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物流 (倉庫業務) 物流 (在庫管理)

棚卸しの目的とは?/作業方法や注意すべき3つのポイントを詳しく解説

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棚卸しの目的とは?

棚卸しとは自社の経営状態を正確に把握するための業務
正しい理解と正確な作業を意識しよう

在庫を抱える店舗やEC通販事業会社で定期的に行われている棚卸し作業は、自社の財務管理に関わる重要な業務の一つです。棚卸しを行う目的や注意点などを具体的に知りたいEC通販事業者様は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、棚卸しの意味や目的、作業手順などを中心にご紹介していきます。

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棚卸しとは?

棚卸しとは、自社商品の在庫状況を調査・確認する作業のことをいいます。
実際の在庫数量と帳簿上の在庫数量が合っているかを確認するだけでなく「資産評価」といった品質の調査も行われます。正確な在庫数量を把握することで、期末の「棚卸資産」を確定させることができます。「棚卸資産」とは、将来的に販売する目的で一時的に保管しているものを意味します。具体的には、商品・製品・原材料・仕掛品などが含まれます。

MEMO:「帳簿上の在庫」は「理論値在庫」のこと

入出荷情報をもとにして算出された、帳簿上(システム上)でのデータ在庫のことで「理論値在庫」の他に「帳簿在庫」「伝票在庫」と呼ばれることもあります。

棚卸しの時期

棚卸しは一般的に年度期末に行われます。
その理由は年度末に作成する決算報告書へ正確に記録をする必要があるからです。3月決算の企業は3月末に棚卸しを行います。棚卸しの頻度としては、少なくとも年1回は必要になりますが上限はありません。在庫や品質管理を徹底したい場合は半年に1回・四半期に1回行うこともあり、企業によって異なります。

棚卸しの作業方法

棚卸しには「実地棚卸」と「帳簿棚卸」の2つの方法があります。
棚卸しを行うタイミングや作業方法が異なります。正確な決算書を作成するために実地棚卸と帳簿棚卸、両方実施している企業がほとんどです。

実地棚卸

実地棚卸とは、実際に在庫を目視により数量を確認する方法です。ここでの在庫は「物理的な在庫(実在庫)」で、一般的に「棚卸」というと実地棚卸を示すことがほとんどです。
目視によって確認するため、実在庫を正確に確認できるだけでなく、在庫の品質や状態も確認できることがメリットですが、作業工数がかかる点や数え間違えなどのミスが起こる可能性がある点には注意が必要です。

帳簿棚卸

帳簿棚卸とは、帳簿上で実施する棚卸し方法です。ここでの在庫は「帳簿上の在庫(理論値在庫)」で、主に在庫管理表や在庫管理システム上で行います。
仕入れや出荷など、在庫が変動したタイミングで帳簿上へ記録していくため「どの商品が何個あるのか?」をリアルタイムに確認できる点や少人数で実施できる点がメリットですが、記録ミスが起こる可能性がある点には注意が必要です。

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棚卸しの目的

ここからは棚卸しを実施する目的について、以下4つをご紹介します。

  • 企業としての利益を確認するため
  • 帳簿上と実際の在庫数量の差異がないか確認するため
  • 在庫管理を適切に行うため
  • 機会損失を防ぐため

企業としての利益を確認するため

棚卸しをすることで、在庫である棚卸資産が把握できます。
売上金額と棚卸資産を調べることで、自社の利益を算出します。例えば、1,000円の商品を100個仕入れて、1,500円で90個販売できれば、利益は35,000円となりますが、在庫が10,000円分(1,000円×10個)残っているため、総利益は25,000円となります。

算出方法

  • A. 1,000円×100個=100,000円(仕入れ)
  • B. 1,500円×90個=135,000円(販売)
  • C. 135,000円-100,000円=35,000円(利益)【B-A】
  • D. 1,000円×10個=10,000円(棚卸資産)
  • E. 35,000円-10,000円=25,000円(総利益)【C-D】

正確な利益を把握するために、棚卸しによって在庫分の金額を算出する必要があります。

帳簿上と実際の在庫数量の差分がないか確認するため

棚卸しでは在庫数量を帳簿上へ記録することが必須になるため、実地棚卸の後、帳簿上の在庫数量と実際の在庫数量が一致するかどうか確認する必要があります。
一致していない状態のことを「棚卸差異」といいますが、差異が発生した場合は「どの工程で、どのようなミスがあったのか?」を究明し、改善対策を行うことで再発防止につなげます。棚卸しにより在庫の差異を洗い出し、帳簿上の在庫数量を正しく修正します。

在庫管理を適切に行うため

自社の在庫数量を適切な状態にする役割もあります。
滞留在庫不良在庫の把握をすることも棚卸しの目的の1つです。繰り返し棚卸しを実施していると、頻繁に売れている商品や売れ残っている商品が把握できるようになります。

売れ残ってしまった滞留在庫は今後の販売戦略の検討に役立ちます。売れる見込みのない不良在庫は保管費用の削減のため、どこかのタイミングで処分を検討することも必要です。

機会損失を防ぐため

在庫品質の調査で、劣化してしまった商品がないかどうかを確認しておくことで、すべての商品がいつでも出荷できる状態にしておくことも極めて重要です。この状態が徹底できていないと「在庫はあるが、出荷できる状態の商品が無くなってしまった」といったトラブルの発生や販売機会を逃してしまう可能性も少なくありません。

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棚卸しの作業手順

棚卸しの進め方には「一斉棚卸」と「循環棚卸」の2種類があります。

一斉棚卸

一斉棚卸について

一斉棚卸とは実地棚卸の手法の1つで、夜間や休業日等に入出庫が停止している状況下で全ての在庫に対して数量や品質の確認を行います。

棚卸差異が循環棚卸と比べると小さい点、棚卸計画が立てやすい点がメリットですが、業務を全て止める必要があったり、一度にたくさんの人員が必要になったりなどがデメリットです。

一斉棚卸の作業手順

  1. 棚卸実施計画を立てる
  2. 在庫の動きを停止する
  3. 「物理的な在庫(実在庫)」を確認する
  4. 上記3の在庫と「帳簿上の在庫(理論値在庫)」より在庫差異を算出する
  5. 棚卸差異に基づき、在庫数量を確定させる
  6. 在庫差異の原因を究明し、改善策を検討する

大まかに上記のような手順で実施します。

循環棚卸

循環棚卸について

循環棚卸も実地棚卸の手法の1つです。全ての在庫に対して一気に行う一斉棚卸に対して、部分的に作業日を分けて順番に進めていきます。

全ての業務を停止しなくても良い点、少ない人員で1回あたりの作業工数を削減できる点がメリットですが、棚卸差異が一斉棚卸と比べると発生しやすかったり、入出庫が発生し得る状況下で数量カウントを行うことで、商品の「入りと出」を都度確認する必要があったりなどのデメリットがあります。

循環棚卸の作業手順

  1. 棚卸実施計画を立てる(対象エリア、作業日毎に計画)
  2. 対象エリアの在庫の動きを停止する
  3. 対象エリアの「物理的な在庫(実在庫)」を確認する
  4. 上記3の在庫と「帳簿上の在庫(理論値在庫)」より在庫差異を算出する
  5. 棚卸差異に基づき、在庫数量を確定させる
  6. 上記2から5を繰り返す
  7. 在庫差異の原因を究明し、改善策を検討する

大まかに上記のような手順で実施します。

棚卸しで注意すべき3つのポイント

棚卸しを行う際に、以下の点に注意することがポイントです。

  1. 人的ミスの発生を防止する
  2. 在庫数量だけでなく品質も確認する
  3. 棚卸し表は最低7年間保存する

人的ミスの発生を防止する

棚卸しで最も注意しなければいけない点は人的ミスの発生です。主に以下のようなものが挙げられます。

  • カウント間違い、カウント漏れ、重複カウント
  • 類似商品による誤品カウント
  • 記録間違い、記録漏れ

人的ミスが発生すると、正確な在庫数量だけでなく利益や資産も把握できないといった問題が発生してしまうため、慎重に作業を行うことが重要です。

在庫数量だけでなく品質も確認する

棚卸しでは、数量だけではなく在庫の品質や状態も細かく確認することが必要です。
破損や腐食などが発生している不良在庫があった場合は、担当者へすみやかに報告するなどのルールを徹底しておくと良いでしょう。棚卸しによって販売が不可能とされた商品は損金として処理します。損金が発生すると課税対象額を減らすことができるため、品質の確認は節税にもつながります。

棚卸し表は最低7年間保存する

棚卸しの結果を記録した「棚卸し表」は、棚卸し実施日から最低7年間は保存することが国税庁により定められています。また、平成30年4月1日以降に欠損金が発生した年度の棚卸し表は10年間の保管が義務付けられています。決算書類としても大切なものになりますので紛失しないように管理し、担当者が変更になった場合は、棚卸し表の管理・保管場所を必ず引き継ぐようにしましょう。

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棚卸し効率化にはシステム導入やアウトソーシングの検討も

棚卸(物流業務)のアウトソーシング

棚卸しは実在庫をカウントして数量を記録し集計するといった単純作業ですが、作業工数がかかる点や人的ミスが発生しやすい点に、課題を抱えている企業も少なくありません。

人的ミスには数え間違い(数え忘れ)や、似ている商品で起こりやすい誤品カウント、在庫数量や数量単位の記録間違いなど、あらゆる工程で発生する可能性があり、人的ミスによって生じた在庫差異の原因究明にも更に工数がかかります。

棚卸しを効率化するためには、在庫管理システムを導入し、棚卸しの作業をシステム化することも有効ですが、在庫管理そのものを外部のプロへアウトソーシングする方法もあります。日々の検品作業や入出荷作業も一緒にアウトソーシングができるため、大幅な工数削減につながります。

まとめ:棚卸しとは健全な企業運営における重要な業務

いかがでしたか。
棚卸しとは在庫状況を確認し、自社の経営状態を正確に把握するために必要な作業ということが分かりました。棚卸しの正しい認識と正確な作業を意識しながら取り組みましょう。
当社スクロール360では、EC通販事業者様からお預かりした幅広いジャンルの商品を取り扱う中で、棚卸しに関するさまざまなノウハウを蓄積しています。棚卸しに関する課題がある際には、ぜひお気軽にご相談ください。

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