーズを汲み取った効果的な施策とは?

OnetoOneイメージ

CXの最大化を実現するには「全体最適化」と「One to One」が鍵となります。
たとえば「テントを買いたい」と一口に言っても、お客様のニーズは「家族でキャンプしたい」「友達とバーベキューをするための日除として使いたい」「冬に1週間の登山をしたい」など様々です。

しかしEC通販事業者が1人1人に対応することは難しく、どこまで全体的な案内を行い、どこから1人1人に寄り添った価値提供に切り替えるかを考える必要があります。

テントの例で言えば、評価レビューで家族キャンプでの感想ばかりを載せていると、冬山で使いたい人の参考にはなりません。一方で、点数の高いレビュー順に表示したり、平均点を表示したりすることで全体最適化を図ると、お客様1人1人にまでは寄り添えません。

理想的なのは、全体最適化を意識したわかりやすいページを構築しながらも、サイト内の家族キャンプのページを1分以上見ていたお客様には家族用テントの案内メールを送る。そのメールをクリックしたものの購入に至っていないお客様には割引クーポンと、そのお客様がクリックした家族用テントのカラーバリエーション画像も一緒に送るなど、特定のセグメントに対してピンポイントにOne to Oneのアプローチを行うやり方です。

MEMO:施策検討のポイント

どこまで全体的な案内を行い、どこからお客様1人1人に寄り添ったアプローチに切り替えるかを考え、設計していくことが重要です。


最適な施策を行うために、MAツール活用も

One to Oneのアプローチを実現するには、性別や家族構成などの属性データと、閲覧ページや購入履歴などの行動データの2つを細分化し、組み合わせていくことが必須となります。そのためマーケティングオートメーション(MA)ツールを活用するのもおすすめです。

サイト訪問履歴、顧客情報、会員登録、注文履歴などのオンラインのデータのほか、店舗会員情報や購買データなどオフラインのデータも統合して連携しながら活用することができます。ツールで施策を可視化、自動化することで運用の手間もカットできます。

ECサイトだけでなく、実店舗にも来ているお客様が多いならば、MAツールを使った顧客体験の提供をするのもよいでしょう。例えば実店舗購入のみの顧客リストにメールマガジンでクーポンを送って、ECサイトの案内をするなどスペシャル感のあるメッセージを送れば、ECサイトも併用して購入してもらう機会を作れます。

一度ECで購入していただくことで、利便性や品揃えの充実などを知っていただけるため、今後の購入機会の増加につながるでしょう。

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まとめ:事業成長にはEC通販ならではの顧客体験(CX)を!

オンラインショッピングイメージ

いかがでしたか。
店舗とは異なる、EC通販ならではの顧客体験について説明させていただきました。

お客様による情報取得方法が多様化し「情報を選ぶ時代」となった今こそ、EC通販事業者による顧客体験の提供は必須となってきます。

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