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物流業界の人手不足問題の原因とは?現状や対策をわかりやすく解説

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物流業界の人手不足問題の原因とは?現状や対策をわかりやすく解説

労働力の需給ギャップに悩む業界の中でも、物流業界の人手不足は顕著です。
リクルートワークス研究所は、2040年には1,100万人余りの労働者が不足し、特にドライバーについては労働需要に対する不足率が24.2%に及ぶとの試算を出しました。
(参考:リクルートワークス研究所/未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる

現状でも、人手不足による労働力コストの上昇を見越して、大手宅配便業者が配送料の値上げを行うなどの影響が出ています。
本記事では、物流業界の現状や人手不足の原因を紐解き、対応策について解説します。

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物流業界の現状

経済産業省の調査によると、2021年の消費者向けEC市場の規模は20.7兆円でした。

これは、経済が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける前である、2019年の市場規模を超えるものです。また、国土交通省が公表した2021年度の宅配便取扱個数は49億5,323万個で、対前年度比2.4%の増加となっています。

物流業界の現状(イメージ)

こうした需要増加を受け止めるには人手が必要ですが、物流業界の人手はむしろ減少しています。

トラックドライバーの有効求人倍率(求職者1人に対する求人の数)は、2022年では2倍前後の高い水準で推移しており、求職者よりも求人数が多い状態が続いています。
さらに、2024年4月からは、働き方改革関連法によってドライバー1人あたりの時間外労働時間が年間960時間に制限されます。
(参考:国土交通省/令和3年度 宅配便取扱実績について厚生労働省/統計からみるトラック運転者の仕事

長時間労働が常態化している物流業界の現状を変えるための法改正ですが、ドライバー1人の労働時間が減れば走行距離が短くなり、長距離輸送に多大な影響が出ることが予想されます。1日に配達できる量も確実に減少するため、物流業界の売上やドライバーの収入にも影響が及ぶでしょう。

これらの問題はまとめて「物流2024年問題」と呼ばれ、物流業界を揺るがす大きな問題として広く認識されています。

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物流業界の人手不足の原因

物流業界の問題の根源ともいえる人手不足の改善に向けた対応策を知るためには、まず人手不足の原因について把握することが重要です。
人手不足の深刻化には、下記の4つの理由があると考えられています。

物流業界の人手不足(イメージ)
  • 少子高齢化
  • 低賃金
  • 長時間労働
  • 物流業界・業務へのマイナスイメージ

少子高齢化

日本では、国全体で出生率が低迷して人口が減少し、少子高齢化が進行しています。
これに伴い、就業者と失業者を含む15~64歳の「働ける人の数」を示す生産年齢人口も減少しました。

政府の試算では、2065年の生産年齢人口は約4,500万人で、2020年と比べて約2,900万人の減少となる見通しです。2065年には65歳以上の老年人口が約4割、生産年齢人口が約5割となり、少子高齢化がさらに進むことが予想されています。

労働者全体の45.3%が45~49歳という年齢構成で、元々他業界に比べて年齢層が高い傾向があったドライバーの高齢化もさらに進み、若年層が獲得できない限り人手不足の加速は止められそうにありません。
(参考:内閣府/人口減少と少子高齢化厚生労働省/統計からみるトラック運転者の仕事

低賃金

長時間・長距離の運転や、重い荷物の積み込み・運搬など、ハードワークであるにもかかわらず給与が低いことは、物流業界に人が集まらない理由の1つです。

実際には年齢が若いうちは他業界に遜色ない給与が支払われています。しかし、年齢が上がっても給与の上昇幅は小さく、40歳以上になると国内平均を下回ってしまうのです。40歳以上といえば、子供の教育などにお金がかかる時期であり、老後を見据えて収入を増やしたいと考える人も増えてきます。

そうした変化に応えられないことが、いわゆる働き盛りといわれる年代の離職につながり、さらに全体の平均年齢を押し上げるという悪循環を生んでいるのです。

長時間労働

厚生労働省によると、トラックドライバーの労働時間の年間平均は大型トラックのドライバーで2,544時間、中小型トラックのドライバーで2,484時間でした。全産業の労働時間の年間平均は2,112時間ですから、明らかに長時間労働が常態化しているといえます。

家族との時間を取るためにワークライフバランスを重視する若年層にとっても、次第に体力が衰えてくる中高年層にとっても長時間労働は厳しく、就職・転職の対象から外したり、離職する原因になっています。
(参考:厚生労働省/統計からみるトラック運転者の仕事

物流業界・業務へのマイナスイメージ

企業に雇用されている労働者を、着ている服の色のイメージで分けるのが「ホワイトカラー」「ブルーカラー」という分類です。

ホワイトカラーは、白いワイシャツを着て仕事をするイメージから、事務職や企画・開発職、営業職といった仕事が該当します。ブルーカラーは、青い襟の作業着からイメージされる、工場や建設現場などで働く作業員や技術者のことです。

一般的にブルーカラーは肉体労働で、身体的負担が大きく体力勝負の仕事でのため「きつい」「つらい」といった先入観から就職・転職を敬遠する人が少なくありません。物流業界にもブルーカラーとしてのマイナスイメージが定着している部分があり、下記のようなイメージを持たれていることが多いといえます。

<物流業界の労働に対するイメージ>

  • 長時間労働で休みも取りづらく、肉体的にきつそう
  • 重い荷物を運ぶため、肩や腰への負担が大きい
  • 交通事故などの危険があって怖い
  • 働く環境がきれいとはいえない
  • 男性社会で、女性の労働者は働きにくそう

このようなネガティブなイメージを払拭し、IT導入や意識改革で是正が進む物流業界の現状を知ってもらおうと、国土交通省が主体となって「ホワイト物流」推進運動を進めています。

ホワイト物流推進運動が目指すのは、トラック輸送の生産性向上と物流効率化、および性別や年齢を問わず誰もが働きやすい労働環境の実現です。こうした運動で、どこまで物流業界に対する既成概念を変えられるかが今後の分かれ道になるでしょう。

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物流業界の人手不足への対応策

状況の改善に向けて進むホワイト物流推進運動に参加するほかにも、人手不足への対応策はあります。現場でも、下記の8つの対策であれば、実践することが可能です。

物流業界の人手不足への対応策(イメージ)
  1. 物流システムの活用
  2. 物流ロボットの活用
  3. 労働環境の改善
  4. 採用する人材の対象拡大
  5. モーダルシフトの導入
  6. 共同配送の実施大
  7. 人材派遣・紹介サービスの活用
  8. 物流アウトソーシングの活用

1. 物流システムの活用

人の手と目をフル活用する物流作業は、どうしても担当者の負担が大きくなります。
そこで、これまで人が手掛けていた作業を物流システムに代替させることで、効率化を図ることができます。

物流システムは、物流で行われる輸送・保管・梱包・情報管理などの業務プロセスを一元的に管理し、最適化するシステムで、これを導入すると配送状況・在庫状況・荷物の現在地などを可視化できると共に、物流業務をスピーディーかつ正確に管理できます。

作業の質の標準化にもつながるため、人員配置の苦労も軽減します。担当者一人ひとりの負担が減るため、正確性の向上も期待できます。ただし、一定の導入コストとランニングコストの負担は覚悟しなければなりません。

2. 物流ロボットの活用

ピッキングや仕分け、搬送といった肉体労働的な単純作業を、物流ロボットに代替させることも有効な手段です。

物流ロボットには、決められたルートを計画どおりに走行して搬送を助けるAGV(無人搬送車)や、周りにいる人や物を察知して走行ルートを決めるAMR(自律走行搬送ロボット)などがあります。

物流システム同様、導入コストと維持管理のためのランニングコストはかかりますが、担当者の負担軽減には非常に効果的です。

3. 労働環境の改善

物流業界に対する、ネガティブなイメージを払拭することも重要です。
倉庫や施設の環境を清潔に保つとともに、「働き方」そのものの改善に取り組みましょう。

例えば、下記の3つのような取り組みは有効だと考えられます。

フレックス制や時短勤務、リモートワークなど、多様な働き方の導入

長時間労働は、物流業界への就職・転職をためらう大きな原因となります。
育児や介護と両立しながら働きたい人や、ワークライフバランスを重視する人でも働きやすいよう、フレキシブルに働き方の選択ができるような制度づくりを進めるといいでしょう。

社内託児所の導入

子供を預ける保育所がないことがネックとなって、就労を諦めざるを得ない女性は少なくありません。社内託児所を設けることで、育児をしながらでも社会とつながっていたい、働き続けたいと願う女性を多く受け入れることができます。

優秀な女性が戦力になることで、人手不足解消の一助となるほか、社内にこれまでとは違うアイディアや考え方が生まれることも期待できます。

給与や休日の増加

ほかの業界と同等、もしくはそれ以上の労働条件にするのも有効な方法です。
まずは、2024年に適用される働き方改革関連法に対応するため、基本給の改定や休日・休暇の増加を検討することをおすすめします。

4. 採用する人材の対象拡大

人手不足を解消するため、まずは応募の母数拡大を目指しましょう。考えられる手法には、募集媒体の変更や追加、採用対象の拡大があります。

これまでハローワークやタウン誌、折込チラシなどで募集をかけていた企業は、WEB求人サイトなどに媒体を拡大すれば、従来とは異なる層にアプローチすることが可能です。また、重労働かつハードワークであることから男性を採用対象としがちですが、視野を広げて女性や外国人労働者も受け入れるようにすると母数拡大が見込めます。

国土交通省の調査によると、運輸業における女性の就労率は他業界に比べて大幅に低くなっていますが、女性が担当しやすい業務もあるはずです。
固定観念にとらわれず、柔軟な採用戦略を採用することも人手不足解消には効果的です。
(参考:国土交通省/運輸業の労働者をめぐる状況

5. モーダルシフトの導入

環境への配慮から、トラックなど二酸化炭素排出量の多い手法である貨物輸送を見直し、環境負荷の少ない鉄道や船舶を利用した輸送へと転換する「モーダルシフト」が進んでいます。

モーダルシフト(イメージ)

モーダルシフトを導入すると、一度に運べる荷物が多くなり、輸送に必要な人員が少なくなります。

環境改善はもちろん、ドライバー不足解消につながる一手として検討したい手法です。


6. 共同配送の実施

共同配送は、複数の運送業者が1つのトラックやコンテナを共同利用して配送することです。同一エリアに運ぶ荷物をまとめることで、トラック1台あたりの積載量が上がって無駄がなくなり、少ないドライバーでも対応できるようになります。

7. 人材派遣・紹介サービスの活用

採用活動にあたっては、応募者との細かな調整をすべて任せられる人材派遣・紹介サービスを利用するのも有効です。面接日程調整、ニーズのヒアリング、合否連絡といった面倒な作業を切り離せるため、採用担当者の負担が減り、より効率的に採用活動を進められます。

8. 物流アウトソーシングの活用

物流工程そのものを、外部の専門業者にアウトソーシングすることも人手不足解消につながる効果的な手段です。

アウトソーシングする方法には、人員確保がままならない繫忙期や月末、大量の荷物の運搬が予想される期間だけスポット的に利用する方法と、継続的に物流業務を委託する方法があります。自社の状況に応じて、適した方法を選びましょう。

物流アウトソーシングは、業務コストが下げられるだけでなく、高い技術と豊富な知識を持ったプロフェッショナルに業務を一任できる信頼性の高さもメリットです。
「宅配件数の増加に対応できる優れた人材を雇用したいが、常時雇用しておく余裕はない」「さまざまな工夫をしても、今一つ業務の効率化が図れない」といったときにも有効です。

まとめ:物流業界の人材不足に備えて、自社に合った対応を

人手不足は、何も手を打たなければ今後も拡大していくことが明らかで、物流業界には早期の対策が求められます。上記で紹介した方法を参考に、2024年問題による影響に備えましょう。

自社での対策が難しいときは、物流業務を丸ごと任せられる物流アウトソーシングがおすすめです。スポット的な利用か、長期・継続型の利用か、自社の状況に合った物流アウトソーシングの方法を見つけてください。

当社では、自社物流における人材不足に悩むEC通販企業に向けて、効果的なアウトソーシングサービスをご提案しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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