後払い決済は、消費者が商品を受け取ったあとに料金を支払う決済方法です。現在、さまざまなEC通販事業者が後払い決済サービスを導入して、対応できるようにしています。
後払い決済サービスを導入することで、自社による後払い決済の業務負担を削減できますが、サービス選びを誤ってしまうと、反対にコスト負担が大きくなるため注意が必要です。
本記事では、ECサイトの後払い決済について、仕組みや導入メリット、注意点を紹介します。サービスの選び方についても詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「後払い決済についてまずは相談したい」
と考えている方へ
750社を超える通販支援実績をもつスクロール360は、
商材を問わず、幅広い事業者様より評価いただいています
1ECサイトの後払い決済とは?
後払い決済は、消費者が商品を受け取ったあとに、料金を支払う決済方法です。商品と一緒に請求書が届き、コンビニや郵便局などで決済する仕組みになっています。EC通販事業者は、後払い決済のサービス会社と契約することで、後払い決済への対応が可能になります。
現在、後払い決済の需要は高まっており、「株式会社日本能率協会総合研究所」の調査によると、2021年度に9,000億円だった市場規模が、2027年には3兆3,000億円まで伸びると予測されています。
今後市場が成長すると予想されていることから、後払い決済の需要もより一層高まると考えられます。後払い決済によって、クレジットカードを持たない消費者にも販売範囲を広げられるため、売上の向上が期待できます。
後払い決済の仕組み
後払い決済サービスを利用すると、以下のような流れで決済処理が行われます。
- 後払い決済を選択して商品を購入する
- 注文を確認した後、EC通販事業者は後払い決済のサービス会社に連絡し、与信確認を行う
- 与信確認で問題なければ、EC通販事業者は商品と請求書(振込書)を消費者へ発送する
- 後払い決済のサービス会社は購入商品の料金を立て替え、EC通販事業者へ入金する
- 購入商品と請求書(振込書)が届いた消費者は、コンビニや郵便局で料金を支払う
- 消費者から支払われた料金を後払い決済のサービス会社が受け取り、決済が完了する
上記のように、消費者が料金を支払う前に、EC通販事業者側へ入金される仕組みになっています。
2消費者がECサイトの後払い決済を選ぶメリット
消費者がECサイトの後払い決済を選ぶメリットとして、以下の4つがあります。
- 安心して購入できる
- クレジットカードがなくても購入できる
- 自分のタイミングで支払いができる
- 支払い情報の入力作業がいらない
安心して購入できる
後払い決済では届いた商品を確認してから料金を支払うことができ、「支払ったのに商品が届いていない」などのトラブルがなくなるため、安心して購入できます。
また、後払い決済は請求書による支払いができることから、クレジットカード払いによる情報漏えいに不安がある人でも、購入しやすくなります。
クレジットカードがなくても購入できる
後払い決済によって、クレジットカードを持たない人も現金さえ持っていれば、購入が可能です。年齢や年収などを理由にクレジットカードを持てない人や、不正利用が心配でクレジットカードを持たない人でも、ECサイトでの購入を楽しむことができます。
自分のタイミングで支払いができる
商品が届いてから、自分のタイミングで支払いができるため、すぐに現金が用意できないときでも、安心して購入ができます。「人気商品を売り切れてしまう前に購入しておきたい」といったときも、問題ありません。
支払い情報の入力作業がいらない
後払い決済ではクレジットカードのように、カードを取り出して支払い情報を入力する必要がないため、手間をかけずスムーズに商品を購入することができます。
後払い決済を選択するだけで簡単に購入ができるため、カード情報の入力が困難な状況(外出中や移動中)などでも、スマートフォンから買い物を楽しむことが可能です。
3EC通販事業者が後払い決済を導入するメリット
EC通販事業者が後払い決済を導入するメリットとして、以下の4つがあります。
- カゴ落ちが防止できる
- 売上の向上が期待できる
- 未回収リスクを軽減できる
- 業務負担を削減できる
カゴ落ちが防止できる
後払い決済は、カートに商品を入れたあとに離脱される「カゴ落ち」を防ぐことができます。クレジットカード支払いの場合は、カード情報の入力に手間がかかることが原因でカゴ落ちが発生する可能性があります。
また、決済方法が限られていると、利用したい決済方法がないことが原因で、購入を諦めるケースも少なくありません。後払い決済を導入し、入力の手間を軽減して決済方法の選択肢を増やすことで、購入の途中離脱を防ぐことができます。
売上の向上が期待できる
後払い決済が利用できないことで商品の購入を諦めてしまう消費者も取り入れることができるため、売上の向上が期待できます。
一般的に後払い決済の利用者層は、以下のような傾向があります。
- クレジットカードを持たない層
- クレジットカードの利用に不安を感じる層
- 電話やFAXの注文が多く、後払いに慣れている層
上記のような消費者へもアプローチできるため、購入数を増加することが可能です。
未回収リスクを軽減できる
未回収リスクのない債権保証型の後払いサービスを導入すると、後払い決済のサービス会社が代金を立て替えるため、代金未回収による損失がなくなります。さらに未回収の発生による督促業務などもなくなるため、業務効率化につながり売上も確保できます。
業務負担を削減できる
後払い決済では以下の業務が発生しますが、後払い決済サービスの導入によって業務負担を削減できます。
- 与信審査
- 請求書の発行
- 代金回収
- 未払いの消費者への対応
上記はスキルやノウハウが必要な業務のため、自社で行うと膨大な工数が発生します。
特に与信審査は、迅速かつ高精度であることが求められており、審査システムの構築に膨大な時間とコストが必要です。
後払い決済サービスを導入して業務を委託することで、負担が削減できるだけでなく、対応品質の向上にもつながります。
4ECサイトの後払い決済サービスの選び方
ECサイトの後払い決済サービスは、以下の7点から選ぶことがポイントです。
- 利用料金で選ぶ
- 上限金額の柔軟さで選ぶ
- 入金サイクルで選ぶ
- 審査スピードで選ぶ
- 債権保証型かどうかで選ぶ
- 自社システムと連携のしやすさで選ぶ
- 実績で選ぶ
利用料金で選ぶ
後払い決済サービスは、料金がサービス内容と見合っているかで選びましょう。
後払い決済サービスの利用料金は、一般的に月額料金と決済手数料の合計で決まります。複数の料金プランが用意されている場合もあり、サービス内容によって料金が異なります。
また、取引先の自動登録や、請求書の同梱作業が追加オプションで提供されているケースもあり、この場合は追加料金を支払うことで利用が可能になります。
利用料金は、自社で必要なサービス内容と優先順位を洗い出し、それに対応できる後払い決済サービスを選ぶことが重要です。料金体系は会社毎に異なるため、正確に把握しましょう。
上限金額の柔軟さで選ぶ
後払い決済サービスでは、未払いリスクを最小限にする対策として、1回あたりの取引金額の上限が決まっています。
しかし、家具や家電など高単価な商品を取り扱うECサイトでは、利用上限額を上回ってしまうことで、購入できなくなることがないように注意が必要です。1番高い商品価格と取引額の上限は必ず比較しましょう。
入金サイクルで選ぶ
後払い決済のサービス会社による入金は、消費者の与信審査が通ったタイミングではなく、「月末締め翌月末払い」のように指定された日にまとめて支払われることがほとんどです。
サービス会社によって締め日と入金日が異なるため、自社のキャッシュフローも考慮して選びましょう。また、入金サイクルのスパンを短くできるオプションを用意している後払い決済サービスも、必要に応じて利用を検討しましょう。
審査スピードで選ぶ
消費者が購入画面で離脱しないようにするには、注文時にすぐ審査結果が出るリアルタイム与信のサービスを利用することが効果的です。後払いの審査スピードが早いほど顧客満足度の向上やリピート購入にもつながります。
債権保証型かどうかで選ぶ
後払い決済の場合、消費者が商品購入後に支払わないトラブルが起きる可能性があるため、消費者が支払いをしなかった場合の売上を保証する「債権保証型」のサービスがあります。
この場合、後払い決済のサービス会社が商品の料金を立て替えるため、自社の未回収による損失を防ぐことができます。
自社システムと連携のしやすさで選ぶ
自社で利用しているシステムに、後払い決済サービスが対応可能かどうかも事前に確認しましょう。連携できない決済サービスを導入してしまうと、自社システム(ショッピングカートや顧客管理システムなど)の改修や、導入し直しなどのコスト負担が大きくなるためです。
それを防ぐためにも、CSVデータでの連携が可能か、APIで自動連携ができるかなどを確認し、自社システムと相性の良い決済サービスを選定しましょう。
実績で選ぶ
後払い決済のサービス会社が公開している実績を確認することで、サービスの導入効果や選定ポイントなどを詳しく把握することができます。
信頼できる企業を選びたい場合は、実績が多い企業を選びましょう。また、自社と似た事業規模やビジネスを展開する企業の実績があると、ノウハウや知見が多い可能性が高くスムーズに導入できるでしょう。
5ECサイトの後払い決済を導入する際の注意点
ECサイトの後払い決済を導入する際の注意点として、以下の2点があります。
- 取引額に適したプランが選択できているか
- 返品やキャンセル時の対応は問題ないか
取引額に適したプランが選択できているか
後払いサービスは、月額料金と決済手数料の組み合わせで料金が決まります。2つの料金は連動しており、基本的にどちらかが高くなると、どちらかが低くなる傾向にあります。
自社の取引額に応じたプランを選ぶことができないと、料金が高くなる可能性があり、売上利益の損失につながります。プランが自社にとって適しているかどうか、必ず確認しましょう。
返品やキャンセル時の対応は問題ないか
返品やキャンセル時の対応方法は、顧客の支払い状況によって異なるため注意しましょう。
顧客の支払いが完了しているか否かで、以下のように取り組む必要があります。
顧客の代金支払い状況 | 対応 |
---|---|
まだ支払っていない | 自社で決済代行会社へ連絡し、取引の取り消し処理を依頼する |
すでに代金を支払っている | 事業者から顧客へ直接返金しなければならない |
また、請求書発行を自社で行う必要があるケースもあるため、契約前に確認しましょう。
6まとめ:自社ECサイトに合った後払い決済サービスを選ぼう
クレジットカードを持たなくても利用できる後払い決済は、情報漏えいを気にせず安心してネットショッピングを楽しめる決済方法です。後払い決済サービスをはじめ幅広いEC決済方法に対応することで消費者の取りこぼしを防ぎ、売上拡大へと繋げることができます。
当社のグループ会社「キャッチボール」では、「後払い決済」サービスを展開しております。後払い決済サービスにご興味がある方は、お気軽にご相談ください。
「後払い決済についてまずは相談したい」
と考えている方へ
750社を超える通販支援実績をもつスクロール360は、
商材を問わず、幅広い事業者様より評価いただいています
サービスはこちら