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返金対応とは?返金処理の流れや注意点、返金が必要なケースを解説

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返金対応とは?処理の流れや注意点

返金対応とは、ECサイトで発生する、購入商品の返品・欠品・キャンセルにおいて、
「購入代金を返金する対応のこと」を指します。すべての返金依頼に対応していると、通常業務を圧迫する恐れがあるため、返金対応をするか否かの判断も重要なポイントです。

本記事では、返金対応の概要や流れに加え、返金対応すべきケース・しなくても良いケースを紹介します。返金対応の担当者の方はぜひご覧ください。


返金対応とは

返金対応とは、消費者が何かしらの事情で購入した商品を返品する際、その商品の購入代金を返金する対応のことです。

返金対応(イメージ)

実店舗では現金での支払いが多く、店舗が直接現金で返金することも可能ですが、EC通販ではクレジットカードの利用が多い傾向にあり、この場合は、カード会社を通じて返金対応をしなければなりません。

消費者からの返品を受け付け、キャンセル処理をした後に、カード会社から消費者に返金されるため対応に時間が必要になることも消費者に伝えなければなりません。

返金対応の流れ(クレジットカード決済の場合)

消費者がクレジットカードで購入した商品を返品し、EC通販事業者が返金対応をする場合、以下のような流れになります。

返金対応の様子(イメージ)
  1. 事実確認をする
  2. お詫びをする
  3. 返品された商品の状態を確認する
  4. 返金処理をカード会社へ依頼する
  5. 利用者のクレジットカードに返金される
  6. 正しく返金されたかを確認する

1. 事実確認をする

返金対応をする際、まずは「消費者が購入した商品の返品を受け付けるかどうか」を判断するために、商品の状況や返品理由などの細かい確認が必要です。

たとえば、商品に初期不良がある場合は、返品・返金を受け付ける必要がありますが、消費者の使い方によって、破損が生じたり、返品不可になった商品の場合は、返品を受け付ける必要がなくなります。このように、状況によって返品・返金を受け付けるかどうか異なるため、商品の状況確認に加えて消費者の主張に対する事実確認が重要です。

2. お詫びをする

商品の状況確認や事実確認を終え、返品・返金を受け付けると判断した場合、消費者へのお詫びが必要です。返品・返金を受け付ける場合は、EC通販事業者側の不備が原因であることが多いため、はじめにお詫びを伝えることが重要です。

基本的にはメールでお詫びをして、返品・返金を受け付ける旨と謝罪の意を伝えましょう。把握できている場合は、返金が完了する日程を含めたスケジュールを伝えられると、消費者の安心に繋がります。

3. 返品された商品の状態を確認する

お詫びのメールを送り、返品・返金を受け付ける旨を伝えたら、返品された商品を必ず検品します。その後、不備内容がわかる状態にして商品を保管する倉庫やメーカーへ返送します。商品の受け取りや検品結果などは消費者にメールで伝え、今後の流れを説明すると丁寧です。

4. 返金処理をカード会社へ依頼する

EC通販事業者はクレジットカード決済をした方への返金ができないため、カード会社に対応してもらう必要があります。そのため、商品の検品をして倉庫やメーカーへ返送し終えたら、カード会社へ返金処理を依頼します。

5. 利用者のクレジットカードに返金される

クレジットカードの返金は、基本的にカードの支払い予定金額のなかで相殺されるため、現金を振り込む必要はありません。ただし返金処理のタイミング、カード会社の締め日によっては返金のタイミングが変わってくるので注意が必要になります。

<締め日が1/15・支払日が翌月2/10>
※5,000円の商品に対する返金依頼をする場合

  • 返金処理が、1/15までに行われた場合:
    1月の利用額が合計で35,000円の支払いが確定している状況であれば、2月の支払い金額と返金額(5,000円)が相殺されて2月の支払い残高が30,000円に減額
  • 返金処理が、1/16以降に行われた場合:
    一旦2/10に支払われ、翌々月3/10に同内容で相殺

6. 正しく返金されたかを確認する

消費者は、クレジットカードの明細などで正しく返金されているか確認することができますが、EC通販事業者からも消費者へ適切に返金されたことを確認する必要があります。返金予定の金額が支払予定額よりも多い場合など、特別な事情がある場合はカード会社から現金をクレジットカードの登録口座に振込対応する場合があるので、その旨も消費者に伝えましょう。

返金対応が必要なケース

消費者からの返金依頼にすべて対応する必要はありませんが、一般的に以下のケースは返金対応に応じる必要があります。

返金対応(イメージ)
  • 商品に破損や初期不良がある場合
  • 返品特約を表示していなかった場合
  • 配達予定日に商品が届けられなかった場合
  • 購入していない商品が届いた場合

商品に破損や初期不良がある場合

消費者へ届いた商品に破損や初期不良がある場合は、返金対応が必要になります。消費者から返品された商品を検品し、原因を究明することで破損や初期不良の削減・予防に繋がります。

初期不良はEC通販事業者ではなくメーカーの不備であることが多く、EC通販事業者はメーカーに報告をしたうえでの返品・返金対応が必要です。

商品の破損は輸送中に起こる可能性も高く、破損しやすい商品は丁寧に梱包しなければなりません。梱包をしたうえで、取扱注意のような表示を梱包に行うことで、配送業者に注意を促す方法もおすすめです。

返品特約を表示していなかった場合

消費者が購入した商品に返品特約が表示されていなかった場合、返金対応が必要になります。EC通販の場合は、消費者向けの販売でもクーリング・オフは適用されません。

EC通販事業者が商品紹介ページで返品不可という文言や返品可能な条件などを明記している場合は、記載している内容通りの対応をすれば問題ありません。このような表示を返品特約といい、返品に対するルールを自社で定めて消費者へ周知しておくと、返品の対応をする必要はありません。

配達予定日に商品を届けられなかった場合

消費者が指定した希望日時に商品を届けられなかった場合も、返金対応が必要になるケースがあります。配達予定日までに商品を届けられない原因としては、以下の3点が考えられます。

  • 配達伝票の記入ミス
  • 自然災害や交通状況による遅延
  • 指定配送業者から協力業者への委託ミス

万が一、配達予定日までに商品を届けられなかった場合でも、消費者が問題なく商品を利用できる場合には返金対応をする必要がありません。ただし、配達予定日までに届けらないことで、消費者が商品を利用できなくなった場合は、返金対応が必要です。

特にクリスマスケーキやおせち料理など、一定期間内でないと価値がなくなるものを購入していた場合は、消費者側から催告をすることなく、契約を解除して返金を求めることができると法律で定められています。(民法542条1項4号参照)

配達に関する問題は消費者に非がないため、EC通販事業者は丁寧に謝罪をしたうえで返金や返品の対応をする必要があります。

購入していない商品が届いた場合

消費者が購入していない商品が届いた場合も、返金対応が必要になります。
返金対応を求められる原因として多いのは、定期購入品を間違えて注文しているケースです。1度だけ購入するつもりで注文したにもかかわらず、2回目以降が送られてきたことがクレームとなり、返金を求められることがあります。

消費者が間違えて定期購入を注文しないように、商品ページのわかりやすい位置に定期購入と記載しておくと返金トラブルの防止に繋がります。

返金対応が必ずしも必要ないケース

必ずしも返金が必要ないケースは、以下の2つです。

返金対応(イメージ)
  • 初期不良があったものの
    良品を送ることで対応した場合
  • ECサイトに返品不可と記載されており
    初期不良がない場合

初期不良があったものの良品を送ることで対応した場合

消費者が購入した商品に初期不良があったものの、新しく商品を送り直すことで対応する場合は、返金の必要はありません。ただし、良品を送ることで対応する場合でも、商品に初期不良があることはEC通販事業者の不備になるため、まず謝罪しましょう。

謝罪をしたうえで、消費者に良品を送る対応で良いと了承を得てから商品を送り直します。
良品を送り直すことに了承を得られない場合は、返品や返金の対応が必要になるため、注意が必要です。

ECサイトに返品不可と記載されており初期不良がない場合

ECサイトの商品ページに返品不可と記載されており、商品に初期不良がない場合はEC通販事業者に不備がないため、返金の必要はありません。ECサイトに返品不可と記載されている商品を購入する場合、返品できないことに同意していることになります。

ただし、小さく返品不可と書いていると、クレームにつながる可能性があるため、トラブルを回避するためにも見やすい箇所に記載することをおすすめします。

クレジットカード以外の返金方法

ECサイトで商品を販売している場合、クレジットカード以外の支払い方法で購入する消費者も少なくありません。クレジットカード以外の支払い方法には、以下の4つがあります。

  • コンビニ支払い
  • 代引き支払い
  • 後払い
  • 銀行振込

上記の支払い方法を用いる場合、クレジットカード決済とは異なる方法での返金対応が必要となるため注意が必要です。基本的にはシステム上での決済ができないため、電話やメールなどで消費者の銀行口座情報を聞き、そこへ振り込むことで返金対応をします。

この場合、情報がひとつでも足りないと正しく振り込みが出来ず、再度連絡の手間が発生する可能性があるため、あらかじめマニュアルを作成し、正確な情報が入手できる仕組みを作っておきましょう。

返金対応する際の注意点

返金対応をする際には、以下の2点に注意が必要です。

返金対応の注意点(イメージ)
  • クレジットカード返金対応は時間がかかる
  • 通常業務を圧迫する恐れがある

クレジットカード返金対応は時間がかかる

クレジットカードの返金対応は、即日でできることではなく、時間がかかるため注意が必要です。クレジットカードへの返金は、消費者から返送された商品を確認してからカード会社に返金処理を依頼する流れになるため、まず商品が返送されないと対応ができません。

そのため、消費者から
「返金依頼を受けてから商品を受け取るまで」と、
「商品を受け取ってからカード会社が返金対応をするまで」の
それぞれでタイムラグが発生します。

通常は、返金が行われるまでに1ヶ月程度、時間がかかると2ヶ月程度必要となることもあります。クレジットカードの返金対応をする際には、返金に時間がかかることをあらかじめ消費者に伝えるとトラブルを防ぐことができます。

通常業務を圧迫する恐れがある

返金対応に関するノウハウを十分に持ち合わせていないEC通販事業者の場合、以下のようなリスクが発生し、通常業務を圧迫する恐れがあります。

  • 1件ごとの処理に時間がかかり、返金に要する時間も余分にかかる
  • 銀行振込やコンビニ支払いの場合は、返金時に消費者の銀行口座情報も必要となり、
    返金対応が複雑化する
  • 返金特約を表示していない場合、返金が必要な注文が増え、返金処理が追い付かない

通常業務を圧迫しながら返金対応をしていると、対応が雑になり返金にミスが発生し、クレームに繋がる可能性があります。そのためにも、返金対応をするスタッフの雇用や返金対応が起きない仕組み作りが必要です。

まとめ:返金対応をスムーズできる体制を整えよう

返金対応とは、消費者が何かしらの事情で購入した商品を返品する際、返品商品の購入代金を返金する対応のことです。消費者から返金を求められた場合は、対応すべきか否かを判断し、効率的に対応できる仕組み作りが重要です。返品・返金を受け付けると判断した場合は、しっかりと消費者へお詫び気持ちを伝えましょう。

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