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棚卸差異の理由と改善対策/在庫数が合わないことによる影響範囲とは?

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棚卸差異・在庫差異の原因と対策

会社経営の財務に大きな影響を与える棚卸差異
発生理由と影響範囲、改善対策について詳しく解説します

正確な在庫数の把握や、保管している在庫の品質を確認するために欠かせない棚卸業務ですが、棚卸差異が生じると、財務管理に影響を与えるほか、原因究明や調整などに時間が割かれてしまうことによる生産性の低下にも繋がります。また、帳簿上の在庫より実在庫が足りなかったことによる機会損失の発生や信頼性の低下、逆に実在庫の方が多かったことによる余剰在庫の増加(誤発注)などの問題が生じてしまうことも。

本記事では、
棚卸差異(在庫差異)が発生する理由
棚卸差異(在庫差異)が業務に与える影響
棚卸差異(在庫差異)の改善対策
などを中心にご紹介していきます。


棚卸差異とは:帳簿上の在庫と実在庫の差異

棚卸差異とは、帳簿上の在庫と実在庫が一致していない状態のことをいいます。
棚卸をおこなった後、実在庫の数を、帳簿上の在庫数と比べることで、差異をつきとめることができます。棚卸差異率は「(実際の在庫数-帳簿上の在庫数)÷帳簿上の在庫数」で求めることができ、(企業によって評価の範囲は異なりますが)一般的には10%以上あると、企業の財務に大きな影響があるといわれています。

棚卸差異は在庫管理におけるさまざまな問題が理由で発生します。
棚卸差異が出たときは、帳簿上の在庫数を実在庫に合わせて終わりにしてしまう企業も少なくありませんが、同じような現象を引き起こさないためにも、きちんと理由をつきとめた上で、改善対策をすることが大切です。

MEMO:「帳簿上の在庫」は「理論値在庫」のこと

入出荷情報をもとにして算出された、帳簿上(システム上)でのデータ在庫のことで「理論値在庫」の他に「帳簿在庫」「伝票在庫」と呼ばれることもあります。

棚卸差異には2種類がある

棚卸差異には2種類があり、ひとつは棚卸差異率が-(マイナス)となる「棚卸差損」、もうひとつは棚卸差異率が+(プラス)となる「棚卸差益」です。
棚卸の際は、この2つを混同しないように、商品ごとに分けて棚卸差異率を計算しましょう。

棚卸差損:帳簿上の在庫より実在庫が少ない

帳簿上の数字のほうが多い差異がある場合、帳簿上の数字で判断して、実在庫より多い注文を受けてしまうリスクが生じます。商品をすぐに入荷できれば遅延で済みますが、そうでない場合はキャンセル扱いとなってしまい、顧客満足度の低下や企業信頼度の悪化にもつながります。

棚卸差益:帳簿上の在庫より実在庫が多い

実在庫のほうが多い差異がある場合、帳簿上の数字で判断して、本来必要のない発注をおこなってしまうリスクが生じます。余剰在庫の発生は、キャッシュフローの悪化や、商品価値の低下につながり、品質管理や販売・現金化の計画を新たに立てる手間も発生します。

棚卸差異が発生する理由とは

棚卸差異が生じる理由はさまざまですが、よくある理由として以下の4つをご紹介します。

入荷時の検収ミス

棚卸差異の理由として1番多いのが、入荷時の検収ミスです。
例えば、30個の入荷予定だった商品が、実際には29個しか入荷されなかったが、入荷検収時に差異を見付けられずに「在庫30個」と登録してしまうようなケースです。

入荷検収時の数量確認方法は、1商品ずつ数を確認する「ピース検収」と、納品されたケースごとに数える「ケース検収」の2通りがありますが、在庫差異は複数商品が混載された状態で入荷されたり、見た目の判別が難しい商品が同時に入荷されたりする場合などに発生することが多い傾向にあります。

在庫保管時のロケーション管理ミス

商品ごとのロケーションや置き方のルールが明確でなく、きちんと管理ができていないことも、棚卸差異が生じる理由となります。ロケーションの設定には、商品を常に決まった場所に保管する「固定ロケーション」と、倉庫全体の状況によって保管場所を変える「フリーロケーション」がありますが、在庫差異はシステムでロケーション管理が徹底できていない環境などで発生することが多い傾向にあります。

出荷時のミス

ピッキング時に数量を数え間違える、見た目が似た商品を誤ってピッキングしてしまうなど出荷時のミスによっても、棚卸差異は発生します。非常に薄く密着しやすい商材は、ピッキング時に想定よりも多い数をピックしてしまうケースがあるようです。また、1オーダーあたりのピッキング数が多いと、比例して数え間違えてしまうこともあるようです。

イレギュラー業務発生時のミス

化粧品やサプリなどの商材で、売上がつかないようなモニター提供やサンプル提供のために、通販システムを介さない出荷業務が発生する際も注意が必要です。システムを介さないため、在庫数の更新が手作業になってしまうことが大きな理由です。

入力ミスが発生したり、在庫数を更新すること自体を忘れてしまったりするため、棚卸差異が発生しやすくなります。モニター提供やサンプル提供以外にも、イベントや販促活動で自社商品を活用する際や、衣装提供などをする際にも、通販システムを介さないためイレギュラー業務が発生します。

棚卸差異によって生じる影響範囲

棚卸差異によって通常業務に影響を及ぼすだけでなく、さまざまな面でマイナスの影響が生じます。具体的にどのような影響があるのでしょうか。主な4つをご紹介します。

機会損失の発生

帳簿上の数字のほうが多い場合、帳簿上の数字で判断しながら実在庫よりも多く注文を受けてしまうため、分納や欠品による出荷の遅延や、キャンセルによる機会損失が発生してしまいます。

キャッシュフローの悪化

実在庫のほうが多い場合、帳簿上の数字で判断しながら商品発注をしてしまうため、余剰在庫や滞留在庫の発生によるキャッシュフローの悪化につながります。

作業効率の低下

出荷が遅れた場合や、欠品・キャンセルとなった場合には購入者への謝罪、商品の再出荷など、通常業務以外のオペレーションが発生します。その対応に追われ、通常の運営業務に大きく影響するほか、原因の特定や防止への対策も早急に行わなければいけません。

ブランドイメージの低下

出荷遅延や欠品は、せっかく購入を決意してくれた顧客の満足度を著しく下げる原因になります。たった1度でも、長い間築き上げてきたリピート顧客との信頼関係が一気に崩れてしまうだけでなく、ブランドイメージが低下することにもつながります。

棚卸差異の改善対策

棚卸差異は、適切な在庫管理や棚卸のルール整備によって改善することが可能です。

システムによる在庫管理の徹底

棚卸差異の改善対策事例:システムによる制御

日々の業務を手作業で行っていると、入力間違いや入力漏れなどのミスが生じやすく、タイムラグも発生します。

そこで、まず始めに取り入れたいのが倉庫管理システム(WMS)です。
倉庫管理システムに搭載されている機能はさまざまですが、以下のようなことが実現できると、在庫差異への改善につながります。

ルールをきちんと定めて、システム的に入荷管理を

ハンディターミナルを使って商品1つ1つをバーコード検品することで、自動的かつ効率的に入荷検収ができるため、ミスも減らせます。また、正確な入荷予定データの作成が徹底できると、さらに在庫差異を防げます。

バーコード検品を行い、ピッキングミスを見逃さない

梱包する商品に対して、ハンディターミナルなどのバーコードリーダーを使って1つ1つバーコード検品することで、ピッキング時の数量違いや商品違いなどのミスを見付けることが可能になります。また、検品結果が正しい場合でない限り、送り状伝票が発行されないような機能が搭載されていると、出荷ミスをシステム的に制御できるため、さらに在庫差異を防げます。

常態化している手作業業務をシステム化

手作業が発生しやすいイレギュラーな業務も、極力システム管理ができるようなシステムだと安心です。

例えば、セット商品の取り扱いが多い場合は、セット品のマスタ管理機能が搭載されていると、中身を構成する単品商品「構成品」のみマスタ登録をして在庫管理するだけで、組み合わせた親商品「セット品」の理論在庫の管理が可能となります。
当社スクロール360の倉庫管理システム「L-SPARK」は、この機能を搭載しています。

ロケーション管理もシステムで徹底

商品の保管場所を瞬時に特定できるロケーション管理のシステム化は、在庫差異の防止手段において極めて重要です。システム上で「見える化」することで、ミスの防止や在庫変動への柔軟な対応が可能になります。


物流業務のアウトソーシング

棚卸差異の改善対策事例:物流アウトソーシング

在庫差異を改善するためには、理由の究明と対策が近道となりますが、人的リソースや予算が足りず難しい場合も少なくありません。

その場合は、物流業務のアウトソーシングの検討をおすすめします。

ノウハウをもつプロに任せることで、システムによる自動化を含め、正確かつスピーディーな在庫管理を実現し、結果的に棚卸差異の削減にもつながります。アウトソーシングをして自社スタッフの作業時間を削減できたぶん、EC通販事業に重要な企画・販促業務に専念することが可能になります。

原因究明と対策が棚卸差異改善への近道

長期的な在庫差異の発生は、会社の損失に直接つながることになるため早めの原因究明・改善対策が必要です。原因は複雑に絡み合っていますが、再発防止のためには原因をしっかり突き止め、どこの作業段階で起こったのか、そのときのスタッフの心理状態やどのような作業環境だったのかなどを把握することで、具体的な改善策を見いだすことができるようになります。

システムの導入や運用の見直しなど、根本から少しずつ改善していくことによって在庫差異の改善につながり、そこから売上や顧客満足度の向上にもつながっていきます。

まとめ:徹底した在庫管理で棚卸差異の改善対策へ

いかがでしたか。
棚卸差異・在庫差異を改善するには、理由をつきとめた上で、在庫管理を徹底したり、必要に応じてシステムを導入したりすることが重要になることが分かりました。当社スクロール360では、幅広いジャンルの商品を取り扱う中で、棚卸差異・在庫差異の予防・改善につながるさまざまな対策を実施しています。在庫管理にお困りの際には、ぜひお気軽にご相談ください。

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