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ECサイトで行うべき在庫管理とは?メリットや効率化の方法を解説

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国内のEC市場は、年々拡大を続けていますが、堅調に伸びていた売上が頭打ちになってしまう企業も少なくありません。ECでの利益拡大を図る施策として、最初に見直したいのが在庫管理です。

本記事では、EC通販事業で行うべき在庫管理のメリットや注意点、効率化の方法について解説します。併せて、効率化に役立つ在庫管理システムのメリット・デメリットや、システム選びのポイント、代行企業が実践するテクニックなどについても紹介します。

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EC通販事業における在庫管理とは

EC通販事業における在庫管理とは(イメージ)

在庫管理とは、自社内で保有している原材料や資材・商品などの在庫について、必要なときに必要な量を供給できるよう管理することです。

生産や販売の状況に合わせて適切に在庫管理をすることで、在庫不足による販売機会の損失や余剰在庫による無駄なコストの発生を防止できます。

在庫管理のプロセスには「入出庫管理」「返品管理」「棚卸」があり、担当者はこれらの業務によって在庫を正確に把握・管理します。 実店舗と同様、EC通販事業でも、在庫管理は非常に重要です。作れば売れた高度経済成長期とは異なり、消費者はすでに必要なものをある程度は持っています。

そのため、既存の商品価値を上回るものや自分にとって価値があるもの以外は簡単に買わなくなりました。 必然的に消費者のニーズは多様化し、顧客志向の商品開発やマーケティングが求められる中で、商品毎の生産数を減らして種類を増やす多品種少量生産(ロングテール戦略)にシフトする企業が増えています。

多品種少量生産で適切に商品を取り扱うためには、在庫管理が非常に重要です。
特に、EC店舗以外に実店舗を持っている場合や、EC店舗を複数運営している場合は在庫管理の難度が高く、負担になるケースが少なくありません。

在庫管理を効率化することで、多様な商品の品質を適切に管理し、確実にスピーディーに配達でき、顧客満足度の向上にもつながります。 また、経営状態を客観的に知るために在庫は有用な指標となるため、常に正しい在庫を把握できるように管理しておくことは、経営上の観点からも非常に重要です。

EC通販事業で在庫管理を行うメリット

EC通販事業で在庫管理を行うメリット(イメージ)

EC通販事業では、適切に在庫を管理することは下記のようなメリットをもたらします。
売上や利益の向上には必要不可欠といっても過言ではありません。

余剰在庫・欠品を防ぐことができる

多すぎる在庫は売れ残りにつながります。売れ残った大量の在庫を保管するには保管費用がかさむ上、必要な商品を見つけにくくなったり、長期間の保管により劣化して販売できなくなります。

長期間保管できる商品だったとしても、買い手が見つからなければ、最終的には定価より値段を下げて売りきるなどの方法で処分しなくてはなりません。

反対に、在庫を極端に少なくすると欠品が発生し、本来受けられた注文を受けられずに販売機会を失う可能性があります。 常に適正在庫を維持するように在庫管理することで、余剰在庫欠品を防ぐことができます。売上の最大化とコストの削減により、キャッシュフローの改善も実現できるでしょう。

商品の品質が安定する

保存期間が長引くと、商品の品質は劣化します。消費期限がある食品はもちろん、トレンドや流行があるアイテムなども、入庫してから時間が経てば経つほど商品価値が下がります。

特に、実物に触れることがないまま購入するECサイトの場合、届いた商品の品質が消費者の想定を下回っていれば満足度は上がらず、リピートにはつながりません。古い在庫(滞留在庫)の発生を防ぐことで、商品の品質が安定します。

コスト削減につながる

大量の在庫を保管するには広い保管場所が必要で、廃棄する場合にも処分費用がかかります。 商品の仕入れにかかったコストや、保管を担当していた人材にかかるコストが無駄になってしまう点も見過ごせません。適正な在庫を保つことで、保管場所の賃貸料や光熱費、人件費などにかかる無駄なコストの削減が見込めます。

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EC通販事業の在庫管理で注意すべきポイント

EC通販事業の在庫管理で注意すべきポイント(イメージ)

在庫管理を行う場合、下記の5つのポイントは押さえておかなければなりません。

いずれかがおろそかになってしまうと、せっかく在庫管理をしていてもその効果を最大化できなくなってしまいます。

正確な在庫数を把握する

今ある在庫数を正確に把握できていないと、欠品で販売機会を逃す、まだ十分に在庫がある商品を仕入れてしまうなどの無駄が発生します。 適正な在庫を保つために、リアルタイムの在庫数を常に確認できるようにしておきましょう。

余剰在庫は持たない

注文が入ったときに在庫がなければ販売機会を逃してしまうため、それを恐れて必要以上に在庫を溜め込むEC通販事業者は少なくありません。

在庫が手元にあると安心できるように感じますが、実際にはさばききれないことも多く、保管コストと保管担当者の人件費だけがかさむ状況になりかねない点には注意が必要です。 余剰在庫で経営を圧迫しないよう、常に適正在庫をキープしましょう。

在庫の減少ペースを把握する

仕入れを行うタイミングは、商品の売れ行きと在庫数で見極めます。 売れ行き好調な商品の在庫が減ってきたら、在庫が不足する前に適切な数の仕入れを行わなくてはなりません。
必要な数の在庫を十分に仕入れるためには、商品ごとの在庫の減少ペースを把握することが重要です。

在庫回転率を上げる

在庫回転率は、一定の期間内に在庫が入れ替わった回数を示す指標です。 在庫回転率が低いということは、長期間倉庫に置いたままになっている商品が多いということであり、保管コストの増大や品質劣化につながります。 消費者のニーズに合った商品を増やすなど、在庫回転率を向上させる対策が必要になります。

不良在庫は早めに処分する

型落ち品などの売れる見込みがない不良在庫は、早めに処分して保管コストを浮かせることが重要です。 一定期間を超えて倉庫にある在庫は、値下げセールやセット売りなどで売りきりましょう。 キャンペーンなどを展開しても売りきれない場合は、廃棄コストを負担しても、思い切って処分することが損失の軽減につながります。

在庫管理の効率化のための対策

在庫管理の効率化のための対策(イメージ)

ECサイトの販路や商品数が増えると、在庫管理は煩雑になります。 難度の高い在庫管理をスムーズにするためには、大きく下記の2つの方法があります。

在庫管理システムの導入

在庫管理システムは、在庫情報や入出庫情報などを入力することによって、正確な在庫情報をリアルタイムで把握・管理できるシステムです。

在庫数の一括管理、販売データ分析、入出庫管理、帳票の作成・出力、バーコード管理といった在庫管理にまつわるさまざまな機能が搭載されており、在庫管理業務を大きく効率化・適正化できます。

代行会社の活用

在庫管理を代行会社にアウトソーシングするというのも1つの方法です。入庫から出庫までの一連の業務を包括的に任せられるため、自社のスタッフをコア業務に配置でき、コスト削減にもつながります。

ただし、対応範囲は代行会社によって異なるため、自社商品に合った在庫管理を行える代行会社を選定する必要があります。

EC通販事業者が在庫管理システムを使うメリット

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EC通販事業者が在庫管理システムを使うメリットとしては、下記の5点が挙げられます。

多くのメリットがありますので、自社で在庫管理を行う場合、システム導入は必須ともいえるでしょう。

業務を効率化できる

在庫管理システムを導入すると、入荷・入庫・出荷といった在庫管理にまつわるプロセスを自動化できます。 従来、手作業で行っていた部分をシステムに任せることができるため、業務の飛躍的な効率化が可能です。

実店舗とECサイトの在庫を一元管理できる

実店舗とECサイト、双方の在庫をそれぞれ管理するには手間と時間がかかり、ヒューマンエラーが起こりやすくなります。 「実店舗にはあったのに、ECサイトでは在庫切れという表示になっていた」といった販売機会の損失にもつながりかねません。

在庫管理システムは、異なるチャネルでも在庫情報を一元管理できるため、在庫管理にかかる時間とコストを削減できます。 それぞれのチャネルでの在庫を融通することで、販売機会を逃しません。

適正在庫を維持できる

多すぎる在庫は不良在庫を招き、少なすぎると在庫不足で顧客満足度の低下につながるため、適切な在庫を維持することは重要です。 チャネル別の在庫を一元管理することで、企業全体の在庫を適正な範囲内に維持できるようになります。

ミスを防止できる

人力による在庫管理では、勘違いや入力漏れなどのヒューマンエラーが少なからず発生します。実店舗とECサイトで情報を共有する際にすれ違いが起こるケースもあります。

人為的なミスが発生しがちなプロセスを在庫管理システムに任せることができると、このようなエラーを大幅に削減することができます。

顧客満足度の向上につながる

ECサイトが成長し、商品数や販売チャネルが増えると、在庫管理の難度が上がります。
経験や勘、記憶に頼った在庫管理では対応しきれないシーンが増えてくるはずです。在庫管理システムがあれば、複雑な在庫管理も正確かつスピーディーに処理ができ、ECサイトの成長を妨げません。

正確な在庫数がリアルタイムで把握でき、問い合わせにも迅速に答えられるので、顧客満足度も高まります。

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EC通販事業者が在庫管理システムを使うデメリット

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便利で、経営上のメリットも多い在庫管理システムですが、デメリットがないわけではありません。

導入にあたっては、下記の2点のデメリットを認識しておく必要があります。

使いこなすまでに時間がかかる

システムを導入したからといって、すぐに業務が効率化するわけではありません。新しいシステムに適応するまでには、どのような人でも一定の時間がかかります。 システム導入当初は、使用方法を把握するのに手間取って、かえって非効率な時間が増えることも考えられます。

導入・運用のコストがかかる

在庫管理システムには、無料で使えるものもありますが、無料の場合は機能制限があるのが一般的です。 EC通販事業で適切な在庫管理を行うためには、システムの導入コストと月々のランニングコストを覚悟しなければなりません。

無料ソフトや人力での管理では、日々の業務の停滞やトラブルが発生する可能性が高いため、自社の在庫管理の状況を客観的に見極め、システムの必要性を判断することが重要です。

EC通販事業の在庫管理システム選びのポイント

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EC通販事業者が在庫管理システムを選ぶ際には、自社の状況に合ったシステムを選ぶ必要があります。

そのためには、下記の3つのポイントを意識しながら検討を進めましょう。

導入の目的を明確にする

漠然とシステムを導入すると、導入によって得られた効果を確認することができません。かけたコストが適正だったかどうかもわからないままになってしまいます。

システムによって機能や得意とする領域は少しずつ違います。 自社が在庫管理システムを導入する目的を明確にし、求める効果に優先順位をつけて、適切なシステムを選ぶことが必要です。

自社のビジネスモデルに合ったシステムを選ぶ

在庫管理システムと自社のビジネスモデルとの相性も大切です。 自社商品の特性を再確認し、効率化を図る上で、必要な機能が網羅されている在庫管理システムを選びましょう。

利用中のシステムとの連携を確認する

在庫管理システムは、ほかの販売管理システムやECサイトの受注システムなどと連携できる場合があります。 在庫管理システムは、全チャネルの在庫管理を人ではなくシステムが包括的に行うことで効率化するものですが、既存システムと連携できれば業務がさらに効率化します。

導入を検討している在庫管理システムが、自社のシステムと連携可能かを確かめておくことも重要です。

スクロール360物流の在庫管理ノウハウ!
これがプロのテクニック

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当社ではEC通販に特化した物流企業として、長い年月をかけて在庫管理のノウハウを作り上げてきました。下記はその一例です。

滞留在庫を減らす取り組み

在庫SKU別の滞留日数リストの作成を実施。滞留商品と日数を明示してEC通販事業者様に共有することで、滞留によって発生する保管スペースとコストをご認識、迅速にご判断いただきスペース・コストの効率化を目指します。アラートを出すとともに、滞留在庫となっている商品の保管提案も行っています。

独自の倉庫管理システムの活用

倉庫管理システム(WMS:L-Spark)の利用で、複雑な在庫管理はもちろん、EC通販事業者様独自の条件設定など、臨機応変に対応しています。

在庫トラブル時のフォロー

在庫トラブルが発生した際のフォローも万全です。トラブルが発生した際、「どのプロセスでどれだけの数量が残っていることが正しいか」「そのプロセスで調べることが可能か」「その調査は有効か」を踏まえ、生産性も落とさないようにしながら、できるだけ速報値をとりながら対応します。

まとめ:在庫管理システムや外注の活用で、在庫管理を最適化しよう

在庫管理は物流の品質を維持するために大切な業務です。

適正在庫を保てない、在庫管理でミスが起こりがちであるといった問題を抱えている場合は、在庫管理システムの導入や物流のプロへの委託を検討しましょう。システム化やアウトソーシングがうまくいけば、コスト削減、顧客満足度向上などの効果が期待できます。

当社では、在庫管理の課題解決もご提案できる物流代行サービスを展開しています。在庫管理の外注をお考えの際は、お気軽にお問い合わせください。

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