コールセンターの応対品質とは、オペレーターによる顧客対応の品質のことで、顧客とのコミュニケーションやマナーだけでなく、情報の正確性やスピードも含まれます。
応対品質が低下すると、顧客満足度の低下にもつながるため、品質管理のなかでも特に力を入れて行う必要があります。
本記事では、コールセンターの応対品質の概要や評価チェック項目、品質向上の方法を解説します。コールセンターの応対品質向上にお悩みのご担当者の方は、ぜひご参考ください。
目次
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1コールセンターの応対品質とは
コールセンターの応対品質とは、オペレーターによる顧客対応の品質です。
オペレーターの顧客に対するコミュニケーションやマナー、伝える情報の正確性などさまざまな観点から評価します。
応対品質が低下すると顧客の不満やクレームにつながり、顧客満足度の低下を招きます。
顧客満足度はコールセンターの指標の1つであるため、この値が低い場合は、応対品質の改善が必要な状態かもしれません。自社のコールセンターの顧客満足度を踏まえて、応対品質管理を適切に行いましょう。
2コールセンターの応対品質評価チェック項目
コールセンターの応対品質を管理する際、次の4項目をチェックし評価します。
- コミュニケーション
- 情報の正確性
- 応対スピード
- 顧客満足度
コミュニケーション
コミュニケーションは、「オペレーターによる顧客対応」についての評価項目であり、具体的な例は次の通りです。
<代表的な評価項目>
- オペレーターの第一声が明るく、印象が良いか
- オペレーターが顧客の声に共感しているか
- オペレーターが丁寧な言葉づかいで対応しているか
- オペレーターの話し方が適切か
顧客がオペレーターに対して良い印象を抱くことが、応対品質管理のうえで重要なポイントです。顧客対応の質を上げるために、細かく項目を設定して管理をしましょう。
情報の正確性
情報の正確性は、「オペレーターが商品やサービスの情報を的確に顧客へ伝えられているか」についての評価項目であり、具体的な例は次の通りです。
<代表的な評価項目>
- 顧客の悩みを解決できたか
- 顧客が気づいていない悩みを引き出し解決できたか
- 顧客の要望にすべて対応できたか
顧客の悩みが生まれた背景や、根本的な悩みを引き出して解決できたかどうかも重要な観点です。顧客が1度の対応で満足できる結果を得るため、オペレーターの教育やマニュアルの整備が必要です。
応対スピード
応対スピードは、顧客の悩みを解決するまでに要した時間に着目した評価項目であり、具体的な例は次の通りです。
<代表的な評価項目>
- 顧客が問い合わせに至るまでの転送回数は適切だったか
- 顧客が問い合わせに至るまでの保留時間は適切だったか
- オペレーターの説明がわかりやすくスピーディに解決できたか
- 顧客がオペレーターの説明を聞き返すことがなかったか
転送回数や保留時間のように、数字で測れる項目が多い傾向にあります。応対スピードがはやい場合でも、顧客の悩みが適切に解決されていなければ意味がないため、スピートにとらわれすぎないようにしましょう。
顧客満足度
顧客満足度は「オペレーターの応対に対して顧客が満足できたかどうか」を評価する項目であり、具体的な例は次の通りです。
<代表的な評価項目>
- 顧客から対応に不満やクレームがなかったか
- 顧客がオペレーターの対応に満足していたか
- 顧客がオペレーターに対して感謝を伝えたか
顧客満足度は数値化することで、適切な応対品質管理に役立ちます。
「C-SAT」「NPS®」「CES」などの代表的な指標を用いて、応対品質の改善を進めましょう。
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3コールセンターの応対品質が悪い原因
コールセンターの応対品質が悪い原因には、主に次の2つがあります。
原因 | 要因 |
---|---|
オペレーターの質にばらつきがある | ・教育体制が不十分 ・マニュアルが整備されていない ・トークスクリプトが更新されていない ・モチベーションが下がっている |
オペレーターへのフォローが足りない | ・業務の負担が大きい ・処理時間が不適切 |
新人の研修や教育を徹底しているコールセンターが多いものの、プログラムを終えると放置してしまう傾向があると、オペレーターの質にばらつきが生まれてしまいます。オペレーターに業務を任せきりにせず、適切な応対ができるように常時管理を行き届かせることが大切です。
さらに、オペレーターのフォローが足りずに負担の大きい状態が続いてしまうと、適切な応対ができなくなるだけでなく、欠勤率や離職率が上がり応対品質そのものが低下するため、処理時間や業務の負担が適切かどうかを管理しましょう。
4コールセンターの応対品質向上が重要な理由
コールセンターの応対品質を向上させることで、次の効果を見込めます。
- 顧客満足度がアップする
- 生産性がアップする
- ブランドイメージがアップする
顧客満足度がアップする
商品やサービスに対して悩みを抱いたとき、最終手段としてコールセンターを利用するため、顧客の「悩みを解決したい」という気持ちは最上級に高まっています。このためコールセンターでの応対が、顧客満足度を大きく左右します。
顧客満足度が向上すると、商品やサービス、提供企業のイメージがアップするため、応対品質の向上は必須です。
生産性がアップする
コールセンターにおける生産性は、時間あたりの処理回数で計算します。応対品質のなかでも応対スピードが向上すると、生産性が上がります。
ただし応対スピードにこだわりすぎると、コミュニケーションや情報の正確性の質が低下する恐れがあります。顧客満足度を維持した状態で応対スピードを上げられるよう、環境を整えましょう。
ブランドイメージがアップする
顧客満足度が高い応対ができると、商品やサービスに対するイメージも向上します。さらに提供元の企業もイメージアップとなり、他のサービスや商品にも派生します。
そのため、オペレーターの応対がブランドイメージを左右すると考えると、応対品質がいかに大切かわかります。オペレーターの教育を徹底するとともに環境整備を行い、応対品質の向上を目指しましょう。
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5コールセンターの応対品質を向上させる方法
コールセンターの応対品質を向上させる方法は、次の通りです。
- 評価項目チェックとフィードバックをする
- オペレーターの教育を徹底する
- トークスクリプトを作成する
- モニタリングを行う
- 顧客アンケートを行う
- データを取得・分析する
- 外部へ委託する
評価項目チェックとフィードバックをする
評価項目はなるべく細かく設定し、いつでも確認できるようオペレーターに共有します。
管理担当者はオペレーターに関する評価を行った後、必ずフィードバックを行いましょう。チェック項目のなかで評価の低いものは、改善できるようオペレーターの教育を行います。
さらに、全体的に共通して評価の低い項目がある場合は、システムやマニュアルの改善が必要です。評価項目の「チェック」「評価」「フィードバック」「改善」の実施を1つのサイクルとして、定期的に管理を行うようにしましょう。
オペレーターの教育を徹底する
オペレーターの教育を徹底するために、研修プログラムを設定することも1つの方法です。特に新人に対する研修を行った後は、丁寧な評価とフィードバックをくり返し、研修後はそのまま放置しないことが大切です。
さらに中堅やベテランのオペレーターにも定期的な研修を実施することで、質の向上につながります。ベテランと新人を組ませて一緒に成長できる仕組みをつくることも、管理担当者の仕事です。
オペレーターの質にばらつきが生まれないよう、全体の質を向上させるための仕組みづくりを行いましょう。
トークスクリプトを作成する
トークスクリプトやマニュアルを作ったまま放置していると、顧客ニーズの変化に伴い、顧客との間にズレが生じます。こうしたズレは顧客満足度の低下を引き起こすため、早めの対処が必要です。
トークスクリプトやマニュアルを作成した後は定期的に更新し、適切な応対ができるよう環境を整えましょう。更新をしたらオペレーターに周知し、ときには研修を行うことも大切です。
モニタリングを行う
モニタリングとは、オペレーターの応対中の様子を観察し評価するものであり、以下のような方法があります。
<モニタリング方法>
- オペレーターの応対様子を遠隔で観察する
- オペレーターの隣で応対様子をリアルタイムで観察する
- オペレーターの応対を録音、録画して観察する
モニタリングを行うことで、オペレーターのコミュニケーションや情報の正確性を向上させることができるため、すべてのオペレーターに対し平等にモニタリングを実施し、丁寧にフィードバックを行うことが大切です。
さらにミステリーコール(顧客を装って対応を観察すること)を活用すると、より正確にオペレーターの応対品質を測れます。必要に応じて、モニタリングとミステリーコールを併用しましょう。
顧客アンケートを行う
顧客アンケートを行うことで顧客の声を知り、顧客満足度を測ることができます。
アンケート結果を分析すると、オペレーターの応対に関する課題が見えてきます。課題に対してピンポイントで改善施策を打ち込むことで、応対品質の改善が可能です。ただしアンケートは回収率が低いため、回答後にプレゼントを配布するなど工夫が必要です。
データを取得・分析する
データを取得・分析し、応対品質改善の施策を打ち出しましょう。特に応対スピードについては、指標をうまく使いデータを取得・分析することで改善点を見つけることが可能です。
数値指標は、コールセンターのシステムや環境の改善に効果を発揮します。処理時間や通話時間を測定し、オペレーターの負担を軽減する施策にも取り組みましょう。
外部へ委託する
応対品質の管理を丸ごと外部へ委託することで、品質を高く保つ方法です。プロに任せられるため、徹底した品質管理が期待できます。
コストはかかりますが、管理業務がなくなり他のコア業務へリソースを割けるようになる点もメリットです。専任で管理者を確保できない場合は、アウトソーシングの活用や外部への委託をおすすめします。
6まとめ:コールセンターの応対品質を向上させよう
コールセンターの対応品質とは、オペレーターによる顧客対応の品質であり、向上するためには管理者による適切な管理が必要です。徹底した管理にはやるべきことが数多くあるため、他の業務と兼任している場合は大きな負担となり、手が回らない状態になりがちです。
こうした問題を解消するために、応対品質管理を丸ごとアウトソーシングできるサービスの利用も視野に入れましょう。
当社では、長年の実績から培った知見とノウハウを凝縮したコールセンターの代行サービスを提供しています。応対品質管理についてお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
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