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物流業界のSDGsへの取り組みとは?取り組み目標や事例、実現への課題を解説

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物流業界のSDGsへの取り組み

SDGs(エスディージーズ)とは、地球を守るための環境対策や、さまざまな境遇の人々が心地よく暮らせるように考えられた世界共通の目標のことです。

昨今「この会社はSDGsに配慮しているのだろうか?」と、企業の施策について関心を持つ消費者は増加傾向にあります。そのため、企業にとってSDGsに対する施策を考えることは必要不可欠になりつつあり、大きな課題といえるでしょう。

本記事では物流業界におけるSDGsの取り組みや事例、実現への課題を解説します。
SDGsに興味を持っているものの、具体的な施策にお悩みの方はぜひご覧ください。

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SDGsとは

SDGs(イメージ)

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の頭文字を取ったもので、
日本語に訳すと「持続可能な開発目標」という意味です。

環境問題や人権問題、貧困など世界中のさまざまな課題解決のための長期的な計画です。

持続可能な活動とは「将来まで続けていくことができる活動やシステム」のことで、「サステナビリティ」という言葉に置き換えて発信されることもあります。SDGsの達成期限は2030年までとなっており、この期間までをひとつの目安として世界中で取り組みが行われています。

物流業界におけるSDGsの課題と目標

物流業界とSDGs(イメージ)

SDGsの目標は全17のカテゴリーに分類されていますが、そのなかで物流業界に関連の深い課題を3点ピックアップして紹介します。

SDGs7番「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」

多くの人にとって無くてはならない電気やガス、石油などのエネルギーは、地球温暖化を加速させる要因の1つです。これらのエネルギーを大切に使うための物流業界の施策としては、ハイブリッド車や低燃費車の導入があげられます。

SDGs12番 「つくる責任つかう責任」

食品ロスや水不足、エネルギーの消費量に着目しているのが「つくる責任つかう責任」の項目です。物流業界の施策としては、サプライチェーンの効率化や業務内で使用する製品の省エネ化などがあげられます。

例えば、物流倉庫の照明をLEDにしたり、太陽光発電パネルを設置するなど、消費エネルギー量を減少させる施策などが考えられます。

SDGs13番「気候変動に具体的な対策を」

気候変動への対策として「脱炭素社会」を目指すこともSDGsの目標のひとつです。
二酸化炭素の排出量を抑えられると地球温暖化の抑止に繋がるため、さまざまな施策が考えられています。

物流業界では、エコドライブ運転(急なアクセルやブレーキの使用を控えること)を推奨することによって、二酸化炭素の排出減少を目指しています。またトラックで行われている貨物の輸送を鉄道や船舶へ転換する「モーダルシフト」も、脱炭素社会を目指すうえでは有効です。

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物流×SDGsの主な取り組み事例

物流業界の具体的なSDGsへの取り組みとして、以下の5つの施策を紹介します。

SDGs(イメージ)
  • 梱包資材の削減
  • ホワイト物流推進運動
  • 物流総合効率化法の改正
  • グリーン物流パートナーシップ
  • 共同配送

梱包資材の削減

物流の現場において梱包資材の削減や資材の切り替えは非常に重要な課題です。
安全に配送するためにはプラスチック製の梱包が必要なケースが多いですが、脱プラスチックの観点だと、できるだけ削減できるように考えていかなければなりません。

ホワイト物流推進運動

ホワイトな職場環境を実現することで、トラックドライバーの雇用を拡大する取り組みを
「ホワイト物流推進運動」と呼びます。

労働時間や待遇を改善することで、働き手を増やし安定的な物流を目指す取り組みです。ドライバーの雇用を拡大することで、女性や高齢の人でも活躍する場を得られるようになります。

物流総合効率化法の改正

2016年10月に施行された「改正物流総合効率化法」によって、物流業界に対する国からのサポートが手厚くなりました。物流業者が相互に協力して、物流の効率化や生産性の向上に取り組む際に、所定の条件を満たしていると「事業所の立ち上げ」「設備投資への補助」「規制の緩和措置適用」などのメリットがあります。

このように国が積極的に支援策を打ち出すことによって、物流の業務効率化に取り組む企業や荷主を増やし、サプライチェーン全体の環境を改善する狙いがあります。

グリーン物流パートナーシップ

物流の環境負荷の低減や、持続可能な仕組みを検討するために設立されたのが「グリーン物流パートナーシップ」です。効率的な配送方法や設備の省エネ化、二酸化炭素の排出を減らすさまざまな取り組みに関する情報を、グリーン物流パートナーシップ会議で共有しています。

共同配送

共同配送とは、複数の事業者が協力することによって積載効率を上げる施策のことで、エネルギーとコストの削減に繋がる施策です。SDGsの実現のためには、1社だけではなく業界全体の協力体制が欠かせません。

共同配送にはさまざまなハードルがあるのも事実ですが、国土交通省からの支援策も提示されているため、今後はさらに普及していく可能性があります。
(参考:国土交通省/連携による持続可能な物流に向けて

トラックドライバー×SDGsの取り組み事例

トラックドライバーの採用や業務におけるSDGsの取り組み事例を紹介します。

トラックドライバーSDGs(イメージ)
  • 質の高い教育
  • ジェンダー平等の実現

質の高い教育

トラックドライバーに対して質の高い教育を行うことで、交通事故の減少が期待できます。安全や品質管理に関わる研修を定期的に開催し、ドライバーの育成を行っていくことが重要です。また、スタッフの資格や免許取得に対して、企業側が支援していく取り組みも必要になります。

ジェンダー平等の実現

トラックドライバーのなかで、女性の割合は約2.5%と非常に少ない数字です。
男性が活躍することが多い職場環境ですが、女性管理職への登用・育成など、男女間で優位不利がないように配慮していく必要があります。一方で、男性でも育児・介護休暇を取りやすい会社の雰囲気作りも課題のひとつです。
(参考:国土交通省/トラック運送業の現況について

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物流業界がSDGsを実現するためには?

物流業界におけるSDGs実現のポイントは以下の3点です。

  • 情報の可視化
  • 作業内容のマニュアル化
  • 社内での情報共有

情報の可視化

物流業界でSDGsをさらに推進させるためには、情報の可視化が欠かせません。
さまざまな課題をどのようなアプローチで解決すべきか判断するためには、情報を集めたのちに正しく分析することも重要です。

自社で行っている施策を広く開示することで、より良い方法が見つけられたり、社内のモチベーションがアップしたりするなど、目標が達成できる可能性は高まります。

作業内容のマニュアル化

SDGsに欠かせないのは、さまざまな業務の効率化です。作業をマニュアル化して、効率の良い作業環境を整えることで、無駄な資源を減らすことが可能です。

例えば、分かりやすいオペレーションを構築することによってミスが減ると、伝票や梱包に使う資材の無駄がなくなります。環境に配慮できるだけではなく、コスト削減にも繋がります。

社内での情報共有

企業のトップやSDGsの施策を担う担当部署だけが内容を熟知していても、実現は難しくなります。企業全体でSDGsへの関心を高めることで、できるだけ多くのスタッフに協力してもらうことが重要です。

まとめ:SDGsは物流業界の大きな課題

SDGsは、世界中のすべての人が協力して参加していかなければならない大きな課題です。
物流業界における施策は数多くあるため、今後も各事業者やスタッフが真摯に課題に向きあうことが重要です。

SDGsに配慮した資材や物流業務の効率化などにお悩みでしたら、外部のプロへのアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。当社にもお気軽にご相談ください。

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