360通販note
物流 (輸配送)

モーダルシフトとは?進まない理由やメリット・デメリットを解説

 更新日 :
モーダルシフトとは?進まない理由

モーダルシフトとは、貨物輸送をトラックから鉄道や船舶の利用へ転換することです。2024年問題やドライバー不足、地球温暖化対策へ向けた企業のCO2排出量削減、SDGs(持続可能な開発目標)などで注目され、取り組む企業も増えています。

本記事では、モーダルシフトの概要をはじめ、転換が進まない理由、メリット・デメリットを紹介します。モーダルシフトへの取り組みを検討されている方は、ぜひご参考ください。

「物流についてまずは相談したい」
と考えている方へ

750社を超える通販支援実績をもつスクロール360は、
商材を問わず、幅広い事業者様より評価いただいています

\ 会社紹介資料はこちら /

資料ダウンロード

\ 無料相談・お見積はこちら /

お問い合わせ

モーダルシフトとは

モーダルシフトとは、トラック等の自動車での貨物輸送を、環境負荷の小さい鉄道や船舶へと転換することです。企業によっては、企業活動による環境負荷の低減を社会的責任として位置付けています。

モーダルシフト 図解(イメージ)

モーダルシフトは、1980年代に起こったオイルショックをきっかけに、石油の消費を抑制する政策において提言されました。現在は環境対策と労働力不足対策の政策として用いられています。

モーダルシフトが求められる背景

モーダルシフトは1980年代から存在していますが、時代に合わせ目的が変化していきました。近年モーダルシフトが求められるようになった背景を解説します。

モーダルシフト 背景(イメージ)
  • 政府の物流革新緊急パッケージ
  • 地球温暖化対策
  • 物流の2024年問題
  • 人手不足

政府の物流革新緊急パッケージ

物流革新緊急パッケージとは、2024年問題に対応するために制定された政策で、以下の3点から構成されています。

  • 物流の効率化
  • 荷主・消費者の行動変容
  • 商習慣の見直し

このうち「物流の効率化」においては「モーダルシフトの推進」が掲げられ、具体的には以下の2点が提言されています。

  • 鉄道・船舶の輸送量、輸送分担率を今後10年程度で倍増する
  • 大型のコンテナの利用拡大を促進する

鉄道や船舶の輸送量が増加すると、現状の輸送手段や輸送ルートから大きな変化が起きると考えられます。今後、企業のモーダルシフトへの取り組みがますます強化されていくと予想されます。
(参考:我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議|内閣官房ホームページ 物流革新緊急パッケージ(案)

地球温暖化対策

国土交通省によると、トラック輸送と鉄道・船舶輸送のCO2排出量を比較した場合、1トンの貨物を1km運ぶ(=1トンキロ)際に排出されるCO2の量を鉄道では91%、船舶では80%削減できると発表されています。

輸送手段 CO2排出量(1トンキロあたり 削減率
トラック216g
鉄道20g91%
船舶43g80%

(参考:物流:モーダルシフトとは-国土交通省

このようにモーダルシフトで輸送方法を転換することで、大幅なCO2排出量の削減が実現し、地球温暖化対策に有効です。

物流の2024年問題

物流の2024年問題とは、働き方改革関連法により、2024年4月から物流業界に生じる問題です。時間外労働の上限規制や、勤務間インターバル制度の導入などにより、ドライバーの働き方に影響が出る可能性があります。

2024年問題に対して何も対策を行わない場合、現状と比較した輸送力が2024年度には14%、2030年度には34%不足すると政府から発表されました。

人手不足

公益社団法人鉄道貨物協会によると、2028年度にはドライバーが27.8万人不足すると考えられています。

【2028年度のドライバー需要と供給予測】

ドライバー需要量約117.5万人
ドライバー供給量約 89.6万人
ドライバー不足数△約 27.8万人

(参考:公益社団法人鉄道貨物協会/平成30年度 本部委員会報告書 令和元年5月

労働環境の改善やシステムの導入、共同配送の実施など対策が取られていますが、ドライバー不足の問題は今後も続いていくと考えられます。

モーダルシフトのメリット

モーダルシフトを行うことにより企業が得られるメリットは、主に以下の4つです。

モーダルシフト メリット(イメージ)
  • 長距離輸送のコスト削減
  • ドライバー不足の解消
  • 企業のCO2排出量削減
  • モーダルシフト等推進事業の補助金

長距離輸送のコスト削減

一般的に輸送距離が長くなるほど、トラックよりも鉄道や船舶で輸送した方が運賃を抑えることができます。日本貨物鉄道株式会社によると、貨物列車26両分は10tトラック65台分に相当するため、長距離輸送になるほど輸送コストの削減が可能です。

一方で作業者や関わる人はトラック輸送よりも増えるため、近距離の輸送ではコストが高くなる可能性もあります。モーダルシフトを検討する際は、トラック輸送から鉄道・船舶に輸送方法を転換した場合のコスト試算を行うようにしましょう。

ドライバー不足の解消

モーダルシフトでは、トラック輸送と比べ一度に大量の貨物を運べるため、最小限の人数で輸送できます。その結果、ドライバーの労働時間が短縮され、労働環境の改善にも効果的です。

株式会社商船三井さんふらわあによると、モーダルシフトによりドライバーの運転時間が従来よりも6割〜9割短くなるとされています。

理由としては、フェリーなら乗船時間は休息時間に充てられ、シャーシ輸送を行うRORO船ならドライバーは港までの運送となり、従来よりも運転時間が大幅に短縮されるためです。

企業のCO2排出量削減

トラックで輸送していた距離をモーダルシフトで鉄道や船舶に置き換えることで、CO2排出量の削減が可能です。

政府は2050年までにCO2排出量と吸収量を均衡させ、CO2排出量を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指しています。カーボンニュートラル達成のために、企業が行える取り組みの1つとして、輸送時のCO2排出量の削減が有効と考えられています。

モーダルシフト等推進事業の補助金

モーダルシフト等推進事業とは、国土交通省が行うモーダルシフトを推進する事業です。条件を満たせば上限1,000万円の補助金を受け取ることができます。

モーダルシフトにより新しい輸送ルートを構築するには、設備投資にコストが発生する可能性があります。モーダルシフトを検討している企業は、モーダルシフト等推進事業の補助金を活用することも選択肢の1つです。

モーダルシフトが進まない理由・デメリット

モーダルシフトは地球温暖化対策やドライバー不足に有効ですが、進まない現状もあります。モーダルシフトが進まない理由とデメリットは、主に以下の4つです。

モーダルシフト デメリット(イメージ)
  • 貨物の輸送時間(リードタイム)の増加
  • 貨物の積み替え作業の発生
  • 利用範囲の限定
  • 天候不良による納期遅延の発生

貨物の輸送時間(リードタイム)の増加

モーダルシフトでは、トラック輸送に比べて輸送時間(リードタイム)が増える傾向です。たとえば、船舶では東京~北海道間、東京~博多間の輸送は最短でも3日間必要です。

近年は翌日配送が通常となってきており、リードタイムを短くすることが好まれる傾向もあります。モーダルシフトに切り替える場合は、貨物を受け取る荷受人に対し、従来よりもリードタイムが増えることについて理解を得るようにしましょう。

貨物の積み替え作業の発生

モーダルシフトにおいては、鉄道や船舶への積み卸しなどでトラック輸送に比べて貨物の積み替え作業が発生するため、貨物事故の発生リスクが懸念されます。

たとえば、不慮の事故による貨物の落下です。他にも、鉄道や船舶自体のトラブルにより電源が失われた場合、温度管理のできるコンテナでは温度が一定に保てなくなるため、コンテナ内のすべての貨物が廃棄となる可能性もあります。

貨物の保険をかけることで、万が一のリスクに備えた対策を行いましょう。

利用範囲の限定

モーダルシフトが行える条件は、確立された鉄道や船舶のルート内に自社の輸送ルートが存在していることであるため、利用範囲が限られる傾向があります。

モーダルシフトは長距離輸送でコスト削減効果が出ますが、短距離の輸送では逆にコストが高くなる場合も少なくありません。
自社の輸送ルートで活用できるモーダルシフトのルートを探すことが重要です。

天候不良による納期遅延の発生

台風の季節における船の運行遅延など、モーダルシフトでは天候不良により納期遅延が発生する可能性があります。鉄道では、天候不良により貨物列車の運行に影響が出ることも考えられます。

トラック、鉄道、船舶と複数の輸送方法を並行して活用すると、イレギュラー発生時のリスクヘッジにもなります。鉄道や船のスケジュールが遅れることも想定して、別の輸送方法も合わせて検討すると良いでしょう。

モーダルシフトに取り組む企業事例

モーダルシフトに取り組む企業事例を2つ紹介します。

モーダルシフト 企業(イメージ)
  • 鉄道輸送のモーダルシフト事例
    |ネスレ株式会社
  • 海上輸送のモーダルシフト事例
    |味の素株式会社

鉄道輸送のモーダルシフト事例|ネスレ株式会社

ネスレ株式会社では、従来のトラック輸送を鉄道コンテナ輸送に切り替えるモーダルシフトを行いました。具体的には、関東の工場から新潟の顧客まで、ペットボトルコーヒー飲料のトラック輸送を、鉄道コンテナ輸送に切り替えた取り組みです。

以前より新潟から関東までは、鉄道輸送にて米などの農作物を運んでいました。新潟から関東への輸送はコンテナに農作物が積まれていましたが、関東から新潟の輸送ではコンテナが空で回送されていたため、空回送のコンテナをペットボトルコーヒー飲料の輸送に活用しました。モーダルシフトにより、物流におけるムダも削減した事例です。

このモーダルシフトにより、CO2排出量は年間で21.9トン、従来よりも88%削減し、トラック輸送台数は30台削減する効果が出ています。令和3年度のグリーン物流パートナーシップ会議において、経済産業大臣賞も受賞しています。

海上輸送のモーダルシフト事例|味の素株式会社

味の素株式会社では、国内食品生産の体制を再編成することに合わせ、物流ネットワークも新しくしました。具体的には、生産拠点の三重から東北への輸送を、すべてトラック輸送からフェリーによる海上輸送に変更した取り組みです。

このモーダルシフトにより、CO2排出量は従来よりも73.8%削減し、1輸送あたりのドライバーの労働時間を88%削減しました。国土交通省が実施した令和4年度の海事局長表彰にて、海運モーダルシフト大賞を受賞しています。

まとめ:モーダルシフトで持続可能な物流を実現しよう

モーダルシフトとは、トラック輸送を鉄道や船舶に置き換えることです。企業のCO2排出量の削減やトラックドライバー不足、2024年問題へ対応できます。

実際にモーダルシフトを行ったネスレ株式会社や味の素株式会社では、CO2排出量やトラック台数の削減を実現した結果が出ています。持続可能な物流を実現するためにも、ぜひモーダルシフトの取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。

「物流についてまずは相談したい」
と考えている方へ

750社を超える通販支援実績をもつスクロール360は、
商材を問わず、幅広い事業者様より評価いただいています

\ 会社紹介資料はこちら /

資料ダウンロード

\ 無料相談・お見積はこちら /

お問い合わせ
物流代行(発送代行)
サービスはこちら

関連記事